第144話 文化祭は準備段階が何気に一番楽しい件について①
美波はその事には何も言ってくる事はなく、慎二は呼ばれた。
「アタシはそのまま司会進行をやるから、慎二は板書を取ってくれる?」
「分かったよ」
返事をするとチョークを取った、前までは小さなチョーク類しか無かったが今は教室が新調したお陰で備品も更新されたので前みたいにチョークが短いとか言って困ることも無い。
「それじゃ、色々あって時間もかなりロスしちゃったからちゃっちゃと決めるわよ。クラスの出し物でやりたい物があれば挙手してもらえるかしら?」
美波が聞くと、かなりの人数が挙手をした。さっき愚痴を言っていたから皆やる気が無いものばかりと思っていたから以外だった。
挙手をするクラスメイトの中で選んだ生徒は………
「はい、村上」
村上だった事に慎二は驚きだった。
今さっきあんな事があったから美波は当てない物と思っていたがそうでも無いみたいだ、慎二は何も言わずに板書役なので村上の言葉を聞き漏らさない様にしていた。
名前を呼ばれて立ち上がった村上は真剣な顔を作ると。
「………喫茶店」
と言うのだった。
「あら?村上にしては真面な意見ね?まぁ良いわよ、慎二書いて」
美波は初め以外な顔をしていたが、喫茶店なら良いかと思い慎二に描く様に伝えた。慎二も「村上君は心を入れ替えたのかな?」と思い黒板に書き入れようとしたら……村上から「まだある」と言われたので嫌な予感がする慎二。
「………何よ?喫茶店だけじゃないの?」
美波も村上の言葉に警戒をしていた。
ただ、当の村上は淡々とその続きを言った。
「あぁ、ある、ただの喫茶店じゃつまらないだろ?だからそこにアレンジを入れる、そう……アニメのコスプレをなぁ!!」
村上は本性を表した様に立ち上がると大きな声を出して言うのだった、その時にはもうあの変な口調は無くなっていた。
村上はこの場を狙っていたのだ、美波と優奈が2次元をバカにしていなかった事は知ったが、バカにされた事は確かだなのでそのバカにしたコスプレを美波達にさせようと狙っていたのだ。
「ま、まぁ、意見だから一応採用するわ」
「うん、書くね」
美波は嫌そうな顔をしていたが、意見は意見なので慎二に板書してもらう事にした。
【候補1・・・喫茶店『2次元の集い』】
「じゃあ……次は、宮ノ内」
「ふっ、俺か……吉野は俺に何を聞きたい?」
美波が挙手をしている宮ノ内の名前を呼ぶと何故か変な事を聞いてきた。
「アンタが手をあげているから聞いてるんでしょうが……ふざけてないで早く言いなさい」
「つれない女だな、まぁいい……タピオカ屋なんてどうだ?」
これまた意外にも真面なことを言うクラスメイト。
だが、村上という例があるので美波は怪しんでいた、だからまだ慎二は黒板には何も書いていない。
「タピオカ?……それはただのタピオカ何でしょうね?村上みたいに変な事を追加したら却下よ?」
「安心しろ、俺が言っているのは普通のタピオカ屋だ、それにこう見えて俺の両親は駅前にタピオカ屋を出していてな、知識は豊富だぞ?」
何故か髪をかきあげならが言う宮ノ内に美波と慎二はイラッとしていた。
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