第一話 あの神を絶対に許さない。絶対にだ。


 さて、問題です。

 魔族と人族が戦争をしている世界に転生させられた僕は無事に生き残ることができるでしょうか?


 イメージがわかない皆さまに、地球での出来事に例えてみようと思います。

 海外、しかも過去の紛争地域に無力な赤子として送り込まれた僕は戦争やテロに巻き込まれることもなく、そもそも飢餓に苦しむこともなく、病気になっても薬もろくにない状況で五体満足に成長できるでしょうか。

 ちなみに日本の七五三の起源は、日本でさえ、昔は子供の死亡率が非常高く、節目まで生き残れたのを祝っていたことである。


 さて、いいだろうか?

 昔とはいえ日本でさえそうだったのである。

 これが医療も満足に発展していない過去の紛争地帯であるならば、──言うまでもないよね?


 ネット小説でチートをもらって無双しているものが数多くあり、またかよと辟易へきえきする人もいるかもしれないが、そもそも平和の国で生きてきた一般ピーポーが異世界転生、または転移をした場合、チートでも貰わないとそもそも生き残れないのだ。

 チートを貰わずに異世界で無双するなど、地球で例えると、紛争地帯に連れていかれた一般人Aが、努力、、で超絶な技能や銃火器の取り扱いを習得して凄腕の傭兵となり、紛争地帯の問題を解決し、終戦させる。

 そう言っているのに等しいのだ。


 まあ、長くなったが、僕が何を言いたいかというと──


 今生を強制終了させたにもかかわらず、チートも授けずに異世界転生してくれたあの神、マジで許さない。

 今度会ったら一発ぶん殴る。


 ──ということである。

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