第3話分娩麻痺の赤ちゃんと母親
涙が止まらないわ。分娩麻痺を負った我が子を抱きながら母親は、独り言をブツブツ呟く。今、不幸の真っ只中にいる母親の名前は、幸子(さちこ)だ。この子にリハビリをさせないと。リハビリ、リハビリ!!治って!治って!幸子が我が子に漫画の影響で思い付いた念を送る。ヒーラーパワー!ヒーラーパワー!すると、その様子が面白いのか赤ちゃんがきゃきゃっと笑った。遊びじゃねえし!と幸子がツッコム。ボーッと部屋から外を見て幸子は、思った。夫の照之(てるゆき)にこの子の障害を伝えないと。そして、この後3人で死のうかな?幸子の死に対する思いが止まらない。普通の世界で生きてきたと思っていた。でも、普通と普通ではない世界が繋がっていて、いつでも日常が非日常になってあんなに遠かった死がこんなにも近くにあって戻りたくても戻れなくて私は、この世界から消えたくて主治医に死んでほしいけど私がさっさと死にたいの。照之助けて……幸子の絶望は、今日も消えない。
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