第4話  準備

「モンスターか覚悟の上だ。」

「そうか。オレも隊長は降りたが任務があってな。ついていくことができん。」

「シルヴァー様からリサ様と同行することを頼まれたのだ。行くしかない。」

オッフィーの言葉には決意がにじみ出ているように感じられました。

「リサ様オッフィーがケガしたら癒してあげて下さい。」

「もちろんです。私の方こそオッフィー様の剣に守られてばかりになると思います。」

今度は私が決意を固める番です。ゴッフィー様はしばし何かを思案した様子で席をたちました。ゴッフィー様は戻ってくるとその手には弓矢がありました。

「これで自分の身をお守りください。私の持っているもので一番の軽弓です。リサ様の腕力でも引けるでしょう。」

受け取ると試しに私は弓を引きました。私の右手は弓弦を右肩まで引っ張れました。

「これならなんとかなりそうです。」

私は軽く安堵しました。私はあることに気付きました。

「ありがとうございます。オッフィー様にも話しましたが、お互いに様づけで呼ぶのはやめましょう。」

「リサ様も様づけで呼んでましたよ。」

「あらすいません。」

私達三人は重大さを忘れて破顔しました。

「オッフィーをよろしくお願いします。リサ。」

「はい。ゴッフィー。」

和やかな空気がただよいました。

オッフィーと私は帝都カトゥラーンを出ました。私は生まれて初めてカトゥラーンを出ました。今までシルヴァー様のヤッフィー城で白魔法で治癒をしていればよかったのです。シルヴァー様に守られていたのです。私もこれで一歩前進です。

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