第12話 VS強欲の魔王マモン①

魔王の笑い声が響き渡りその場を支配する、重い圧が更に重くなっていくのを感じるその場にいるだけで押し潰されてしまいそうでこれが魔王の力と思わずにはいられない


エ「ぐ、うぅ、私が魔法を放つ瞬間に魔法陣ごと奪いその魔法をそのまま使うことが出来るなんてデタラメすぎる…これが魔王…」


マ「ほう、今ので生きているとは流石は現剣聖の力は凄いな、だが今ので無傷とは一体何をした?」


エ「さあ?私が馬鹿正直にそれを答えると思ってるの?思ってるなら今の魔王は愚かね、それに自分の使った技で自分がやられるわけないでしょ?」


流石というべきか、エルザは魔王に臆することなく淡々と毒を吐く


マ「クク…まったくその通りだな、だがますます食えん女だ、現剣聖と言うのはここまで強いのか…だが現剣聖よ、貴様がどうやってあの魔法を受けて無傷だったかは知らんが貴様のお仲間は無事では済まないんじゃないか?」


「「誰が無事じゃ済まないって?」」


マ「ほう、興味深いな、何故あの威力の魔法で無傷なのだ?まさかその、体格の良い男のスキルか?」


それがエディルのスキルである「アブソリュート・シールド」、この技はスキル「硬化」と「守護状態」と「全上昇」を組み合わせた最高の防御魔法だ


エディ「ふっ、まあそんなところだ、しかし魔王様自ら人間のいる街に出向いてくるとは何か狙ってるのか?それとも普通に何か探し物かい?」


魔王それは魔物を統べるものであるつまり、何か大きい事がない限り自らが動くことはない、部下に命令すればいいだけなのだから

しかし魔王が動いたとなると何かが、何か大きくて世界をも巻き込む何かがあったという事だ


ネ「って言うかそうじゃねーと納得いかねーだろ?単に人間の街を滅ぼそうってだけでスタンピートを起こしてなんのメリットがあるってんだ?俺ら見たいな強い奴がいるって事を想定して来たってなら魔王アンタはバカだぜ?」


マ「自意識過剰な奴だな、だが確かに人間の街を滅ぼそうと思ってスタンピートを起こしたわけじゃない、まあ少し前にこの森で強い魔力を感知した、ホントに一瞬と言っても2、3秒程度だが、はっきりとこの森で感知できる程に強力な魔力だったんだ、果たしてお前らの中の誰かなのかそれを確かめに来たわけだよ」


そう数時間前といえば、ジースがこの森でスキルを覚醒させ新しい力に目覚めたその時に一瞬だけ漏れ出たのだろう


マ「それにしても、現剣聖は歴代最強と言っても過言でないくらいに強いなぁ〜、歴代の剣聖と言えばそういやぁ前剣聖も強かったなぁ〜、あとちょっとで殺られるところだったが横入りの邪魔が入って前剣聖は力尽きたなぁ〜、まったく人が楽しく戦っている最中にあの野郎が邪魔して来なけりゃ…だが、剣聖というのも所詮は人間よ、自分の孫娘の為に死を選ぶなんてな、まったく意味不明だな」


エ「っ!?貴方が…貴方がお祖父様を!!」

 

エルザの憎みのはらんだ声


「絶対に許さない!!!!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る