第6話主治医の異変

調子が悪いな。主治医が疲れた様子で自宅にいる。幸子の赤ちゃんを取り出すのに失敗してから体調が優れない。最近、明らかに体力が落ちたし夜なかなか寝付けない。毎日、同じ悪夢を見る。夢は、幸子の赤ちゃんを取り出す状況だ。分娩台に横になってる幸子の後ろに身長2メートル位の険しい顔をした男が立っている。年齢は、30代後半位に見える。こちらを睨み付けている。何処かで見た顔だが思い出せない。赤ちゃんを取り出すのを失敗して男の方を見ると男は、消えている。そこで目が覚める。起きると体が汗でぐっしょり濡れている。呪いかもしれない。主治医は、幸子に呪われた可能性があると思っている。しかし、可能性にすぎない。それに、赤ちゃんを取り出すのに失敗したのは、今回が初めてではない。自分が深層心理で失敗を気にしすぎてるだけかもしれないとも考えられる。今度お祓いにでも行こうか?自分に落ち度がないのにどうしてこんな目に遭わないといけないんだ。主治医は、冷蔵庫から栄養ドリンクを取り出すと一気飲みした。ハッと小さく叫ぶと自宅を出た。

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