第2話 入学式は荒れる、さらに俺は反感を買う。
季節は春。平凡な風景が桜の花に彩られ、何かの始まりを告げる。
そんな晴れやかな日の中、一条悠は何とも言えないような気持ちを抱きながら学園への通学路を歩いていた。
「なんで俺が新入生代表の挨拶をせねばならんのだ。今日初めて学校という所に通う俺の気持ちも少しは考えてくれ」
そう叫ぶ彼を周りの人たちが注目していることはまったく知らず、学園へと足を進める。彼を羨望な眼差しで見る人もいれば、不審者でも見ているかのような目を向ける人もいる。
そうしているうちに、第一学園の正門に辿り着いた。俺が住んでいる屋敷よりも遥かにデカい校舎を前に呆然として佇んでいると、後ろの方から女性の声が聞こえた。
「そこに突っ立ているあなた、少し邪魔。横にずれてもらえる?」とあきらかに強気に語尾を切ったのは、百八十センチの俺より十センチほど小さい女子生徒だった。
彼女の特徴ともいえる長い黒髪は艶めかしく、男子生徒が彼女に心惹かれているのも納得だった。やだ、男子生徒の俺を見る目が怖いでちゅー。
「これはこれは綺麗なお嬢さん、君と僕が出会えたのは運命だ。これを機に僕と友達になりまし――」とわざと紳士風な口調で言ったが、彼女は俺のセリフを遮るように言った。
「周りよりも少し容姿が優れているからといって調子に乗らないことね」
彼女はそう吐き捨てて、その場を去っていった。
初対面の人に褒められて、嫌われた。せっかく初友達ができると期待してたのに残ー念。
講堂には二百人の生徒が集まり、順調に入学式は進んでいた。次は生徒会長の学校挨拶、そのあとは俺の新入生代表挨拶で入学式は無事に終わる。
――――はずだった。
生徒会長のあの発言さえなければ。
「今回、外部入学する生徒は試験で歴代最高点をたたき出したとか。ぜひ生徒会に入ってほしいですね」
俺の母親と同じ綺麗な茶色の髪、耳下できっちりと揃えられたボブカットの女の子で、発育もよく凹凸のはっきりしていた、第一印象は好意印象だった。
そんなことを思っていた数分後に爆弾を落とされるとは思ってもいなかった。
どうやら第一学校の生徒は変なプライドを持っており、外部生の俺が壇上にあがったときには大ブーイングで迎えられた。
そんな中、ただ一人こちらをにらんでいる生徒がいた。正門で出会った黒髪ロングの女の子だ。
入学式も無事?に終わり、各生徒は自分のクラスに向かっていた。
この第一学園は絶対的な実力主義でクラスも実力順で振り分けられる。AクラスからEクラスまでの五つのクラスでできている。
もちろん新入生代表を務めた俺はAクラスである。ちなみに俺は容姿もAクラスのスーパー新入生なので女子からは人気なのである。
自分のクラスに近づくにつれて、嫌な雰囲気を感じ取っていたが、その通りだった。クラスにはさきほど俺を睨んでいた女の子がまだかまだかと俺を待っていたのだから。
一体これから俺はどうなっちゃうのー? せっかくの高校デビューはこのまま終わるのか。
最近はラ王にはまってます。皆さんもコメント欄に好きなカップヌードル教えてください。絶対食べます。
次の話もぜひ楽しく読んでください(切実)
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