第29話 高校とバカとスケベと
◆
漸く慎二と雄二達は反省文を書いて提出した後帰路についた、時間も微妙だった為昼兼夜ご飯を食べる為高校の近くのファストフード店に慎二、雄二と由紀、服部の4人で入る事にした。
「明日から高校生活本番か、色々あるだろうけど、皆は「クラス分けのシステム」で他のクラスになりたいと思ってる?」
そう服部は聞いてきたが、慎二達の反応はこんな感じだった。
「無いよ」
「無いな」
「今のままで良いかも」
そんな返答が返ってきた。
「まあ僕も無いんだけどね、一応確認で聞いてみたよ、正直「F」クラスが一番動きやすいってのがあるし、この桜田高校は「退学」させられる事が無いからそこも魅力的なんだよね、「自主退学」はあるけどそれは個人の自由だし、まあ何が言いたいかって言うと、勉強やらなくても怒られるだけで卒業出来るから良いよねって事だよ!」
それは知らなかった、でも服部君、君どんだけ勉強嫌いなのさ。
「僕が気になるのはやっぱり「貢献度」のシステムだね、これって中学の時はなかったの?」
そんな事を聞くと3人とも「無かった」と声を揃えて行った。
「へぇー、じゃあ今回が初めてなんだね、雄二には話したかも知れないけど僕は「人助」が趣味みたいな事があるからね、このシステムは中々僕好みだね」
「そんな事言ってたな、お前お人好しっぽいからなんとなくわかるが」
「それに慎二君達の話聞いてると、結構運動神経とか良いんでしょ?僕はてんで駄目だから羨ましいな〜」
由紀は運動があまり得意では無いのか、人それぞれ得意な物があるからこれはしょうがないと思う。
「何か合ったら皆も気軽に聞いてよ!」
そんな事を話してたら服部君が皆にある事をやらないかと提案してきた。
「あのさ、クラスはこのままで良いとして皆は何か「部活」に入るつもりだったりする?僕は「写真部」に入るつもりだったんだけど、、折角こうして仲良くなれたんだし良ければここにいるメンバーで「部活」に入るか「新しい部活」を立ち上げて見ないかい?」
服部の話を聞くと慎二は考え込んでしまった。
(「部活」かぁ、正直あまり興味ないんだよね、自分には「人助」とかやる事あるからあまり他の事に時間使えなさそうだし、それにアルバイト先もまだ見つかって無い状態だからなぁ)
そんな事を考えていたら、意外な人物が服部の提案に賛成した。
「俺は良いと思うぞ、慎二は何か悩んでるみたいだが、お前「人助」が趣味って言ってたからそれ関係の「部活」でもやるか、作れば良いんじゃ無いか?」
そんな雄二の提案に慎二以外の2人は賛同した。
「うん、僕もそれが良いと思うな、「部活」紹介を見ても「人助」をやるって言う物は無かったと思うし」
「なら仮に「人助部」なんて感じでこの4人で「部活」を立ち上げてみるのも悪くは無いかもね!」
僕以外の3人がやる気になっちゃったよ、そもそも「人助」をする前提の「部活」だと「徳」を貯めるのにも丁度良いし「貢献度」にも繋がるから一石二鳥どころか三鳥で断る理由も無いと思うけど、そんなに上手くいく物なのかな?
「あのさ、「部活」って僕達高校1年生で立ち上げられる物なのかな?それにもし作れたとしても色々と承諾してもらわないといけないんじゃない?」
そんな事を言う慎二に待ってましたと言わんばかりに服部が声を上げた。
「慎二君、そう言う事込で話を振ったのさ僕の「二つ名」を忘れたのかい?「情報屋」さ!もう調べ終わっているよ」
服部はもう調べてたらしく「部活」の作り方を話し出した、初めに人数が2人以上いて「部活」の「顧問の先生」が決まってること、その後に「担任の先生」と「生徒会長」から「部活」結成の承諾を貰う、これが一連の流れだと言う。
「人数はいるし「顧問の先生」さえ見つければ「部活」ってそんな簡単に作れるんだね」
「まあ、簡単と言っても「顧問の先生」を見つけるのもかなり大変みたいだよ?それも調べ済みだけどね!今回は運が良かったよ、丁度今年入ってきた先生がいるからその先生に聞いてみるよ」
ああ、確か新人で入ってきた「由比ヶ浜千夏先生」だっけ?良いと思うけど新人で入ってきていきなり「部活」の「顧問」てきつく無いかな?
横から服部に由紀が質問をした。
「服部君、その人って恐らく由比ヶ浜先生だと思うけど、自分が話したいからとか……じゃ無いよね?
と、服部にジト目を向けながら言った。
「木之下君、バカな事を言ってはいけないよ!僕がそんな私的な理由で言うわけ無いじゃ無いか!」
こう言っているが、鼻血を出しながらじゃ何も説得力は無い。
「服部お前……スケベなんだな」
そんな雄二の言葉を聞き言い訳を巻くし立てていた服部を見て3人は面白くなり笑い出した。
「部活結成」は明日から行う事に話がまとまり、ご飯を食べた慎二達はそれぞれの家に帰って行った。
「明日は授業が始まる前に1時間ぐらいレクリェーションがあるみたいだけど何やるのかな?それが終わったら時間見つけて「部活結成」の為に動かないとな」
そんな事を思いながら風呂に入る準備をして外に干していた洗濯物を取り込んでいたら自分のお気に入りのトランクスが無くなっている事に気付いた。
その時は風か何かで飛んでいってしまったのかと思っていた、別に他に履ける物もあるので気にして無かった、だがそれが間違いだった自分のトランクスは「何者かに盗まれた」と言う事に。
◆
その頃、笹原結菜が病院を退院して自分達の家に帰って来ていた、慎二と同棲をする為に色々と準備を始めていたが、まだ会えない為慎二を何処でも感じられるように「落ちていた慎二のトランクス」を頭から被り残り香を嗅いでいる笹原結菜の姿があった。
こんな姿娘の結衣になんて見せられないが我慢が出来無かったのだ、刻一刻と慎二に波乱が待ち寄せていた。
「慎二君、待っていてね?早く貴方の結菜が側に行くから」
と、最初会った時のクールで優しげな雰囲気など完全になくなり変態になっていた。
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