第2話朝まで飲んで

二十代はいくら飲もうが、体力があった。朝の6時半まで飲んで出勤していた。それでも、仕事はキッチリやった。だが、四十の時、朝まで飲んだら疲れはて寝てしまった。もちろん、その日は日曜日だったが。それで、朝まで飲んではいけないと誓った。

二十代の中頃、夜勤で船に乗り込んでいたが大抵は夕方、飲んでいた。

飲んで寝て、夜中の2時くらいから仕事をする。始発が動く前に帰ると、タクシーチケットが使えた。

そして、タクシーの中で缶ビールを飲んだ。

腹が減っていたら、朝方まで開店している寿司屋で飲んだ。

もちろん、全く酒を飲まない日もあるが。


今、思い出せば懐かしい。朝まで飲んで、仕事に行く。もう、僕には出来ない。

身体にガタがきているので、深夜の2時が限界だ。

上司は同期のヤツと酒仲間と知っているから、仕事の終了時間が同じになるように、同じ船で働く事が多かった。彼は夜勤はあまりしないで、僕は24時間勤務が多かった。

給料は多いが、落ちこぼれの僕は査定が付くこともなく、同僚が先に出世した。

僕には興味がなかったのである。

「主任」なんてくそ食らえ。一番、要らない役職じゃないか!

僕は、落ちこぼれ道を進む事になる。

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