第14話 嘘か本当か 過去とこれから12
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慎二が単独で「未来」通り「中井孝雄」達の潜伏場所の近くに来た時、連絡はあった。差出人は笹原結菜を治療していた津田達「チームl」からだった。その知らせは手術が無事成功したという事が書かれていて「君も無事戻って来て欲しい」との激励の内容だった。
「良かった〜、津田さん達成功してくれたみたいだ、なら後は結衣ちゃんを救うだけ、気を抜かないで行くぞ!」
その少し経った頃「チームP」から笹原結衣が「中井孝雄」達に車で連れてかれた事が、連絡はあった。
「いよいよか、直ぐ助けられる場所で隠れているか」
そう思い人気のないプレハブ小屋の壊れた棚の裏に自分の武器の木刀を持ち隠れてから直ぐに笹原結衣を連れた「中井孝雄」が現れた。
慎二は結衣達の話を聞き漏らさない様に静かに聞いていた。
「あの、孝雄さんこれからのお話があると聞きついて来たのですが、ここまで来る必要があったのでしょうか?」
「…………」
そんな事を聞いても何も答えてくれない孝雄に対して不安を覚えていた。そんな時思い出したのがここに来る前に母と自分に土下座をしながらも「あなた達は助かる」と言った青年の言葉が思い浮かんだ。
結衣は思っていた。あの人は優しいけど他の人と一緒で「助ける」や「信じて」など言っても結局最後は自分の所からいなくなるんだと、今までがそうだったように。
そんな事を考えていたら、孝雄が薄気味悪い笑い声をしながら喋り出した。
「………アハ、アハハ、ねぇ……結衣ちゃんさぁ?……俺の後にノコノコついて来たけど、これから何があるとおもぅ〜?」
「え?それは……今後のお話をする為ですよね?」
そうだ、来る前目の前にいるこの男はそう言って結衣を誘ったのだから。
「そう、そうだったねぇ〜うんうん……今後の話をしようか!………君に掲示するのは2択あるんだけどね?どっちが良いか選んで良いよ?」
そういい言葉を止めた男はこう言った。
「一つが俺の性奴隷になる事、二つ目が俺の手伝いをする事、まあ……手伝いって言っても殆どが犯罪紛いのことだけどねぇ〜」
と、笑い出した。初め結衣には孝雄が何を言っているかわからなかった。でも、段々とその意味を理解した時には体が震えて動けなくなっていた。
それはそうだ。親戚の叔父で信じていたと思った人にこんな扱いを受けるのだから。逃げたくても逃げられないそんな事を思っていたら、笑いながら孝雄が話しかけて来た。
「ああ?もしかしてさぁ〜逃れるなんて考えてる?無理無理〜周りには俺の仲間が隠れているからなぁ!なぁみんな出て来てくれよぉ!」
そんな声と共に20人程の男が何かカメラや他の機材やらを持って出て来た。
「ヒッ!こ、これはどう言う事ですか!?」
「まだ分からないの〜?君は僕達に嵌められたの。この後はお楽しみタイムだよ?多分少ししたら結衣ちゃんも気持ちよくなるよ〜ハハハハッ!」
『はははっ!』
周りからも楽しそうな笑い声が聞こえた、ここにはもう誰も助けてくれる人はいないのだと。
「やめて下さい!近づかないで!」
自分の側に近付いてくる男達に、そう抵抗しても子供が大人の力に勝てるわけは無く、何人かの大人達に動けない様に取り押さえられてしまった。
(あぁ、私たちが一体何をしたのだろうか?ただ家族で幸せに暮らしていたのに突如その幸せは崩れてしまった)
結衣も考える事があった。いつかこんな苦しい生活でも幸せになれると、女の子なら誰でも考えるような白馬に乗った王子様が自分を迎えに来てくれると、そんな考えは跡形も無く崩れた。
結衣が「ああ、もうどうでも良いや」と思う中、ある一人の青年の事をを思い出した。出来もしないのに「助ける」や「守る」と自分達に行ってきたある青年を……結局助けに来ないじゃないかと。
「やっと暴れるのを辞めたか。そんな事しても意味ないのにねぇー、さぁ誰からやる?」
などと、完全に周りを警戒せず目の前の少女を性の吐口にしようとしてる男達にある男の声が聞こえたと思った瞬間……一人のバカな男が姿を現した。
「ふざけるんじゃねぇーぞ!お前ら!そんな少女を集団で襲って恥ずかしくないのか!?泣いてるのがわからないのか!?人間の恥晒しどもが!?」
一人で突っ込んできたバカな男こそ……単身で乗り込んできていた慎二だ。
そんな慎二を訳もわからず結衣は見つめていた。
「………なんで……どうして助けに来たの?」
結衣に聞かれた慎二は、「ニカッ」と安心させる様に笑いかけると伝えた。
「言ったでしょ?君を助けると、必ず守るとね!」
◆
慎二が変態集団に突っ込む前、早く助けたいと思ってもまだ「チームS」が到着していない。一人で突っ込んでも良いが相手の人数が沢山いるのはわかっている為迂闊に動いて結衣を人質に取られたりしたら堪らないと思い動けずにいた。
そんな事を慎二が考えていた時、こんな声が聞こえた。
「そう、そうだったねぇ〜うんうん今後の話しようか、君に掲示するのは2択あるんだけどね?どっちが良いか選んで良いよ?」
イヤらしい笑みを結衣に向けながら喋り出した。
「一つが俺の性奴隷になる事、二つ目が俺の手伝いをする事。まあ手伝いって言っても殆どが犯罪紛いのことだけどねぇ〜」
(く、クズ野郎が!?こんな事考える奴が本当に僕達と同じ人間なのか?結衣ちゃんも怯えているじゃないか!)
そんな事を考えている時、「中井孝雄」が仲間を呼び出した。
「ああ?もしかしてさぁ〜逃れるなんて考えてる?無理無理〜周りには俺の仲間が隠れているからなぁ?なぁみんな出て来てくれよぉ!」
(くそっ、やっぱり仲間がこんなにいたか!早く早く連絡をくれ!)
そんな事を思っていたら、スマホに連絡があった。「チームS」からだ。無事現場に到着して建物を全部包囲しているので、いつでも入ってこれる旨を。
「良し、やっと来てきくれたみたいだ!」慎二がそんな事を思った時、結衣達の方も現状が悪化していた。
「ヒッ!こ、これはどう言う事ですか!?」
「まだ分からないの〜?君は僕達に嵌められたの。この後はお楽しみタイムだよ?多分少ししたら結衣ちゃんも気持ちよくなるよ〜ハハハハッ!」
慎二はそんな言葉を聞き、「ロリコン供が!」と思うと直ぐに「チームS」に連絡を入れた。「僕が初めに単独で入って一人だと思わせるからその後5分後ぐらいに突入して欲しい」と。
「やめて下さい!近づかないで!」
(あの野郎供、女の子を組み伏せやがったぞ!?)
「やっと暴れるのを辞めたか。そんな事しても意味ないのにねぇー、さぁ誰からやる?」
(そんな事を僕がさせるわけないだろ!)
内心で慎二は思うと、口だけじゃない事を証明する為に単独で踊り場に出た。
「ふざけるんじゃねぇーぞ!お前ら!そんな少女を集団で襲って恥ずかしくないのか!?泣いてるのがわからないのか!?人間の恥晒しどもが!?」
間に合った、間に合ったぞ!
「………なんで……どうして助けに来たの?」
「言ったでしょ?君を助けると、必ず守るとね!」
そこには木刀を変態集団に向けている慎二の姿があった。
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