第8話 神剣の力


 「いい気になるなよ。あれを見ろ!」

悪魔が右手を指した先には、化け物が子供を捕まえていた。

 「変なことをしてみろ。あの子供の首をはねるぞ。」

子供の首筋に化け物の爪が突きつけられている。

子供は恐怖で震えている。

 「あらま、いつの間に。」

ノームはのんきにその様子をみている。

 「気をとられていたな。」

ディノが反省している。

 「何をのんきにい話している。」

 「人質なんてとっても無駄だよ。」

そういうと、ディノの体が光りだした。

その場にいる者は目がくらんだ。

光が失せるとそこにディノの姿はなかった。

 「奴はどこだ。」

 「ここだよ。」

声は子供を捕まえている化け物の後ろから聞こえた。

驚いた化け物が振り向こうとした瞬間、化け物はばらばらにされていた。

そして、いつの間にか、クリス達のもとへ子供とともに戻っていた。

その姿は、さっきの甲冑姿ではなく、金色のマントを纏った騎士の姿になっていた。

 「何をした。」

 「なに、ちょっとばかし、早く動いただけだ。」

 「のろま。」 

さっきと同じように、ディノの左肩には金色に輝く鳥が飛んでいた。

子供をクリスに預け、悪魔に向かうディノ。

武器も大剣から細心のレイピアに変わっていて、ディノは剣先についていた血をはらっていた

 「冥土の土産に教えてやろう。」

そすいうと、ディノの持つ剣から炎が噴き出し、体を包んでいく。

 ディノ「この神剣にはめ込まれている宝石は契約石といって精霊、幻想種などと契約し、呼び出すことで、それぞれの戦闘スタイルを取れる。」

段々と炎が鎧と槍を形どっていく。

 「そして、これが貴様らを焼き尽くす炎の戦闘スタイル。」

鎧と槍が完全にできると槍の先端を悪魔達に向ける。

 「やらせるかあ!」

悪魔が剣へと、魔力を集中させ、投擲する。

 「焼き尽くせ、サラマンダー。ファイヤーブレス!」

そう叫ぶと槍の先端から炎が形作ったトカゲの口が現れ、もの凄い轟炎を吐き出した。

 ゴオオオオオオオ!

轟炎は悪魔と化け物を焼き尽くしていく。

 悪魔「申し訳ありません!主さまああ!」

悪魔と化け物は全て、炎に焼かれていった。

だが、ディノの左腕には、悪魔の放った剣が刺さっていた。

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