第20話 愛

父の葬儀やいろいろな事が終わって一息ついた夜。

姉と2人分の夕食を準備をしていた。


「ふみ、紫色好きだよね。」


その一言で、僕は理解した。

姉は僕の顔を両手で包むと、唇を寄せて来た。


鍋の中のスープは熱い気泡がグツグツという音を放つ

僕と姉はキッチンの座り込むと、唇を舌を重ね、お互いの唾液を吸い合った。


姉の耳の形は父に似ていた。僕はその耳たぶを口に含む、口の中にある耳たぶを舌で愛撫した。


「メイクして下着つけて、紫の。」


その言葉に身体は支配され

姉の部屋で女になって絡み合った。



「シャワー浴びて、メイク落としておいで。」


「ううん、このままで良いよ。寝よう。」


僕の乳首は姉の唇の色が移っていて、その色を流したく無かった。


男の僕は消えて行くと思った。


記憶の中で初めて幸せだと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る