第5話 君に助けられた日



 苦しむ事を知らなかった


 感情を封じ込めていたから


 分かった?


 今行くよ


 その扉の向こうに


 何も分からなかった


 耳をふさいで


 目も閉じていたから


 呼吸すらもなくしてしまえたら


 そう思っていた頃


 差し伸べられた手を


 無理やり握らされて


 始めて目の前に人がいたことを知ったんだ


 疑問だった


 どうしてばかりだった


 分からないに埋めつくされた


 君の世界はどうしても理解できなくて


 僕の世界がどうしてたやすく壊されるのか


 そんな事も分からずに その繋いでいて手を見つめていた


 あの頃の僕……




「ストーリー」

 そこから、君と僕のすべては始まった。

 そこで、僕のすべてが終わらなかったからだ。 



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詩集85 言葉に嫌われたい、嫌われてでも 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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