第3話 『刮目せよこの契約内容を』


「、ッとそんなことより魔物が来たよ、護衛は無しだから早く迎撃して、」


「そうだなっと敵はキラータイガーか久々の高級肉だな、

ハハッ是非俺の糧になっていってくれないか?個人的にお前の肉は凄い好みなんだよ」


「グァアァァァァァァァァァ」


「騒ぐな騒ぐな、どうせ死ぬだけなんだからッなぁ!!」



そう言い走り出したギルは華麗にキラータイガーから放たれた前足の重撃を避け切ると炎を操り目眩しをするとタイガーの背後に迫り、タイガーの後ろ足を深く抉った


「オラァァァァッ『炎よ』ッ背中がガラ空きだぞッと、

でもあえて!足を切るッ」


ズシャァッ


「ガァラァァアアアァァアアァァァッ」


「雑魚と負け犬程良く叫ぶってなぁッ!!」


ギルは怒り狂ったキラータイガーの一撃を自らの拳で迎撃し防いで見せた


「(キラータイガーだって腐ってもAランク中位程の力は持っている、

それなのに、これは考えを改める必要が有りそう私のスキルでも彼の力は見れなかった、

これは、とても大きな爆弾を抱えてしまった予感)」


そうギルのスキルはアルティメットで有る、たかがユニーク程度で見ることが出来るほど甘くはないので有る


「なぁ、この尻尾邪魔だろ?此処だけでももう既に二十キロ程は有るしな、取ってやるよ

これ、」


「ッ!?グルルルルルッ」


「まぁまぁ大丈夫だって三、ニ、一、で抜いてやるから」


一見ただ会話している様に見えるがこの間にもタイガーは必死に抵抗しておりその攻撃は既にSクラス級の魔物程の強さになっていた、

しかもその強さに至れた理由が今まさに自分の事をただ美味しい肉としか見ていないもの

なのだから皮肉な話だ


「グァアッグアァァァッ!!グゥルルッ」


「ウッセェよ!!虎刺しにすんぞッ!!」


「ガゥ、、、?」


「生きたまま捌かれて生で食うんだよ、メッチャ美味いんだよな

あッマジでいいなそれよし虎刺しやってみっか、ッてのは嘘だけど」


「グルルルッ!!ガウガウッ!!ガゥ、、、」


「ん?ハァわかったよじゃあ一旦解放するから仕切り直しな、

んで捕まえたら今度こそ尻尾抜くからな?」


「ガゥ!!」


「よーい、スタート」


「ガォオォォォォォォンンン」


「何してんだ?お前、」


「ッ!?ギル、そのタイガーが集落の仲間を呼んだ!!

約二十匹がこっちに来てる、準備して!!」


そうキラータイガーは理不尽の塊で有るギルに対し増援を呼んだのだ、

だがそれは、握手だった何故なら彼は、わざと見逃したのだ

増援を呼ぶと言う行為を、何故なら

「あっ美味い肉が自分からやってきてくれるなんで最高じゃんいいよいいよ

てかどんどん呼んでどんどんどんどん」とあッ肉が増えたぁ〜感覚でしかなかったからだ



「ハッハァッ!!肉だ肉、肉肉肉肉肉ゥゥゥ『水よ』ッハッハッハァァァ水の球を撃ちまくれッ頭に当てて脳震盪祭ダァ」


バババババババァァァ………………

……ンンン



そこからの攻防は酷いもので勿論ギルの圧倒的な蹂躙の元になす術なくやられていくのだった、だがそれなら巻き込まれずただ仲間がやられる所をぼーとまたいるしかなかったものがいた、そう、最初のターゲットにされたキラータイガーであった

そしてキラータイガーは思った、子犬の分際で虎の尾を踏んでしまったのだと、

それと同時にキラータイガーは酷く後悔した、何故なら彼らキラータイガー仲間は自分を助ける為にきてくれたのだから

なればこそ思ってしまうのだ自分が助けを呼んでいなければ、

自分がもっとせめて相手との実力差がわかる程度に強ければ、と

そして自分の中で色んな葛藤があった、だが!!タイガーは決めた、

せめて、仲間がくれたこの命、何も無碍にする事はないのではないかと

なのでタイガーは、必死に媚びた、ギルに、今まで下等生物だと馬鹿にしていた人間に対し、つまり、逃げたのだ

仲間がくれた命だから簡単に死ぬ訳にはいかないという大義名分の名の下に

まぁ個人的には良くやった!!偉いッ凄いよお前、もう倍化以上にチートな能力と知能を上げちゃいたいくらいには、



「クゥ〜ンクン、キュウゥ〜ンッニャァ〜ン」



そこにはもう既に以前の、たった十分程前までの凛々しく逞しいキラータイガー君は居なかった、生きる為に、

死なない為に、生存本能を極限まで高めた結果キラータイガー君は進化した、そう虎からペットキャット、猫になったのだ

そう、ペットなのだ、彼はいや、彼女はペットに成り上がったのだ

その甲斐あってかなんと彼女は見事唯一の救いの道、ペットという席に見事、任を得たのであった


「ニャァ〜ンニャァんニャァ〜ン」


「?おい、なんだよ、そんなになめんな、何がしたいんだよ、

お前はに、く、?ってなんで、何?お前誰?最後のキラータイガーは?」


「ニャァオ〜ン」


「はッ?お前、ナイナイそんなのありえちゃいけない、

なぁ肉、お前の肉うまいのか?」


ブンブンブンブンブンブンブンブン


「そんなに否定すんのか、まぁ俺もそんな鬼じゃないし、じゃあな

俺達もう行くから元気に生きろよ?」




「ッニャンニャンッ!!ニャァァァン」


「ウッセェッ良いだろうが殺さなかったんだから、

あ?お前みたいな駄猫なんてなんで連れてかないといけないんだよ?」


「、、、私は、賛成です、むしろウェルカム」


ドーン


「そか、ならお前が連れてってくれよ?」


「えっ、それは、ならいいですぅ、餌とかないし、あと、ほら、あれ、そう、あれなんだし、て事で、

タマ、元気でね、バイバイ」


「成程めんどくさいんだな、わかった、」


「ニャゥン〜」


「イヤでも、邪魔だし、てか五月蝿いし、寝床ないし、

言うこと聞かないし、そもそも魔物だし、」


「ニィ〜ヤゥゥゥン」


「「はッ?」」


そう、かのものはギル達について行くためだけに、

一生に一回合ったらスゲェー位の珍しさの、進化、という行為を二度もして見せたので有る、その姿とは、

まぁ簡単に言うと、裸の猫人族ねこびとぞくのそれであったのだ


「いやナイナイナイナイ、お前絶対になんか姿改系統のスキル持ってるだろ?」


「よし、ペット、ペットです、あなたは、貴方は今から私が死ぬまで一生ペットです、

あッ安心して下さい、奴隷ではないです、ただ肉壁になったり

未確認の敵に特攻したりその耳で遊ばれたり、私の身の回りの世話をしたり、

お金を稼いで私に納品するだけですから、それだけですから

あとずっと私のそばにいて、

あと暗殺だったり罪の濡れ衣を着せられたら

色んな世話をするだけの、

ペットだから、もう、決定です、はい、異論は認めません

なんならやりますか?ん?、えぇやりましょう、それはもう

どちらかが再起不能になるくらいまでに」


そう言いながら同行を拒否するギルに対してオリガは『ヤンのかこんにゃろぉ』とでも言わんばかりに

拳を突き出しファイティングポーズをとった


ピン〜ポン〜パン〜ポン〜


あッ因みに

奴隷は先の条件よりも全然過酷じゃないです、極悪の犯罪奴隷でもあそこまでじゃないです

これはただのブラックです

(亜人や一部の差別民達意外)




「いやまだ何も言ってないだろ、それにやんねぇし、でもなぁ〜こいつ何やらかすのかわかったもんじゃねぇしなぁ」


「んにゃぁっ!?、ぼっ僕そんなやばいヤツじゃないっ、にゃぁ」


「、、、喋った!!」 「ハァ〜駄猫かぁ」


「しっ失礼にゃッ!!僕はそんなダメダメな称号が贈られる様な猫じゃ無いにゃ」


「でもなぁ〜、猫って頭悪いしなぁ、それに脳ちっちゃいし、

それのどこに頭いいてか馬鹿じゃない要素が詰まってんのかがわからないんだよなぁ」


「ンニャァ、流石にそこまで言われると傷付くのにゃぁ、、、」


『あっお前あの猫になれるのか?」


「ッそうにゃ、それにゃっ!!僕には獣化が有るにゃ、

遠出に便利にゃ、獣状態だとそんな睡眠がいらないにゃ!!僕っ便利だにゃッ」


「もう自分の事を道具みたいに言ってんじゃねえか、

てか獣化?、が出来るなら、いいぞ、良い緊急保存食になるわ

それこそオリガが言ってた通りに肉壁とか」


「タンク系じゃ無い人の目の前で肉壁として使おうなんて普通言えないにゃ、

絶対何かおかしいのにゃ、狂ってるにゃ」


「別にいいんだぞ?俺、お前のこと要らないから、此処で切り捨てても、な」


「イッイニャやっぱさっきのは嘘にゃ誤解にゃ肉壁でもなんでもするから許して欲しいにゃ、、、」


「そっそれにゃらなっ名前を下さいにゃ名がないと何かと不便にゃ」


「はッ、?んじゃネヒトな」


「はっはにゃっ!?ちっちなみに理由はなんなんにゃ?」


「猫と人と虎だから猫のネに人のヒに虎のトでネヒト、」


「にゃにゃッ!!考えが安直すぎる気がするんにゃがまぁ良いにゃ

無事契約も出来たところにゃ、じゃあこれからは主人様と言う方にするのにゃ」


そう言い見事猫人に進化した虎に名付けをした瞬間、

二人は深い青色の光に包まれた、

その光を浴びた二人は不可視で極めて断片的では有るものの、

たしかに自分達の繋がりを知覚した


「おい、お前、お前だよ、お前、

「んにゃ?」

「そう、お前だ、何した、言えッ今すぐにッ

そして多分してしまったと思われる契約を解けっ!!」


「ニャゥ!?そ、それにゃぁ〜無理ッ「はっ、?」ニャンッ!!」


「内ッ、容、は?」


「聞きたい?ッ聞きたいにゃん?」


「言え、」


「仕方ないにゃん、命令には逆らえないニャンから」


「命ッ、令、、、、、」


「内容は系八つニャン、


• 一つ 彼の契約においてこれから話す先のことを決して他言しない事


• 二つ 彼の契約は侍従関係に有るものの奴隷契約の様な一方的な束縛を伴う命令を出す事は不可能でありこれを破るとペナルティーが発生する


• 三つ 彼の契約は双方何方にも一定数の命令権を行使することが出来る


• 四つ 彼の契約においてこの侍従関係は立場を双方同意の上でなら書き換えることを容認する


• 五つ この侍従契約において主人の方が弱ければ従者に、ステータスが主人の分加算されるこれは反対でも言えることである


• 六つ 彼の契約においてこの二人は位置情報や連絡方法の確立そして互いの位置が分かれば転移する事ができる、また転移後は元いた地点に転移し帰ることが出来る


・ 七つ 彼の契約により契約した契約者は魔力が尽きぬ限りどちらもが同時に致命傷を与えられるまで死ぬ事はない

※また彼の契約を交わした者はステータスの譲渡が可能である


• 八つ 彼の解約は例外中の例外で有りこれから先未来永劫この様な契約は存在する事は無い、そして無理矢理行おうとすると極めて強力な負荷により体が耐え切れず内側から崩れて3秒程で死に至る


・九つ この契約を破棄する事は誰にも出来ない

、、、ざっとこんなもんにゃん」


「お前、なんでそんな知ってんだ?」


「え?にゃって契約内容は出てこいっ!!的な感じにしてたら直接頭に浮かんでくるにゃんよ?もしかして知らないにゃん?」


「でもなぁ〜契約内容とか意味不明だったしな、もうあれ侍従関係じゃねえじゃん」


「そにゃぁ、頑張った甲斐があったってモンにゃん」


「じゃあそうだな、お前、ネヒト、オリガについていけ、命令だ」


「そっそんな横暴にゃ命令は効かないにゃんよ!!ってあれ?

ニャンで勝手に体が動かんにゃんかァァァ」


「そりゃお前、今契約魔法を覚えたからな決まってんだろ?」


「やっぱりご主人はチートなのにゃ、こんな反則の塊みたいなら覇王選抜戦も行けそうにゃん、、、


「ん、?なんかいったか?猫人(笑)」


「なんでもないにゃん、てか猫人の、後ろに変なのついてないにゃんか?」


「失敬な、変じゃないぞ似合ってる」


「なにぃかバカにされた気分にゃ」


猫人が小さく、それはもうとても小さく呟いた覇王選抜戦に関した一言は薄暗い夜の虚構に流れ消えていった







『例えば、この物語の世界も私楽しませてくれる事を切に願う』




こうして神の悪戯による一人の少年を巻き込んだ世界変革の、

いや盤上のお遊戯が幕を開けた

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