第3話  情報

「友人のゴッフィーは以前、小部隊の隊長をやっていたので各地を転戦しています。何か知っているでしょう。」

馬から降りながらオーチェは教えてくれました。帝都カトゥラーンの城下町内にオーチェの友人の家があるのですぐに着きました。カトゥラーンはシルヴァー様の統治するヤッフィー城と城下町があります。外周は高い塀に囲まれた要塞都市です。シルヴァー様の治世によって農民も商人も不自由なく暮らしています。シルヴァー様の治世は庶民から、あまり税金をとらないことで有名でした。

ゴッフィー様の家は見習い騎士のわりには大きい家でお屋敷といってもいいくらいでした。小部隊の隊長ともなると収入もよくなるのでしょうかと驚きました。

「ゴッフィーすまん。教えてほしいことがある。」

「オーチェ。そちらの若造は誰だ。」

「白魔術師のリサ様だ。」

「ややっ。これは失礼しました。」

ゴッフィー様は伸ばしていた足を引っ込めいずまいを正しました。ゴッフィー様はオーチェと同年のようですが体つきが違いました。筋骨隆々とはこのことをいうのでしょう。普段着を着ていても力強い騎士だということが分かります。髪も短く刈り上げていました。

「男装しておられるとは思いもしませんでした。騎士はみなリサ様に手当されるのを夢に見ています。」

私は頬が赤くなるのが分かりました。

「ゴッフィー。伝説の白魔術師ドールフ様はどこに住んでいらっしゃるか知っていないか。」

「ドールフ様ならカトゥラーンを出て、わが国カイ帝国の西の山のはずれにいらっしゃると聞いたことがある。しかし、あそこはモンスターが出るぞ。」

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