宝毛
「なんだコレ?」
風呂場に俺の声が響いた。
俺は風呂場で身体を洗っている時、予防接種した辺りから細いナイロン糸の様なモノが飛び出しているのを見つけた。
長さにして5~6cm位か?
俺は恐る恐る引っ張ってみる。
ちゃんと生えていた。
皮膚にくっついている。
なんだコレ?
俺は他にも生えていないか身体中を見た。
背中は鏡に写してだから詳しくは判らないが・・・
その結果、さっき見つけた右肩の他に、左肩にも同じ様な場所にナイロン糸が出ていた。
・・・左肩は右肩より糸が短く細かったが・・・
宇宙人に埋め込まれた?
獣人に变化していく前段階か?
俺は前世で天使だったので、今世でその痕跡が出てしまったとか?
俺は様々な想像をしてしまい、終いにはなんだかそれが気持ち悪いモノに思えてきた。
「こんなモノ抜いちまえ。エィ!」
他の毛と比べ痛みもあまり無く、すんなり抜けて少し驚いた。
べつに俺の体調に変化は無く一安心だ。
不思議なソレを明日、中学校に持って行って話しのネタにしてやろうと俺は捨てずにしまった。
風呂からあがりリビングでくつろいでいると、電話が鳴った。
「北隣のおばあちゃんが亡くなったみたいだ。今から挨拶に行ってくる。」
父が一言告げてでかけて行く。
北隣のおあばちゃんには俺はかわいがられて育ったので悲しかった。
さっきまでのアホ毛の事なんてすっかり忘れてしまった。
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