第13話 嘘か本当か 過去とこれから11
◆
鈴木さんが用意してくれた施設に今回笹原家を救う為に集まった人々が集結していた。
鈴木さんが言っていた通り優秀な弁護士も連れてきたみたいだ。その繋がりか他の方が集めてくれた情報を元にその弁護士の方が警察や、刑事に連絡してくれて「中井孝雄」を直ぐに確保出来るようになっている。
皆が集まり話せる準備が出来たと思うと鈴木が前に出た。
「皆様お集まり頂きありがとうございます。司会は今回この施設を用意させて頂いた鈴木が行います。どうぞ宜しくお願いします!」
慎二はいつでも話が出来るよう鈴木の横に立っていた。
「ここに集まった皆様は前田慎二君と縁を結び共に人助をする為に集まった方々だと思う、慎二君はまだ若いのに優しくそして誠実に人と向き合って誰にでも手を差し伸べてくれる。僕がそうだったように他の皆様もそうでは無いでしょうか?そんな彼がまた不幸になろうとしている人を助けようとしている、でもね、今回は1人では難しいと思い僕達を頼ってくれた。大人を頼ってくれた。それは本当に嬉しかった!そんな慎二君を皆で助けよう!」
その言葉を聞いた後施設は言葉通り揺れた、集まった人々が口々に「当たり前だ!」や「必ず助けよう!」など賛同の意思を示してくれた。
「ありがとうございます。ここからは慎二君から皆様に話があるので聞いてあげて下さい」
鈴木は話を終えると、慎二と替わる様に持っていたマイクを渡してきた。
慎二はそのマイクを受け取ると会場内に集まっている人々に聞こえるように話した。
「今日はこんなにお集まり頂きありがとうございます!先程鈴木さんも言いましたが、何度も言います。集まってくれてありがとうございます!今回は笹原家の方々が悪意ある人間のせいで不幸になろうとしている……それを知っていて止めないのは人として僕は終わっていると思いました。初めは僕も無理だと諦めていました…でも…それでも……それを覆せる力があり助けてくれる皆様がいた。だから、何としてでも救ってみせる!ハッピーエンドを迎えない物語なんて悲しすぎる!だから!皆様僕を助けてください!そして、必ず助けましょう!」
慎二はそういうと、頭を下げた。
演説をした後、頭を下げながら少し周りを見たらあたりはシーンと静まり帰っていた。
「何かまずい事を言ったかな?流石に恥ずかしい事言いすぎたかな?」と思っていた時、周りの人が静かにしてるのでは無く、涙を流して喋れないだけだと気づいて。
その後は大変だった。
1人が慎二に向かって走って来たと思ったら、次から次えと人々が慎二に押し寄せた。
「ちょ、!?皆さん!動け、動けないからー!」
そんな事が30分程続いた、漸く収まったので笹原家救出作戦を伝える事にした。
「今から笹原家の皆さんを救う為の作戦を説明します。聴いてください」
そう前置きをして作戦を説明した。
作戦はこうだ。
---------------------------------------------------------------
笹原家奪還作戦
1、後1時間程で笹原結菜さんが癌の腫瘍の摘出手術をする為集中治療室に入る、そこで津田さんに摘出手術を行なって頂きたいこと、こちらには何人か付いて頂き手術が無事成功したら連絡する係も担ってもらう。これを連絡の意味から「チームlとする」
2、この後「中井孝雄」達が笹原結衣をお母さんが手術で動けない事を良い事にこれからのお話があると「嘘」を吐き、人がいない所に連れて行くかもしれないからそれを影から見守り犯罪の証拠をとる係、これを証拠の意味から「チームPとする」
3、「中井孝雄」達が本性を現し笹原結衣を襲おうとした時に制圧、をする係を警察官を含める方にやってもらう。これを制圧の意味から「チームSとする」
4、最後にリーダーを務める慎二だ。結衣を助ける為単身で挑む、周りには屈強な大人も警察官もいるから安全だと言われた為単独行動となった。
---------------------------------------------------------------
「………と、こんな感じで皆さんに動いてもらいます。何かある方はいますか?あれば聞きます!」
誰もがみんな何も言わず慎二を真剣に見るだけだ。それは信頼の現しの様に感じた。
「無さそうですね。なら最後に僕から言います。誰も欠けることなく笹原家の皆さんを救って最後は笑顔で会いましょう!」
その言葉を聞いた人々は『『おおー』』と掛け声を上げてくれた。
これから始まる人生初めての救出作戦、緊張はする。でもこんなに仲間はいる。だからただ、ただ……自分の正しいと思う道を突き進む。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます