第4話 夕食
しばらくして、食卓に料理が並ぶ。
その料理を見て、ピットが言った。
「こんな豪華な料理みたことないんだけど。」
ジト目でクリスを見るピット。
「今日は特別だからね。そういうことなの。」
「ふうん。特別ねえ。」
そういいながら、隣に座るディノを見る。
「なんか、悪い気がしてきた・・・。なんかごめんな。」
申し訳なさそうに、ピットの頭に手をおいて謝るディノ。
「いえいえ、お客さんなんですから、気を使わないで。」
慌てながら、手を振るクリス。
「いつまでも、お兄ちゃんがいれば、いいのにな。」
豪華な料理を見ながら、期待するピット。
「仕事があるから、そういうワケにもいかないんだ。ごめんな。」
「ちぇ、残念。」
「さあさあ、料理も冷めてしまうし、そろそろ食べましょう。」
シスターの呼びかけに皆答え、神への祈りを済ませた後、食べ始めた。
クリスはディノが食べたのを確認してから、声をかけた。
「どうですか?」
「久しぶりにこんなおいしい料理を食べたよ。」
そういいながら、すぐに食べ物を詰め込んでいく。
「そうですか、よかった。」
クリスが笑顔になった。
「やっぱ、おいしいけど、いつもよりいい感じ。お兄ちゃんがいるからかな?」
クリスがそのセリフを聞いて、赤くなる。
「もう、そんなことないわよ。」
必死に否定するクリス。
「くすくすくす。」
「うん、どうした?」
「あなた、なんもわかってないの?」
「?」
「くすくすくす。」
「変な奴。」
「その言葉、そのまま返すわ。」
カラーは黙ると、食事をついばみ始めた。
食事が終わり、片付けが終わった後、ディノがクリスとシスターに声をかけた。
「すいません。お願いがあるんですが・・・。」
「はい?」
「明日なんですが、神殿に行こうと思ってるんです。」
「そうですか、いいですよ。けど、理由を聞いておきたいわ。」
「ありがとうございます。実は宝玉を捜そうかと・・・。」
「宝玉を?」
「ああ、神殿にいけば、なにか手がかりがあるかなと。これは痕跡にも反応するからね。」
ネックレスをさしながら、言うディノ。
「それはぜひ、お願いします。」
「あの、それなら、私も言っていいですか?」
宝玉のことが気がかりだったクリスが同行を申しでる。
「ああ、こちらからもよろしく頼むよ。案内人がいれば、心強い。」
「はい、お願いします。」
そのまま、ディノとクリスは握手をした。
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