家族

朝あんな事があって今日はどんな一日になるだろうと思っていたが、意外にも普通に過ぎていった。


放課後になり亜香里に声をかけられる。


「帰り道、歩きながらでいいからチョット話さない?」


「ウン、わかった。俺も話したいと思ってたんだ。」

俺と亜香里は並んで歩きだした。


「ねぇ岳? あさ訳わからない事言ってたよね?」


「ウン、自分でも何であんな事言ったのか不思議だよ。後で自分で自分の事“何言ってるんだコイツ”ってツッコミいれたくなったよ。」


「"岳のおばあちゃんの生まれかわり''だなんて・・・ おばあちゃんが亡くなったのは3年前だよね?」


「そうなんだよね! でも、亜香里と一緒に居るとおばあちゃんと一緒に居るみたいに安心できるんだ。亜香里の事を家族の様に思ってるからかな?許されるなら亜香里といつまでも一緒に居たいよ。」


「それって私にプロポーズしてるみたいに聞こえるんですけど?」


「仕方ないじゃん。俺の本心なんだから・・・」


亜香里は何かを訴えかける様な目をして俺を見つめ、ニコッと微笑んだ。


「私もよ、岳!」


なんだか俺は恥ずかしくなってしまい亜香里の方を見る事が出来なかった。


「ねぇ岳? 来年受験だけど一緒の高校目指さない?」


「ウン、俺も亜香里と一緒の高校目指したい。」


「ヤッタ〜 約束だよ。」


毎日のツマラナイ勉強でも、亜香里と一緒の高校に行く事を目標にすれば頑張れそうな気がしてきた。


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