第21話 父との別れ

父は僕が殺した。

16歳の時に、父が心筋梗塞で倒れた。


残念だった、直ぐに退院したから。

医師からは、注意するように釘を刺されていた。


僕は行動しようと思った。


睡眠導入剤を常用して酒を飲んでいた父は

良く薬を飲んで風呂に入り、湯舟で居眠りしていた。

父の睡眠導入剤を目立たないように、少しづつくすねていた。

僕はその時を待った。


姉は友達の所に良くお泊りに行っていた。

理由はなんとなく想像は出来た。


父は酒を飲む時は、僕に準備をさせる。

薬を混ぜるのは、最初は緊張したけど

3回目くらいから何とも思わなくなった。

何度も混ぜて、実験をした。


そして2年待ってチャンスが来た。

学園祭の出し物や演劇で使うドライアイスを盗んだ。

保管用の発泡スチロールの箱も盗んだ。

姉は友達の所にお泊りしている。

実験した時より多めの導入剤を粉末にした。


父が熟睡する湯舟に1㎏のドライアイスを入れて

ドアをマスキングテープで密閉した。

しばらくして見に行ったら死んでいた。

窓を開けて換気扇を回した。


少しテレビを見ていたが、換気出来たかな?と風呂場に行った。

暗い紫色になった父の唇を見て

過去の記憶がフラッシュバックし何故か勃起した。

湯舟に入ると父の唇を舐めた

めちゃくちゃに舐め、動かない唇に舌を差し込んだ。


「なんで、僕をこんなにしたんだよ。なんでだよ。」


僕は嗚咽したが、直ぐに我に返った。


「濡れたな、服、洗濯するか、、、。」


洗濯機に入れたが、救急とか警察が来た時に洗濯機が動いてるのは変かな?と思い洗濯カゴに移した。


スーツケースは、もう小さくて入れない。

代わりの棺を探した、押し入れしか無かった。

生まれ変わり、僕は119に電話をした。


捕まっても良いと思ったが、事故死と言われた。

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