第7話 大地の鎧
「えっ、神狩りの一族?ディノさんが・・・。」
「ああ、俺は神狩りの一族の一人だ。で、俺がここにきた理由は、宝玉の守護とあいつのような敵の排除だ。」
悪魔をにらめつけながら言うディノ。
「貴様があの・・・。簡単な任務だと思ったがおもしろい。それならば!」
悪魔は笑うと、咆哮する。
すると、森の中から、翼の生えた化け物たちが出てきた。
「お呼びですか。」
「ああ、奴を倒すぞ、全員、火球弾用意!」
それぞれ、口の中から炎を出す。
「放て!」
悪魔の合図と同時に化け物たちが炎を吐き出す。
そして、その炎は一つにまとまり、すさまじい炎となって、ディノ達に迫る。
「うわああああああ。」
「きゃああああああ。」
「大丈夫。」
おびえる二人に声をかけるとディノは炎に向かっていく。
「大丈夫だから、そこでじっとしてるんだ。」
そのまま、ディノは炎に飲み込まれていく。
「ディノさん!」
「お兄ちゃん!」
炎に包まれるディノをじっと見つめる二人。
「ふん、何が神狩りの一族だ。口ほどにもない。」
その様子を笑いながらみる悪魔。
「さて次は・・・。」
そういって、炎の向こう側にいる二人を見る悪魔。
「あの二人を殺すぞ!」
悪魔を戦闘に化け物達が爪を振り上げ襲い掛かってきた。
が、炎の横を通り過ぎようとした時、炎の中から何かが出てきた。
「!?」
間一髪、悪魔は避けることができたが、後ろにいた化け物の一体を貫いた。
「うぎゃああああ!」
断末魔をあげる化け物。
「なんだと・・・。」
化け物を貫いたものは人二人分もある程の大剣だった。
そして、炎の中からその大剣を持った岩の塊が出てきた。
ボロッ
その岩の塊が段々とはがれていき、ごつい甲冑が出てきた。
「あの程度で、俺を倒せるとでも思ったか?」
「えっ、ディノなの。」
クリスが声をかけると甲冑のディノが振り向く。
「大丈夫だっていっただろう。」
「なんだ、何が起こった?」
その様子に唖然とする悪魔と化け物。
「さて、次はどいつだ?」
「あんなものはこけおどしだ、あれだけ重い格好なら接近戦でやれる。怯まず、かかれ!」
悪魔が合図すると三体の化け物が襲い掛かってきた。
ディノは微動だにせず、ただじっとしている。
キイン
三体の爪が振り下ろされたが、甲冑には傷一つつかなかった。
それに化け物がひるんだ瞬間、ディノは大剣を横なぎに振った。
ブオン!グシャアァ!
それは一瞬のできごとだった。
三体の化け物はただの肉片と成り果てた。
「流石はノーム族の大地の鎧だな。なんともない。」
「そうじゃろう、そうじゃろう。」
ディノの左肩のあたりに老人の姿が現れ、満足そうに頭を縦に振っている。
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