第9話 オトナのオモチャ②


「ここも随分変わったな……」


 久々に訪れた文京区目白台は、草一つない、まるで砂漠のような土地へと変わっていた。

 かつての住宅地風の面影は無く、砂に埋もれたマンションの残骸だけが、辛うじて文明の痕跡を残している。

 そんな光景に微かな哀愁を感じつつも、カードギアの地点情報だけを頼りに、清土鬼子母神堂の方へと向かう。

 砂漠にポツンと浮かぶ迷宮のゲートを通り抜ければ、そこにはアンゴルモア前と変わらぬ歪に膨張した清土鬼子母神堂の境内が広がっていた。

 もはや、迷宮内の方がかつての面影を残していることに苦笑しつつ、Dランク迷宮に入ったため六枠に減ってしまったカードたちのメンバー調整を行う。

 本来、試練の迷宮の『メンバーの後天スキルをコピーしてくる』という性質を考えれば、迷宮に入る前に調整すべきだが、カードにすることを考えれば、別にどれだけ後天スキルをコピーされたところで問題ない。

 むしろ、メンバーを入れ替えて色々な後天スキルをコピーさせても良いくらいだった。

 最終的に、蓮華(吉祥天・黒闇天)、月の三女神、ケルトの三女神、アテナ、鈴鹿、オードリーの十一枚、六枠でメンバーが固まった。

 さて、今の俺たち相手に、一体どんな主が出てくるか……。

 少し楽しみに思いながら、ドレスの『遠見の術』で奥の方を見て見れば――――。


「なるほど、そうなったか……」


 清土鬼子母神堂の本堂。

 その前には、インド風の衣装を身に纏った褐色の肌の美男子が立っていた。

 衣服や顔立ちから、インド系の種族。

 そして肩に乗せたオウムと、サトウキビの弓、そして俺たちの天敵として出されたことを考えれば……。


「ヒンドゥー教の愛の神、カーマか」


 かの仏陀が悟りを開くのを邪魔しようとしたマーラとも同一視される神であり、ネイティブではないこの国においても堂々のBランク最上位クラス。

 Bランク最上位の定義は、Aランクに匹敵するスキルか、疑似安全地帯作成スキル等のオンリーワンのスキルを持つこと。

 カーマのタイプは前者であり、絶対魅了攻撃とでも言うべきスキルを持つ。

 効果は、「絶対に魅了の状態異常を与えるダメージは伴わない攻撃」と言ったところか。

 例によって絶対防御で相殺が可能だが、厄介なのは、そのクールタイムの短さだ。

 ダメージを伴わない魅了のみということもあってか、そのクールタイムはわずか一分。

 アテナのアイギスで一発、魔道具のアイギスで一発、オードリーの絶対防御を使っても最大で三回までしか防げない。

 全体攻撃ではなく単体攻撃なのが救いと言えば救いか。

 

「絶対魅了攻撃か……」


 出直すか……?

 いや、出直したところで別の種族が出てくるとも限らないか。

 もはや三相女神とかが出てきても、今の俺たちにとっては試練にならないからな……。

 出てくるのは、こう言った搦め手系となるだろう。


「……仕方ない、速攻で倒すか」


 Dランク迷宮でクリアランスレベルDのカードキーを使った際、どうなるかは俺としても気になるところだ。

 ドレスだけでもカードキーにしておきたいし、ここは挑むとしよう。

 なぁに、最低二発はどのカードも防げるのだ。

 二分もあれば、今の俺たちならBランク最上位と言えど、余裕で倒せるだろう。

 うん、余裕余裕。絶対魅了なんて恐るるに足らずだ。



「————だが、念には念を入れて、準備は万全にしておくか」



 NTRダメ絶対(寝てないけど)。

 万が一、億が一のことが起きないよう、打てる手だけは打っておく。


「アテナ、疑似安全地帯を張ってくれ」

「ええ? なぜですか?」

「良いから」

「はぁ、まぁ、良いですけど……」


 釈然としない顔でアテナが頷き、疑似安全地帯を張る。

 よし、これでカーマが不意打ちしてくる恐れは無くなった。

 

「各自、眷属召喚を」

「ああ、なるほど……」

 

 俺の指示に、アテナがようやくと言った様子で頷く。


「いつものアレですか」

「ああ」


 カーマは、眷属封印等の対眷属スキルを持たない。

 ならば、馬鹿正直に真正面から付き合ってやる必要もない。

 いつものように、羅刹たちを大量召喚してぶつけてやれば良いだけだ。


「いや、どんだけビビってんだよ」

「単に、不要なリスクを負う必要がないだけだ」


 呆れたような蓮華の言葉に、俺は正論で返す。

 ビビる? 何の事ですかね?


「そこまで警戒しなくとも、普通にイライザで瞬殺だろ」

「まぁ良いじゃん。メアたちが一瞬でも盗られたくないってことでしょ」


 しょうがないなぁ、というカードたちの生温かい視線をスルーしつつ、ある程度眷属の数がそろったところで、蓮華へと言う。


「よし、じゃあ、頼む」

「へいへい。ったく、ファラオのガキを迎えに行く前で良かったぜ……こんなん見られたら恥掻くとこだった」


 微かに頬を赤らめてボヤきつつ、蓮華は鬼子母神へと変身すると羅刹たちの召喚を開始した。

 そうして呼び出された羅刹たちに、アイギスの絶対防御とドレスたちの『破壊と殺戮と勝利の宴』をトッピングさせれば、いつもの羅刹戦法が完成だ。

 後は、そのまま敵にぶつけるだけ。

 戦闘力6000オーバーの羅刹たちの突撃に、カーマはろくに抗うことも出来ずに、あっと言う間に沈んでいった。

 カード化の交渉をする暇もなかったが……まぁ良い。

 どうせ俺も使わないし、他の誰かに預ける気もしないしな。


「マスター……その、こちらなのですが」


 と、そこでカーマのドロップを拾いに行っていたイライザが戻ってきた。

 だが、その表情は珍しく微妙そうなものだった。

 Bランクのアイテムを手に入れた割には振るわない様子に一瞬首を傾げ、すぐにその理由に思い至る。

 そうだ、カーマのドロップアイテムと言えば……!


「うわ、何それ! キモ!」

「け、穢らわしい……!」


 イライザの手の中にある物を見た鈴鹿とアテナが、顔を引き攣らせる。

 そこには、男のアレを――それも血管の浮き出た戦闘形態の――リアルに模した、モザイクを掛けなければTVに映せないような代物があった。


「カーマのマーラ棒か……」


 別名、誰でもマジカルチ〇ポ。

 使えば、どんな相手でもメロメロ(マイルドな表現)にできるという……まぁ、ぶっちゃけ大人の玩具である。

 Bランク最上位からのドロップが大人の玩具かよ、と思うかもしれないが、実はこれは装備型の魔道具でもある。

 そのまま大人の玩具として使うこともできるが、自分のアレと同化させることで死にかけの老人でも男性機能を回復させて、オリンピック選手並みの身体能力と無限の精力を与え、カードに装備させた場合は戦闘力500相当のステータスの向上という効果があった。

 ちなみに、女でも装備できる。

 迷宮出現の初期も初期、日本のガッカリ箱からドロップしたことがあり、そのネタとしか思えない見た目と効果から、ネット上で瞬く間に有名となったネタアイテムだった。


「すぐに捨ててしまいなさい、そんなもの!」

「待て待て待て!」


 顔を真っ赤にして捨てるように言うアテナを慌てて止める。


「こんなんでもBランクアイテムだし、意外と価値が高いんだよ」


 見た目がヤバイのはわかるが、捨てるのはあまりに勿体ない。

 一見ネタのようで戦闘力を500近く上昇させる上に、無限の精力で夢魔系の吸精スキルを無効化できるという、実は強装備なのだ。

 そう俺が宥めると、アテナは信じられないという目でこちらをみてきた。


「まさか、これを妾たちに装備させるつもりですか!? わ、妾は絶対に嫌ですよ!」


 それに、他のカードたちも口々に頷く。イライザですらも無言で頷いているほどだ。


「安心しろ。基本、トレードとかに使うつもりだから」


 マーラ棒は、アンゴルモア前の世界でも、その効果から富裕層からの需要は高かった。

 このアンゴルモア後の世界でも、それなりに需要は高いだろう。

 ……あるいは、将来的に俺が使う、という可能性も、まぁ、無いではないしな。


「さて! そんなことより、カードキーだ!」


 カードたちに有無を言わせぬうちにさっさとマーラ棒をカード化してホルダーにしまい込むと、俺は話題を逸らすようにそう言った。


「……ご主人様、その前にガッカリ箱が残っております」

「おっと、そうだったそうだった」


 オードリーにツッコまれ、照れ隠しに頭を掻きながらガッカリ箱の方へと向かう。

 そうして中を開けてみれば……。


「お、スキルオーブか!」


 金色のガッカリ箱以外からスキルオーブが出たのなんて初めてじゃないだろうか?

 期待に心を躍らせながら、蓮華へと振り返る。


「どんな感じだ? 不運のエネルギーは感じるか?」

「ん……いや、特に嫌な感じはしねーな」


 良し、ならば使って良いだろう。

 これは赤色……ステータス強化系だから。


「ドレス」


 装備化で全体に共有できる彼女に与えるのが一番効率的だろう。


「やったー! ありがとうございます!」


 俺の差し出したスキルオーブを、屈託のない笑顔で受け取るドレス。

 こういう天真爛漫というか天然っぽいところは、ネヴァンとなって冷たいほどの美貌となった後も変わらない彼女の良いところだ。

 そんなところが、妹感が強いのか、一応ケルトの三女神の中で最古参でありながら、モリーとヴィーにも妹扱いされて可愛がられているようだった。


「じゃあ、使いますね!」


 ドレスが、スキルオーブを握りつぶすようにして取り込む。

 同時に、彼女のカードが光を放った。


【種族】ネヴァン (ドレス)

【戦闘力】3300(MAX!)

【先天技能】

 ・死と勝利の戦女神

 ・三相女神

 ・破壊と殺戮と勝利の加護

 ・毒のある女


【後天技能】

 ・七転八起

 ・不屈の精神

 ・眷属強化

 ・遠見の術

 ・メイドマスター:メイド、低級収納、秘書、教導、演奏、舞踏、庇う→献身の盾(CHANGE!)、戦術、服飾家スキルを内包する。

(服飾家:服飾家として必要な技能を修めている。服飾、美術、精密動作スキルを内包する)

 ・限界突破

 ・高等忍術

 ・怪力

 ・生命の泉

 ・生還の心得

 ・弱点無効

 ・かくれんぼ

 ・文武一道

 ・物理強化

 ・ヴィーヴィルの瞳

 ・見切り(NEW!)

 ・直感(NEW!)

 ・巨神化(NEW!):肉体を巨大化させ、状態異常に弱くなる代わりに、生命力、耐久力、筋力を最大十倍まで強化できる。肉体の大きさは、強化率の二乗。



「巨神化……!?」


 思わず驚愕の声が漏れた。

 巨神化は、Bランクの先天スキルクラスのスキルだ。

 持つのは、高位の神魔やドラゴンなどの種族に限られる。

 眷属召喚や変身スキルと違って後天スキルでの取得の前例もあるスキルではあるが、その習得の難易度は極めて高く、ウチのカードでも所持するのはデルピュネーに変身したマイラのみということもあり、玉手箱内での修行でも習得は半ばあきらめていたスキルだった。

 それが、巨人化をすっ飛ばして、巨神化のスキルが手に入るとは……!

 肉体を巨大化させるということは、的が大きくなるというデメリットも抱えるが、受けるダメージを相対的に小さくできるということでもある。

 人間大のサイズで腹を剣で刺されれば致命傷だが、身長200メートルならナイフで刺されるようなものだ。

 俺の最大の悩みである絶対攻撃にしても、巨神化で相対的にダメージを小さくすれば生き残れることもあるだろう。

 現に、グガランナ戦では、マイラは巨神化を使うことで即死を回避している。

 それが、ドレスの装備化で全体に共有できるとなれば……!

 

「思いがけず、良いスキルを得られたな」


 ニヤリと笑い、ドレスのカードを仕舞う。

 そして、彼女にはもう一段階パワーアップの可能性が残っている。

 俺は清土鬼子母神堂の入り口へと歩いていく。

 通常の迷宮だと主を倒すと出口のゲートが現れ、そこからコアルームに入れるが、試練の迷宮の場合は入り口のゲートしかない。

 コアルームに入れる場所があるとすれば、ここしか可能性がなかった。

 俺は、ユウキのカードでコアルームの中に入るよう念じながらゲートを通り――――。


「……無事、入れたか」


 俺は、一面真っ白の空間を見渡してホッと安堵の息を吐いた。

 しかし……。


「シャボン玉が無い……?」


 いつもなら無数のシャボン玉が浮かぶはずのコアルームには、一つのシャボン玉も浮かんではいなかった。

 あるのは、バレーボールサイズの虹色の水晶体……通称ガチャ玉のみ。


「試練の迷宮では、カードキーは得られない、ということか?」


 色々と悩みつつも、とりあえずガチャ玉の方へと向かう。


「普通の迷宮のガチャ玉と変わらないように見えるが……」


 そう呟きながらガチャ玉に触れてみると、俺はいつの間にか砂漠と化した清土鬼子母神堂の前へと放り出されていた。

 手の中には、いつの間にか、一枚のカードが。

 そして……。


「ゲートが、無い?」


 振り返れば、そこには試練の迷宮のゲートは無くなっていた。

 試練の迷宮は、カードキーは得られないが、消滅させることはできる、ということか? ……一体、誰得なんだ?

 そう困惑しつつ、とりあえず手に入れたカードを見てみる。

 どうやらカード化された魔道具のようだが……。


「UFO……?」


 そこには、金色の光り輝くUFOのようなものが描かれていた。

 とりあえず実体化させて見る。


「……意外と大きいな」


 大きさは、直径5メートルほど。中心部は球体状で、その周囲に円盤がくっついている土星のようなフォルムだ。

 ますますもって何だこりゃ、と思っていると。


「マ、マスター、それ!」


 鈴鹿が、目を見開き叫んだ。


「それ! わ、私のキーアイテムかも!」

「なに!?」


 鈴鹿のキーアイテムということは……!


「これが、神通車か!」


 確かに光り輝いてはいるが、乗り物……? いや、一応乗り物なのか?

 いや、そんなことよりも。


「鈴鹿」

「うん……」


 緊張気味に鈴鹿が頷き、神通車へと触れる。

 すると、神通車は光の粒子となって、彼女の中へと吸い込まれていった。


「……どうだ?」


 俺の問いかけに、鈴鹿はしばし自分の中を探るように目を閉じていたが、やがて眼を開けると力強い眼差しで頷き返した。


「うん、欠けていたピースが埋まったような感じ。これなら、鈴鹿御前になっても、前ほど飲み込まれないかも」

「そうか!」


 もしかしたら、鈴鹿が鈴鹿御前の霊格に飲み込まれたのは、キーアイテムを揃えずに神殿の効果で無理に変身させたせいもあるのかもしれない。

 そんなようなことを考えながら彼女のカードを確認する。



【種族】瀬織津姫(鈴鹿)

【戦闘力】1900(MAX!)(初期戦闘力750+成長分750+霊格再帰分400)

【先天技能】

 ・祓い水に流す祓戸大神(はらえどのおおかみ):水の流れを司る水神にして穢れを払う祓神である瀬織津姫の権能を使用可能。

 ・浄化の水垢離:清めの水を降らし、場の穢れを根こそぎ洗い清める。敵味方全員の状態異常を治し、一定時間状態異常を無効化する空間を形成する。

 ・清濁併せ吞む水の理:同一視される橋姫の力を内包し、眷属として召喚することができる。無限召喚型。橋姫の先天スキルをすべて内包する。

 ・高等魔法使い


【後天技能】

 ・目隠し鬼

 ・狩人

 ・見切り

 ・良妻賢母:料理、清掃、育児、性技を内包する。

 ・虚偽察知

 ・友情連携

 ・かくれんぼ

 ・霊格再帰:茨木童子(1200)、鈴鹿御前(1800)。数値は、初期戦闘力。

 ・剣術

 ・鑑識眼

 ・詠唱破棄

 ・生還の心得

 ・戦術

 ・弱点無効

 ・縄張りの主

 ・眷属維持

 ・魔力の泉

 ・無拍子

 ・金剛体(CHANGE!)

 ・庇う(NEW!)→献身の盾(CHANGE!)



「ふむ、新しいスキルは無しか……」


 キーアイテムを取り込むと稀にアイテムの効果がスキルになることがあるのだが、今回は無いらしい。

 その場合、大抵、変身先の先天スキルにパワーアップして効果が内包されているので、別に良いと言えば良いのだが……変身しないと三明の剣の力が使えないのは、少々不便なところだった。


「しかし、ドレスの巨神化に、鈴鹿のキーアイテムと、実りが大きかったな」


 思えば、蓮華のランクアップのカードを得たのも試練の迷宮なら、ケルトの三女神や、メアのヘカテーのキーアイテムを得たのも、試練の迷宮だ。

 ……俺と試練の迷宮は、結構相性が良いのかもしれない。

 何はともあれ。


「これで、やるべきことは大体済ませたか」


 俺がいないとできないことは大体済ませた。

 これで、俺がしばらく立川に戻れなくとも問題ないだろう。

 まだエリアAでの転移門の設置なども残ってはいるが……それもハーメルンの笛でカードたちだけ派遣すれば、片が付くだろうしな。

 そういえば、今日の攻略中に得たガーネットで、保有するガーネットがキープ分を除いて800を超えたか。

 半分は緊急時の保険として、もう半分の400はガチャに使うことができる。

 それを引いたら、いよいよサラちゃんを迎えに行くとするか。

 俺はそう決めると、最後にゆっくり家族と過ごすべく、立川へと帰還するのだった。




【Tips】装備型の魔道具

 装備型の魔道具は、装備化スキルと異なり、基本的に装備できる数に制限は無く、装備しただけその効果が発揮される(もちろん、物理的に持てる数だけという制限はあるが……)。

 ただし、例えば戦闘力500相当とされる剣の魔道具を両手に持ったところで、カードの戦闘力が1000上がるわけではない。

 そもそも、装備型の魔道具における「戦闘力◯◯相当」という評価は、武器としての切れ味や頑丈さをカードの戦闘力換算で評価したものであり、そのままカードの戦闘力を加算するものではない。

 そのため、右手に持つ戦闘力500相当の武器でモンスターに攻撃したところで、左手に持っているだけの戦闘力500相当の武器の威力が乗ったりはしない(もちろん、左手の武器がそういう効果を持っていれば別であるが)。

 

 一方で、「装備型の魔道具にカードの戦闘力は加算」される。

 たとえば戦闘力100相当の鎧を、戦闘力1000相当のカードが身に纏った場合、その頑丈さは「鎧の性能」+「カード自身の頑丈さ」となり、カードよりも鎧の方が脆いということにはならない。

 

 また、装備型の魔道具は、「しっかりと装備」しないと、その効果を正しく発揮しない。

 指輪型の魔道具は、大抵の場合、身に着けているだけで効果がある物が多いが、両手の指ではなく足の指やネックレスとして下げているなどの本来の使い方をしない場合、その効果は発揮しない(一本の指に複数付けるのは、有効)。

 衣服型の魔道具に関しても、「下着」+「肌着」+「鎧」+「外套」と言った重ね着は可能であるが、「下着」+「下着」と言った重ね着は、効果を発揮しない。

 さらには、「カーマのマーラ棒」のように特定の部位と融合させるようなタイプに関しても、一カ所に一個しか装備できないなど、それぞれの魔道具によって細やかな制限がある。

 



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る