第28話 高校とバカと二つ名と




 どうもバカです!


 結局あの後教室に2人で帰って皆が帰ってくるのを待っていた、剛田先生が見えたので2人で謝る為に近づいたらいきなりラリアットを喰らった。


「このバカ共がー!アレ程遅れるなと言っただろうが、木村は分かるが何故前田、お前も遅れた?そもそも来ないとは何をしていたんだ!」


 その後は剛田先生に今まであった事を話した、初めはしっかり聴いていたが途中から「そう言う時は先生を呼べ!」と怒られた、ごもっともです。


 周りで聴いていた「F」クラスの生徒達は楽しそうにこっちを指差して見ていた、楽しそうで良かったよ、その中でも心配そうに見ていた由紀と悠木さんは多分このクラスの癒しだ、吉野さんなんて僕が怒られてるからか今まで見た事が無いぐらいご満悦だったよ、絶対あの子「S」だよ。


 その後、結局僕と雄二はこの「F」クラスの問題児とされて、罰として反省文2枚を書き終わるまで帰れない事になった。


 午後1時には帰れると思っていたのに。


「前田君達、大変な目にあったみたいだね?でもびっくりしたな、木村君が教室に前田君といるもんだから」 

「うんうん、僕も最初は怖い人なのかな?って思ってたけど慎二君と名前呼びで話してるの見たらああ普通の生徒なんだなって思ったよ」


 反省文を書いてる慎二達だったが、服部と由紀は残ってくれた、他の生徒もまだ残っているが、悠木さんと吉野さんの女性陣は帰ってしまった。


「ううーん?そうかな?雄二はちょっとシャイなだけだと思うんだけどね」

「適当なこと言うな、俺だって仲良くぐらいするわ!」


 そんな話をしていたら今日の生徒会長の話の話題になった。


「前田達もったいない事したよなー、今日の生徒会長の話あったじゃん?そこに出ていた生徒会長がメッチャ美人で胸もデカくて最高だったわ、アレは一目見とくべきだったな!」


 そんな事を言ってきたのはクラスメートの村上君だ、彼の話だと今日見た生徒会長はまた凄い美人さんらしい。


「服部なんて生徒会長が現れた瞬間一瞬で鼻血出して倒れてたもんな」


 周りからもこの「ムッツリ」めと揶揄われていた。


「アレはしょうがない、僕の目には毒過ぎたよ、そもそもこの高校は僕が調べた限りだとかなりレベルが高いと思う、勿論女子のレベルね」


 そんな事を言う服部に「流石「情報屋」」と他の皆が言っている、ただ慎二には気になる言葉があった。


「ちょっと良いかな?ちょいちょい聞くんだけどさ、服部君の「情報屋」って何?」


 その話を聞いた皆は最初?となったが、「ああ」と声を揃えて行った。


「そうか、前田君は中学から上がったわけではないから分からないよね、この高校はね、マンモス高というものもあって人が沢山いるじゃないか?そうなってくると「二つ名」を持つ生徒が出て来るわけだ」


 そんな事を言って服部君は一度言葉を止めた。


 何かいきなり中二病みたいになってきたがツッコまずに聴こう。


「服部が自分で言うの恥ずかしいと思うからそれは俺から言わせてもらうぜ、服部はこう見えて「二つ名」持ちなんだぜ?その名も「情報屋」。盗聴・盗撮はお手の物、俺達も良くお世話になってるぜ」


 いやいやいや!盗聴・盗撮ってそれただの犯罪じゃん、良く皆誰も言わないな!?


「誰も注意しないのそれ?」

「ああ、男子は勿論女子もかなり愛用してくれてるよ、偶に先生も来るしね」

「いや、生徒はギリギリとしても先生はダメでしょ」


 流石に先生はアウトだと思う、何を聞いてるのか気になるけど。


「村上君、君もこの頃「二つ名」待ちになったのを僕は知ってるよ?」

「やっぱ「情報屋」にはバレるか」


 いや、何のコント見せられてるのこれ?


「そう「ペロリスト」だってね」

「ああ光栄だよ!「ロリコン」でも嬉しかったけどな!」


 内容が逆の意味で高度過ぎてついてけない、ペロリストとかただの変態だよ。


「そうそう、木村と木之下も「二つ名」持ってるぜ!」

「それは良く耳に聞くね、確か木村君が「落ちた神童」で木之下君が「男の娘」だよね」


 へぇー、2人も「二つ名」?持ってるんだ、由紀は何となくわかるな、雄二はこれはどう言う事だ?


「由紀はわかるけど、雄二のその名前の由来ってあるの?」

「昔の話だが、勉強もスポーツも何でも出来てたから周りからそんな名前で呼ばれていた時期もあったな、今はこの様だ、だから「落ちた神童」なんだろ」

「ふーん、皆色々あるんだね」

「うちの女性陣2人も「二つ名」あるよ、確か悠木さんが「天使」で、吉野さんが「鉄壁の女王」だよ」


 悠木さんは「天使」だったか、うん見た感じだね、でも、でも、吉野さんが「鉄壁の女王」とか……「絶壁の女王」とか言ったら僕殺されるんだろうな、絶対吉野さんには「二つ名」聞かないようにしなくちゃ。


「あと有名なのが、生徒会長の「白銀の姫」とかこの高校のイケメン達の「イケメン三銃士」と美女・美少女の「七大美女・美少女」だよな!」


 そんな事を村上君は言っていた、美女・美少女7代っていすぎじゃない?


「ふふふ、これは皆も知らないと思うよ今日新しい「二つ名」持ちが2人現れたんだよ、その1人目が特大のお胸の持ち主の新人教師の「由比ヶ浜千夏」先生の「聖母」だね、2人目が……」


 嫌な予感しかしないんだけど、そこで止めるなよ、僕を見るなよ……


「我らが「F」クラスの前田慎二君の………「バカ」だよ!」

「いや、それただの悪口!」   


 そんな事をツッコんでも周りからは慎二をバカにする声が上がる。


『よっ「バカ」!』

『「二つ名」持ち良いなぁ……それも「バカ」とか』

『本当「バカ」は良いな!』

『このバカ』

「おい、お前ら表出ろや!誰が「バカ」だ!最後の奴に至っては唯の悪口じゃん!?君達には人の心が無いのか!」


 そんな話をしながら盛り上がった、最初はぼっちなんて言ってたけど、意外と溶け込めてるようだ、皆が優しかったのもあるな。

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