第10話
目が覚めると僕はアスファルトに寝転んでいた。
擦りむいたようで手の平や穴の開いたズボンから顔を出す膝が痛い。頭が揺れて耳もキンキンする。かかとの潰れた靴が目の前に転がっているが、数個にぶれて見えてしまう。
振り返ると潰れた僕の家があった。
僕はどうしたんだっけ。たしか窓の外を眺めると雪が降っていて、夢中で外に駆け出して行ったら家の方から大きな音がしたんだ。それで気が付いたら倒れていた。
どうやら隕石が落ちたようだ。屋根と思しき場所には大きな穴が開いていて、今なお建物は崩れ続けている。家の中にいたら僕は死んでいただろう。
いつもなら恥ずかしくてできないが、雪を見てはしゃいだおかげで僕はぺちゃんこにならずに済んだ。どうして今日だけそんな事をしたかは分からないが、僕の少しの行動で結果は大きく変わると知った。
唐突な死に直面して僕はもう少しだけ自由に生きてみようと思った。そしたらきっと今日みたいに変わった誕生日プレゼントがもらえるかもしれない。
僕は服の汚れを手で払って立ち上がる。ズボンの裾には白いクリームが付いていた。
終末の世界でバースデーパーティーを くらんく @okclank
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