第二話 異世界に生まれ落ちました


 皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 僕です。

 さて、良い報告と、悪い報告があるのですが、どちらから聞きたいでしょうか。


 のっけから悪い報告をするのもアレですよね、じゃあ良い報告からいきます。


 このたび無事──五体満足で生まれました。


 ちなみに男の子です。女にならなくて安堵しています。


 さて、悪い報告です。


 ──捨てられました。

 しかも森に。

 ぶっちゃけ、命の危機です。

 無力な赤子なため、泣くことしかできません。


 そんなこんなで、すでに諦めモード。

 思わず辞世の句を読んじゃいます。


 異世界で

 生後まもなく

 捨てられて

 あの神マジで

 許さない


 さて、泣きっ面に蜂とばかりに、雨が降ってきました。

 幼い身体に冷たい雨はきいたようで、意識が遠のいてきます。

 皆さま、今生の別れのようで。

 さようなら。また来世にて。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る