第9話 トレード③
「————さて、トレードに出す物も決まったことですし、いよいよガチャの時間ッスね!」
それからしばし話あった結果。
ペレのタパ。無限の大岩。無限の丸太。デメテルの大鎌。若返り、不老、復活系アイテム。銘有りの武具。異空間型カードのDランクカードと有用なCランクカード。カード化の魔道具。宝箱、宝籤、転移系のカード。
以上のアイテムは残し、後は交換リストに載せてみることになった。
ただし、それらのアイテムも有用な物が多いため、キーアイテム候補があった時のみトレードすることになった。
『蓮華』『ああ、準備はできてる』
ウキウキと手をこすり合わせるアンナとキラキラと目を輝かせる織部を尻目に、さっそく一枚目を引く。
ガーネットが砕け散る音と共に、宝籤のカードが変化した。
その結果は――――。
「玄武、か。キープだな」
「そうッスね、絶対結界は疑似安全地帯に迫る性能がありますし、相手に渡さないという意味でも四神や四天王系は基本キープで良いでしょう」
「これで宝籤のカードでBランクが出るのも確認できたか。ガーネットの消費は大丈夫か?」
織部の問いかけに、消費されたガーネットの数を数える。
「四十個だな。普通だな」
「ふむ、フェイズの影響は特に無しと」
一通りの確認が終わったところで、二枚目を引く。
現れたのは、北欧風の鎧を身に纏った光り輝くような美貌の青年。
これは……!
「フレイッスか!」
俺が反応するよりも前に、そう声を上げたのはアンナだった。
フレイは、俺がアンナに渡したフレイヤの双子の兄だ。
男女の双子の神は、アポロンとアルテミスのように二体一対系スキルである双神スキルを持つことが多く、このフレイとフレイアも例外ではない。
しかもフレイは、妖精の国アルフヘイムの王としてアルフヘイムの展開と、エルフやドワーフを始めとする多種多様な妖精系の眷属召喚スキルを有する強力な異界クラスの異空間型カードとして知られていた。
ふんふんと鼻息も荒くフレイのカードを凝視していたアンナだったが、やがてチラリと俺を見た。その眼は明らかに物欲しそうで……俺は苦笑するとフレイのカードを彼女に差し出した。
「ほら、これはアンナが持ってろ」
「ええ!? いいんですか!? この前もフレイアを貰ったばかりなのに、そんな受け取れないッスよ!」
「いや、そういうの良いから」
口では遠慮するアンナだったが、その手はガッチリとフレイを掴んで離さなかった。
「フレイを一番活かせるのはお前なんだから、遠慮せずに受け取っとけ。しかも、おあつらえ向きに神のプライドも無いしな」
「えへへ、そうッスか? じゃあ遠慮なく! ありがとうございます!」
ホクホク顔でフレイを受け取るアンナ。
まぁ、これでようやく織部の黄泉津大神とも釣り合っただろう。
そんなことを思いつつ、三枚目のカードを引く。
「ふぅむ、スクナビコナか」
スクナビコナ。一寸法師の源流となった小人の神である。
その権能は、酒・薬・温泉・呪術(魔法)・常世(冥界)・穀物・知識(知)・石など驚くほど幅広い。
これだけの権能をもっていると普通はいくつか欠落するものなのだが、日本のスクナビコナはネイティブなだけあってそれらの権能をすべて兼ね備えていた。
残念ながらあまり戦闘向きの神とは言い難いが、その汎用の高い権能の数々は、俺たちの日々の暮らしを助けてくれることだろう。
特に酒と穀物の生産に特化した権能はウチに欠けているもので、温泉の権能もマヨヒガなどの異空間型カードのリソース節約につながることだろう。
それを確認した上で、俺は悩ましい顔で二人へと問いかけた。
「うーん、どうする?」
「悩ましいところですね……できればキープしてウチで使いたいところですが」
「ここまですべてキープしているからな。この調子で出たカード全部キープしていたらトレードに出すカードが一枚もないまま終わりかねん」
織部の懸念に、頷く。
Bランクともなると、さすがに有用な物が多く、ついついキープしがちとなってしまう……。ここからは少しシビアに判断する必要があるだろう。
「とりあえず保留だな。他にトレード用にちょうど良いのが出なかったらトレードに出すということで」
二人が頷いたのを確認し、四枚目のカードを引く。
そうして現れたカードを見て、俺は思わず目を見開いた。
「ッ……! メルクリウス……!」
古代ローマ風の衣装を身に纏った中性的な容姿の少年、あるいは少女の描かれたカード。
それを見た二人も俺同様に歓声混じりの驚きの声を上げる。
「メルクリウスといえば、ローマ版ヘルメス!」
「商業神か!」
そう、メルクリウスはローマ版のヘルメスと言うべき存在であり、ヘルメス同様、商業神としての権能を有していた。
その名は、 商品、財貨に由来するとされ、商業神としての側面はむしろヘルメスよりも強い。れっきとした商業神であった。
「おおお! これでウチにも商業神さまが……!」
「これは絶対にキープだぞ、先輩!」
「ああ! わかってる!」
念願の商業神のカードに俺たちも大興奮である。
これで魔石さえあれば、アンゴルモア前の品も手に入るようになったのだから、当然である。
気分的には、これ一枚でここまでのガーネットすべての元手が取れたような感じだった。
これはもう、ここまでのカードはタダだったと考えても良いのでは? つまり、ここから四回引いても実質タダ……?(ギャンブラー特有の思考)
俺は目をグルグルさせながら、五枚目のカードを引いた。
そうして現れたのは――――。
「むっ、これは……」
俺は、現れたカードを見て、軽く目を見開いた。
ここで、このカードが来るか……。
カードを手に考え込む俺を見て、アンナと織部もカードを覗き込んでくる。
「アポロン、先輩のアルテミスの二体一対となるカードか」
【種族】アポロン
【戦闘力】800
【先天技能】
・輝けるアポロン:太陽と芸術、牧畜を司る神であるアポロンの権能を使用可能。
・医神の父:息子であり従属神のアスクレーピオスを召喚可能。一日一回、一柱のみ。
・月桂樹の葉:月桂樹へと姿を変えたダプネーの加護。一日一回だけ相手の攻撃を絶対に回避できる。
・双神:伴侶や親兄弟などの密接な関係にある別の神と共に召喚することで真価を発揮する。二枚召喚しても迷宮の召喚枠を一つしか消費しない。また、生命力・魔力・スキルの使用回数・すべての後天スキルを二枚で共有する。
・遠矢射る:強力な呪いを込めた必中の弓矢を放つ。稀に即死。相手が男性であった場合、初撃に限って防御力無視、威力二倍。回数制限はないが、十分間のクールタイム有り。場にアルテミスがいる場合に限り、攻撃対象が敵の男性全体に拡大される。装填、狩人スキルを内包する。
(装填:魔法を武器に籠めて放つことができる)
(狩人:狩人に必要な技能を収めている。武術、弓術、遠見、追跡、気配遮断スキルを内包する)
【後天技能】
・神のプライド
・高等魔法使い
アルテミスは、セレーネーとヘカテーの三相女神であると同時に、双子の兄であるアポロンとの二体一対カードである。
そのスキルの真価は、これらのカードがすべて揃った時に発揮される。
具体的に言うと、本来は女性限定の単体攻撃となる絶対命中が、女性全体の範囲型絶対命中になる。
アポロンはアポロンで、アルテミスの男性版のスキルを持っているため、性別がない相手以外には、全体攻撃になるというわけだ。
唯一引っかかる点と言えば、アポロンが男カードであることだが……。
『マ、マスター。少し良いですか?』
そこで、ふいにユウキがそう声を掛けてきた。
珍しく、声が上ずっている。
『どうした?』
『もしかしたらなんですが、そのアポロン、ボクの真眷属召喚で取り込めるかもしれません』
「なにッ!?」
思わず声に出した俺を見て、アポロンのカードを興味深げに覗き込んでいたアンナと織部が何事かと振り向く。
「どうしました?」
「いや、ユウキがこのアポロンを真眷属召喚で取り込めるかも、と」
俺の言葉に二人は顔を見合わせる。
「真眷属召喚って、同種族を取り込めるスキルでしたよね」
「アルテミスのユウキがアポロンを取り込めるということは……二体一対系カードも対象というか!」
その可能性がある、と頷く。
「しかし、こう言ってはなんだが……三相女神とかを真眷属召喚で取り込んでもあまり意味は無いような……」
織部がやや気まずそうに言った言葉で、俺も若干テンションがダウンした。
二体一対系の最大の特長は、複数枚召喚しても一枚分しか枠を使わないこと。真眷属召喚は元々枠を使わないので、この特長が相殺されることになる。
一方の真眷属召喚の特長は、眷属がロストしたとしても一日経てば復活させられることだが、三相女神は生命力を共有するため、眷属が死ぬ時は本体も死んでいるということで……。
もちろん、その時の復活コストはユウキ一枚で済むため、そういう意味では二体一対系カードを真眷属召喚で取り込む利点は大きい。
が、やはり二体一対系スキルの利点と真眷属召喚の利点が被ってしまうことは否めなかった。
せっかく、ここにきて真眷属召喚の株が急上昇したかと思ったが、やはり真眷属召喚は不遇、か?
いや、待て。真眷属召喚には、もう一つ疑惑があったな……。
猟犬使い事件の際の大量のアヌビスは、『真眷属召喚で召喚した眷属をカード化の魔道具でカード化した物なのでは?』という疑惑が。
ユウキがライカンスロープの頃はカード化の魔道具が自由に使える状況ではなく、自由に使えるようになった時にはアルテミスにランクアップしてしまっていたため、これまで検証できずにいたが……それを検証する絶好の機会か?
「よし、ユウキ、これを真眷属召喚で取り込んでみろ」
「はい!」
ユウキは俺が渡したアポロンのカードをバリバリとかみ砕くと、さっそくその場で呼び出した。
現れたのは、『輝く者』の異名に相応しい、光り輝くような美形の青年。
その美しさは、アンナや織部たち女性陣はもちろん、男の俺ですら見惚れるほどだ。
「む? これは……?」
呼び出されたアポロンは、自分の身体を確認すると、なぜかユウキへと頭を下げた。
「お久しぶりです、ユウキさま。またよろしくお願いします」
お久しぶり???
俺たちがその言葉に小首を傾げていると、ユウキがアポロンの顔を見て、ピンときた顔をした。
「ん? お前、もしやシロですか?」
シロ? ライカンスロープだった頃に取り込んだカードの片割れか?
言われてみれば、どこか面影があるような……。
「ええ、正確には、その残滓を取り込んだ存在に過ぎませんが」
「ほぉ……」
まさか、こういう形でシロと再会することになるとは。一度取り込まれたカードは、完全に消えることは無いということか。
まぁ、今はそれはおいておいて。
「すまんが、少し試したいことがある」
「ええ、もちろん」
シロの了承を経て、俺は黒いカード化の魔道具を取り出した。
「このカード化の魔道具で、お前がカードにできるか試したい」
「先輩、それは……!?」
俺の言葉に、成り行きを見守っていたアンナたちが目を見開く。
なぜ、猟犬使いはあれほどアヌビスをばら撒くことが出来たのか。
そして、プリマとのカード化で知った、新たなカード化の魔道具の使い方。
すべてを踏まえれば、これしか考えられなかった。
俺はシロへと黒いカード化の魔道具を掲げて、使用する。
結果は……。
「やはり、か」
俺の手の中には、通常のカードと同じようなシロのカードがあった。
【種族】アポロン(シロ)
【戦闘力】1200(400UP!)
【先天技能】
・輝けるアポロン
・医神の父
・月桂樹の葉
・双神
・遠矢射る
【後天技能】
・忠誠
・気配察知
・武術
・人物眼
・中等忍術
・神のプライド(LOST!)
・高等魔法使い
「ユウキ、シロは召喚できるか?」
「はい」
ユウキがシロを呼び出す。それを見ながら、俺もカードから召喚を試みる。当然、出ない。ユウキにシロを戻して貰い、もう一度試す。今度は、普通に呼び出すことが出来た。
「この状態からシロを送還か再召喚はできるか?」
「えっと……はい、可能です」
そう言って、ユウキはシロの再召喚をして見せた。俺の前からシロが消えて、ユウキの前に現れる。
ふむ、真眷属をカード化したカード……仮に疑似カードと名付けるとして、疑似カードの上位権限は本来の主である真眷属召喚スキル持ちの方にあるようだな。
一度シロを送還して貰ってから、織部へと疑似カードを差し出す。
「小夜、このカードでシロの召喚を試してみてくれるか?」
「わた、……我が、か? ふむ、わかった」
織部は少し驚いたように自分を指さしてから、頷きシロのカードを受け取った。
そして、カードを掲げ、何事も無くシロを召喚して見せる。
「召喚できた、か」
「どうやらこの方法でカードにした場合、誰でも呼び出せるようッスね」
「これで、猟犬使いの時の絡繰りはハッキリしたか」
……死んでも復活できる真眷属だから、気軽にばら撒けたというわけか。
「しかし、これはかなり戦略の幅も広がるな」
織部の言葉に、確かにと頷く。
例えば、ロスト身代わりスキルを持つカルキノス。あれは、使い捨てとなってしまうことが難点であったが、真眷属召喚なら使い捨てになることもない。
デュラハンなどの装備化スキルも、メンバー分のデュラハンを取り込ませれば、一枠で全員分の装備化が可能となるだろう。
なにより……。
「本物のカードではなく、疑似カードなら部員にばら撒いても、さほど惜しくはない」
俺の言葉に、アンナと織部もコクリと頷く。
部員に高ランクカードをばら撒くことで怖いのは、横流しや、渡したカードを使っての反乱だ。
だが、本来の主が自在に送還や再召喚が可能な疑似カードであれば、仮に持ち逃げや反乱を起こされたとしても容易く鎮圧できる。
いよいよ、冒険者部員という数の利を活かせるようになるというわけだ。
「さて、それはともかく、今はガチャの続きを引くとするか」
「ですね」
というわけで、六枚目のカードだ。Aランクへのキーアイテムとのトレードとなると、Bランクカードであっても二枚は欲しい。アタリが続いて有難くはあるが、そろそろトレード用のカードが来て欲しいところだが……。
「……アンドロマリウス、か」
現れたカードを見て、俺はまたも頭を抱えることになった。
アンドロマリウス。ソロモン七十二柱の中でも、詐欺や不正を発見し、盗人を捕らえて盗品を取り戻す、という正義よりの権能を持つ悪魔だ(もちろん悪魔らしく自身も窃盗の権能を持っているが)。
その権能は、学校内の治安を保つのにも活躍してくれることだろうが、俺が悩んでいるのはその権能故ではなく……。
「これまた悩ましいカードが来ましたね。ここまで出たカードの中ではトレード最有力候補ではありますが……」
「ソロモン七十二柱は有用すぎる。トレードに出すこと自体が不自然となるぞ」
これがソロモン七十二柱であること、それが問題であった。
ソロモン七十二柱は軍団召喚スキルに加え、魔石次第でズブの素人でも扱えるというBランクカードの中では比較的扱いやすいこともあって、この状況下ではまずトレードの場に出てこないカードだ。
俺が想定していたトレード用のカードというのは、「神のプライド等のせいで相性がウチでは悪くて使いこなせない」か「戦闘向きではなく権能がすでにあるカードと丸被り」のどちらかであり、魔石次第で誰でも使えるアンドロマリウスはそれに当てはまらない。
相手がつい先日まで謀略を仕掛けてきていた相手というのも相まって、よりトレードに出すのは不自然だった。
「……これも保留だな」
他に有用なカードが出てこなかったら、あるいはキーアイテムがあったらの交換にするとしよう。
しかし、次で七枚目か。貯めてあったガーネットの半分近くを使いきる計算になる。
まさかこのまま全部使いきることにはならないよな……?
そんな微かな不安を頂きつつ引き当てたのは――――。
「バッカス! 良し! ようやくちょうど良いのがきた!」
バッカス。ローマ神話における酒の神だった。
「あまり戦闘向きではなく、その権能もウチら学生が軽視してもおかしくない酒造。ようやくトレードに出してもおかしくないのが来ましたね!」
「これでスクナビコナは残せるな。実は、温泉の権能には密かに期待しておったのだ」
二人の言う通り、バッカスならトレードに出してもおかしくないし、これでスクナビコナも残せる。本当にちょうど良かった。
「とりあえずこのバッカスと魔道具のリストを見せて、トレードを持ちかける。アンドロマリウスを出すのは、リストにキーアイテム候補があり、対価が足りなくなったら……ってことで良いよな?」
俺の言葉に、「異議なし」と二人が頷き返す。
良し、決まりだな。いやぁ、なんとか半分くらいでちょうど良いのが出て良かった。
と残ったガーネットを片付けていると、ふとアンナが思い出したように問いかけてきた。
「そう言えば先輩はディアーナもお持ちでしたよね? そちらはトレードには出さないんですか? あれこそアルテミスと権能が丸被りで、トレード用のカードだと思うんスけど」
「ああ……ディアーナか」
そう言えば、それがあったか、と思い出す。
完全に意識から外れていた。……アレは師匠に、と思っていたからな。
フレイヤをアンナに、黄泉津大神を渡すとなった時に、当然の如くディアーナは師匠へと考えていた。
ディアーナは、師匠の相棒であるジャネットの種族であるアラディアと神話的に強い繋がりがあり、当然そのスキルも高いシナジーがあるためだ。
残念ながら、俺が星母の会と手を結ぶと言って以来、会えず仕舞いでいるため渡せずにいるが、師匠にディアーナを渡すという意思は変わっていなかった。
「ああ、まぁ、とりあえずキープしとく」
「……そう、ですか」
とはいえ、なんだか師匠とは蟠(わだかま)りがあるっぽいアンナにそれを言うのは何となく言い辛い。
なので、曖昧に濁すと、アンナも深くは突っ込んではこなかった。
ディアーナは、俺のカードであり、それをどう扱おうと俺の自由だからだろう。
……しかし、一瞬、ほんの一瞬だけ。
いつも明るく光るその瞳が、深く暗く、ドロリと濁ったような……。
「さて、ギルドの方々も結構待たせてしまっていますし、そろそろ行くとしましょうか」
そう言うアンナは、いつも通りの快活なもので……。
俺が気のせいだったのか、と思いかけたその時。
「「「ッ!?」」」
ドクリ、と何かが頭に流れ込んできた。
まるで走馬灯か何かのように一瞬で脳裏を駆け巡るそれは、小良ヶ島へと派遣した分身の記憶だった。
「ま、マジかよ……」
今、島がどうなっているのかを知った俺は、強い眩暈に襲われ膝から崩れ落ちた。
「ユージンさんが……」
床に手をつき、呆然と呟く。
「ユージンさんが、レイナと結婚して……子供まで出来てる、だと?」
七年という歳月は、童貞の俺では到底太刀打ちできぬ領域までユージンさんを押し上げていたのだった。
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