3話
ワンダーランドがこの辺に調査?
人間界の理を維持していくこと
その侵害をゆるしてはいけない
とはいえ、ややこしい管轄のおかげで味方といっても手は出せない
道化師はゆっくり立ち上がり
「あれ、ネメシスの遊びだろうな。おれがこの程度で済んでる」
ぱんぱんと服をたたきながら
ふと、気配を感じ
「きた」
はあはあはあはあ
小太りのウサギの顔をした、体は中年のおじさんなのだが
ウサギが空間移動で走っている
あれは走っているんだろう
はあはあはあ
「うさぎ、おつかれさまー」
「アオヒメ様、これは困りますよ。ここは管轄外、あなたは三丁目での事件担当ではありませんか」
いかにもお役所体質
道化師にめをやり
「ネメシスですか。あなたらしくもない」
道化師は肩をすくめ
「ネメシスに素手で俺じゃ勝ち目はないさ」
じゃらじゃらとアクセサリーがゆれる
赤い髪をなびかせたその女性はアオヒメと呼ばれるらしいが
姫というわけではなさそうだ
人ではないものが、人となっているなんて
理に反している
「わたしはいそぎ女王にご報告せねばなりません。よろしいですね?」
女王
「冥府の女王に死人予定のものがまぎれこんでいないか調査云々・・・」
死は冥府
万物の生死は人間界、現世と冥界、そして
天界、それらを一本の軸にたとえて、管理するのが第三の世界
ワンダーランドと三丁目なのだ。
三丁目といっても、一丁目は地獄の閻魔が仕切っている。
異世界の地図のように管轄がきまっておりいちいち審判のように
見回っているのがお役所のうさぎだ。
うさぎって、まんま、そのまんまうさぎじゃないの
じっとうさぎを眺めていると
「貴女はほかにも案件があるでしょう、ほんとにもういそがしい」
はあはあはあ
「道化師、あんたあの異形のものをみてるわね、あれはなに」
「動物、犬だな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます