第77話 高校とバカとデートと⑦
◆
・慎二視点
「つ…疲れた……あと麗華先輩だな………」
愛菜とカラオケデート?が終わってからは小町、鈴音と順番にデートをしていった。
小町とは近くにあったスポ○チャに行き色々なスポーツを楽しんだ。
その時に小町が足を少し挫くというアクシデントはあったが慎二が颯爽と小町の側に行きお姫様抱っこをして救出した、その時に小町はゆでだこの様に顔を真っ赤にしていたが、人命救助の方が優先だと慎二は思いそのまま係員に聞き医療スペースに行って小町の手当てをした、体に特に支障が出る様な怪我じゃなくて良かったと思う。
ただ慎二が気になったのが小町をお姫様抱っこをした時にずっと目を瞑り何かを待つ様に唇を突き出していたのだけが謎だと思っている。
小町と行ったスポ○チャの近くにランジェリーショップがあったので鈴音の希望でそこに慎二も一緒に入る事になった。
初めは恥ずかしがっていた慎二だったが自分だけ恥ずかしがっていると逆に変な人に見られると思い冷静に鈴音の下着を選ぶ事にした、そんな慎二を見て不満に思っていた鈴音だったが試着していた時にこれまたアクシデントが起きて鈴音はご満悦だった……慎二を試着室に呼んだら来る際に慎二がこけてしまい、そのまま鈴音が入っている試着室まで突撃する形になってしまい、慎二が気付いたら鈴音の胸を鷲掴みしてる状態になっていた。
そんな事がありながらも後は1人だけだと心を落ち着かせて麗華との待ち合わせ場所の桜田駅前の裏口まで慎二は来て麗華が来るのを待っていた。
「色々アクシデント起き過ぎだよ、これは全部「負幸体質」のせいだ……」
そんな事を呟いてる慎二がいた。
◆
・綾杉麗華視点
「………ふ…ふふふ……ふへっ!遂に遂にこの時が来たのよーー!待ち望んでたわ慎二君とのデ・ー・ト!今日のデートの順番も計算通りよ、後は慎二君と会うだけ!」
麗華は普段だと出さない少し気色悪い笑い声をあげながら慎二が待つ元まで向かっていた。
麗華はしっかりと待ち合わせ場所に待つ慎二を視界に入れるとそのまま慎二の左腕に自分の豊満な胸を押し付ける様に抱き付いた。
「慎二君ーーーー!!」
「うわあ!?……て………麗華先輩?……その、胸が当たってるのですが……」
「当ててるのよ!!」
「えぇーー………」
慎二が胸の感触に顔を赤らめてる姿を見てお決まりの言葉を返した。
「慎二君今はそんな事どうでも良いじゃない、時間は1時間しか無いの誰も待ってくれないのよ?」
「………わかりましたよ」
麗華が慎二の考えを押し切るためにそういうと時間はないのをわかっているのか渋々と慎二はこの体勢を許可してくれた。
「それで、麗華先輩、今日は何処に行きますか?事前に麗華先輩が考えてるプランで行くと言っていましたので付いて行きますね」
麗華はある計画をする為に自分でデートのプランを考えると慎二に伝えていたのだ。
「うん、今回は私が考えてきたから大船に乗ったつもりで慎二君はついてきてね!」
「わかりました」
(慎二君は何もわかっていない顔をしてるわねぇ〜まあわかるわけが無いか〜これから何処に行くかなんて)
麗華はこれから行く場所の事を考えていた。
麗華と慎二は少し暗くなってきた空の下駅の路地を歩いていた、そんな中慎二は「こんな所に何かあるのか?」と思いながらも麗華が考えてくれたから従おうとついて行った。
景色が変わらない中ようやく少し賑やかな場所に出たと思った慎二だったが、出ている看板を見て不信感を覚えてしまった。
その場所は所々にカラフルな電光掲示板が多数あり〇〇何円〜など書いてあるからだ。
「あの〜麗華先輩?……ここって、その、大人の人とかが行く場所?なんじゃ無いですか?」
「ん?……まあそんな店も近くにあるわね〜でも私達が今からイク場所は健全よ?」
なんか「行く」のニュアンスが違う様な気がしたが気にしたら負けの様な気がしたので慎二は口を閉じる事にした。
少し慎二君は気付いてきてるみたいね〜でももうここまで来たら私からは逃げられないわよ〜
麗華はそう考えながら目的の場所まで慎二と向かう事にした。
「慎二君ようやく着いたわよ!ここが今日のデートスポットよ!」
「………へっ?」
慎二の返事はいまいちだったが、そうなるのもしょうがない、何故なら着いた建物の看板に「夢の国 ラフォーネ」と書いてあるのだから、簡単に言ってしまうとラ○ホだ。
「麗華先輩?ここは違いますよね?冗談ですよね?」
「んーん、ここがそうよ?」
麗華がそう言うと慎二はその場から逃げようとしたが……麗華に抱きつかれている為上手く動けない状態になっていた。
その時に慎二はようやく気付いた、自分が野獣の罠に嵌ったのだと。
「麗華先輩、用事を思い出しました!今日は帰ります!」
「大丈夫よ?その用事もここで寛げばじき忘れるから、それにこんな物も用意したの」
慎二が逃げようとしても逃してくれず、変な箱も見せて来た……そこには……
「………なんかその箱に0.01ミリとか訳のわからない事が書いてあるんですけど!?……そんな物何か危ない気がするから早く捨ててください!」
「駄目よ、これはね私達に必要なのだから……ほら時間は待ってくれないわよ、さあ中に入るわよ!」
「嫌だーー!何か嫌だ!僕は帰るー!?」
慎二は何としても入りたく無いから自分に今出来る精一杯の抵抗をしたが、何故か麗華は女性なのに慎二より力が強くて……
「往生際が悪いわね、大丈夫よ、私も初めてだけど出来るだけ優しくしてあげるからね?」
「違う!そう言う問題じゃ無い!?」
慎二があと少しで麗華と店の中に入りそうになっていたら……慎二を助ける救世主が現れた。
『ピピピピピーーー!!不純な行為を発見、今すぐ捉えます!』
何故か黄色いホイッスルを吹きながら他の生徒会の皆が来てくれた、そんな状況に麗華は騒ぎ出した。
「貴方達なんでいるのよ!?まだ時間は余っているでしょう!?ルール違反よ!」
麗華のそんな言葉にいつものほんわかな雰囲気が消えた実里が答えた。
「何でいるかって?そんなの最初からこうなると思っているからよ、麗華ちゃんが自分から最後になった時から怪しいとは思っていたわよ!それにルール違反をしようとしたのは麗華ちゃんからでしょ!?」
「なっ!?」
最初から自分の計画がバレていた事にショックを受けて麗華は慎二から離れるとその場で膝をついてしまった。
「皆その裏切り者を捉えて、後でしっかりと調教するから!」
『はっ!』
実里のその言葉に他の生徒会のメンバーは声を揃えて答えた、その場面を見ながら慎二は震えていた。
「全く何が夢の国よ、そう言う事は麗華ちゃんの頭の中の妄想だけにしときなさいよ……慎二君今日はデートありがとね?今日はこれで解散にするわ……ちょっとこの後用事もあるし……ね?」
「はい!僕の方こそありがとうございました!お疲れ様です!」
慎二はそう言うと颯爽とその場から逃げて行った。
「あぁ…夢の国……私と慎二君の愛の結晶………」
「黙りなさい!」
麗華がまだ変な事を言っていたからそう言うと近くに転がっていた謎の箱も念のため踏みつけといた。
「麗華ちゃん、今回の件は本当に容赦はしないわ、どうなるか覚えてなさい!」
実里がそう言うと他の3人に麗華は無理矢理起き上がらされて何処かへ連れて行かれるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます