こいつが吸血鬼?

華花の家でご飯を食べたり思い出話をしていると、気が付けば時刻は10時ごろになっていた。

「あれ、大賀もう帰るの?」

家に帰る支度をしていると、華花が寝ころんだ状態で聞いてきた。

「ああ、だって10時だぞ?」

「あー……そうだね。別に泊っていってもいいんだよ?」

そういう華花だが、俺には李音がいる。

李音に視線やると、きょとんとした様子で俺を見た。

「……いや悪いよ。じゃあごちそうさまでした!また会えたら会おうな」

「うん、またねー!」

リビングにいる華花や楓らにそう言うと、俺は李音の手を取りそそくさと華花の家を後にした。


「ねぇ、あれが大賀の友達?」

帰り際。

少しゆっくりとしたペースで街頭がちらほらついている道路を歩いていると、李音が不思議そうに聞いた。

「そうだけど、どうした?」

「えっ?あ、ううん。何でもない」

と慌てて首を振る李音。

……どういうことだ?

「あのさ、何個か聞きたいことがあったんだけど。どうして君は俺の家に?しかもリビングをはちゃめちゃにしてくるなんて……それと、どうして服は血まみれだったんだい?」

「それは、その……」

街頭はちらほらとついているが、それでも暗い。

なので李音の表情はうかがいしれない。

「俺ちょっと気になってたんだ。君は普通の子じゃないって」

「えっ、どうしてそれを……?」

「うーん、そんな雰囲気がした、といった方がいいかな

さらに付け加えるなら、この子が着ていた服が血まみれっていうのもおかしい話だ。

「……じゃあ、ほんとのこと言ってあげるよ」


「私は吸血鬼だよ」


「き、吸血鬼?」

一瞬俺の頭は真っ白になる。

「えーと……?」

「はぁ……信じられない?じゃあ家に帰ったらその証拠を見せてあげる」







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どうして吸血鬼と生活しなきゃいけないんだ かろん @olt36

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