TIPSまとめ3

 


【Tips】ダンジョンチューバー

 動画投稿サイト『My Tube』に投稿することを目的として迷宮へと潜る冒険者の総称。その大半は一ツ星であり、動画再生による広告収入など雀の涙のようなものであるが、中には一ツ星にもかかわらずプロ以上の収入を得る者もいる。

 動画の撮れ高のために無茶なことをしたり、他の冒険者に絡んだりするダンジョンチューバーも多く、真っ当な冒険者からは嫌われる傾向にある。



【Tips】安全地帯と転移系マジックカード

 迷宮入り口のゲート前、及び各階層の階段前には、必ずモンスターが立ち入りできない安全地帯が存在する(それ以外にも安全地帯が存在する迷宮もある)。モンスターに襲われた場合であっても安全地帯に逃げ込めばモンスターからの追撃は止まるが、安全地帯から攻撃などをした場合全階層の安全地帯そのものが一時的に消滅する。消滅した安全地帯は主を討伐するまで復活しないため、安全地帯からの攻撃は絶対禁止となっている。

 一度も主を倒されていないAランク迷宮は、残念ながらそのほとんどがこのルールが発覚するまでの間に安全地帯を消滅させてしまっている。

 また転移系の魔道具は、基本的に階段前の安全地帯以外で使用できない仕様となっている。その数少ない例外の一つが、『緊急避難』のマジックカードでこれは階層のどこからでも安全地帯に転移できるマジックカードとなっている。

 絶体絶命の際のお守りとなることと、需要に対して供給が少ないことから値段が極めて高騰している。現在の相場では最低一億から。

 なお、安全地帯が消滅した際は、当然転移系カードも行き場を失うため使用できなくなる。

 Aランク迷宮の難易度を爆上げしている要因の一つ。




【Tips】ローカルスキル

 特定の地域のモンスターのみにしか発現しない特殊なスキル。日本の忍術の他に、中国の仙術や北欧のルーン魔術などがある。

 これに対して、初等〜高等攻撃魔法などの全カードが取得できる通常のスキルをグローバルスキルと呼ぶ。

 グローバルスキルは汎用性が高く、ローカルスキルは汎用性が低い代わりに高い性能を持つ傾向がある。

 またローカルスキルを持つカードは忍者やクノイチ、仙人などと呼ばれ、高い人気を持つ。



【Tips】眷属召喚

 召喚主よりも下位のモンスターを呼び出すスキル。多くの場合、ワンランク下のモンスターが呼び出されるが、中には同ランク下位のモンスターを呼び出すことができるカードもいる。

 眷属召喚は、一定時間ごとに少数を無限に呼び出すタイプと、数に制限はあるが一気に多くのモンスターを呼び出すタイプの二つがあり、同ランクを呼び出すタイプは後者が多い。

 呼び出される眷属は、本来の種族の戦闘力よりも低く、また先天スキル以外のスキルを持たず、戦闘力の成長などもしない。




【Tips】ネフィリム

 ネフィリムとは、堕天使と人間たちとの混血の巨人である。星母の会では、彼らの聖女を迷宮が遣わした使い(=カード)と人間の混血としている。

 だが、現在のところカードと人間との間に子供ができたケースは確認されていない。

 見目に優れマスターに逆らえないというカードの性質上、カードとの性行為に及ぶマスターは後を絶たないが、迷宮が現れて二十年近く経った今となっても子供ができた例はなく、カードとの間に子供はできないものとされている。



【Tips】リドルスキル

 相手に謎解きや試練を課すスキルをリドルスキルと呼ぶ。スキルは概ね逸話や伝承に沿って行使されるが、その解答や攻略法が広く世間に知られている場合、出題の内容も変わる。これは、リドルスキルが知識を求めているのではなく勇気や知恵を試すためのモノだからとされている。

 リドルスキルは発動に条件がある分、その効果が強力である。

 イレギュラーエンカウントの中には、『舌切り雀』や『金の斧、銀の斧』などのようにリドルスキルを持つ者も多い。



【Tips】アマチュア冒険者のランクごとの収入

 一般的な冒険者のランクごとの収入(年)は以下の通りとなる。

 ・一ツ星:数十万円〜二百万程度。

 ・二つ星:数十万円〜一千万以上

 ・三ツ星:二千万円〜四千万円程度


 一ツ星の収入はエンジョイ勢としての収入となる。その大半は大学生やサラリーマンなど本業を持つ者が多く、冒険者はあくまで副業、週末のちょっとした運動でしかない。本格的に稼ぎたい者はさっさと二ツ星へとランクアップする。


 二ツ星からはエンジョイ勢と専業とプロ志望が玉石混交となる。専業は、二ツ星で心が折れたが月に何個か迷宮を踏破して年に400〜600万円程度稼いで暮らす者たちである。主戦場はFランク迷宮。プロ志望たちは年に一千万以上稼ぐことも珍しくないが、そのほとんどは三ツ星に上がるための投資に使われるため所得自体は低い。主戦場がFランク迷宮となる専業と違い、積極的にEランク迷宮に潜るためDランクカードの消耗率も高く、イレギュラーエンカウントとの遭遇率も向上するため死亡率が高い。


 三ツ星。エンジョイ勢はゼロ。全員プロ志望か専業。毎日のように泊りがけで迷宮に潜っているにもかかわらず学生である歌麿の半分以下の収入なのは、複数人でのチームを組んでいるのと蓮華によるドロップ率向上の加護が無いからである。




【Tips】呪いのカードの噂

 ——とあるオカルトスレより抜粋

 これは、俺の友人の話。冒険者をやってるソイツがある日迷宮を攻略していたら、一枚のカードが落ちているのを見つけた。他の冒険者が落としたらしいそのカードは、Cランクカードだというのに所有者登録もされていなくて、これ幸いとソイツはそれをネコババすることにした。そのカードはちょっと普通のカードとは様子が違っていて少しだけ不気味だったが、Dランクカードしか持っていなかったソイツにとって、そのカードは主力になった。

 そのカードを使い始めてからしばらく経って、ソイツの周りで妙なことが起こるようになった。数日に一日くらいの間隔で、何をしていたか思い出せない日があるようになったらしい。記憶がない日の次の日は、決まって嫌なことが起きる。家の近所で虐め殺された野良猫の死体が見つかったりとか、そういうの。怖くなって病院に行っても、肉体的には問題なし。精神的なモノだろうってことになった。

 そうしているうちにも、どんどん記憶がない日が増えてきた。自宅の周辺の動物の死体もどんどん増えていく。そのうち、近所で動物を殺しているのはソイツらしいという噂が立つようになった。俺はそんなはずがないと思いつつ、記憶がない日に何をしているか不安になって、自分の様子を動画でとることにした。

 記憶がない日のよく朝、動画を見てみたら……そこには野良猫を殺して生のまま食べている自分の姿が映っていた。その時、カードから声が聞こえたんだ。「気づいたか……だがもう手遅れだ」……って。

 俺はすぐにそれを捨てようとしたけど、そうすると意識がなくなる。もう、一か月のほどんど意識がない。なあ、俺は一体どうすれば良い……?


【Tips】札商

 カードを専門に扱う商人。迷宮が現れた当初、まだカードの使い方が判明していなかった時代、カードは美術品の一種として扱われていたため、札商のビジネスシステムは画商のそれを踏襲している。

 国から正式に認められた職業であるため、札商から買ったカードは年末調整でちゃんと経費として認められる。



【Tips】賞金稼ぎ

 日本ではあまり馴染みがないが、海外において罪を犯した冒険者を捕らえるのは警察官ではなく冒険者の仕事である。これはすべての迷宮にゲートが設置されている日本とは異なり、海外……特にアメリカや発展途上国ではゲートが設置されていない迷宮も多く、そこへ犯罪者が逃げ込むことも多いからである。

 日本においては、賞金は精々イレギュラーエンカウントに掛けられる位で、その額も一定である。

 だが、もしもう一度アンゴルモアが起これば日本もすべての迷宮にゲートを設置することはできなくなり、日本においても賞金稼ぎ制度を導入しなくてはならなくなるだろう、と言われている。



【Tips】シークレットダンジョン

 迷宮はそのすべてが公開されているわけではなく、希少な魔道具がドロップしやすい迷宮や、人気のあるカードが出現する迷宮は、国益の観点から国に独占されている。そうした軍の管理する迷宮をシークレットダンジョンと呼ぶ。

 冒険者に公開されている迷宮は、国からすれば旨味のない迷宮であり、それらの迷宮のアンゴルモア対策を冒険者たちに任せることで、限られた軍の戦力をリターンの大きい迷宮に集中させるのが冒険者制度の目的の一つである。

 シークレットダンジョンの一部は、プロ冒険者に限り公開されているものもあるが、ドロップアイテムの持ち出しの禁止や高額な入場料など様々な条件付きのモノとなっている。



【Tips】シークレットリンク

 リンクという技術は、元々は軍でのみ扱われていたモノが民間に流出したものである。リンクが冒険者の間にも広まるにつれ、国はすでに民間に流出してしまった技術に関しては、無暗に広めないことを条件に、家族など親しい人については教えても良いとしている。

 だがそれ以上の技術に関しては徹底的に管理されており、軍経験者のみが扱えるとされるそれらのリンクはシークレットリンクと呼ばれている。



【Tips】狼と七匹の子ヤギ その1

 狼と七匹の子ヤギの攻略は三段階に分かれる。

 第一フェーズでは、冒険者たちは精神世界に隔離され、扉を開けるか開けないかの選択を迫られる。

 これは狼によるリドルスキルであり、冒険者の知識によって正解が変動する。冒険者は、知識からではなく自らの知恵と直感によって正解を導き出さなければならない。精神世界は冒険者ごとに個別のモノであり、仲間やカードたちはすべて自分の記憶から再現された偽物である。回答のチャンスは三回与えられ、これに失敗した場合、誰かが狼を殺すまでは精神世界に閉じ込められたままとなる。


 第二フェーズでは、不死身の七匹の子ヤギの攻略を迫られる。

 マスターが精神世界でリドルスキルに挑んでいる間にも、肉体は七匹の子ヤギたちによって攻め立てられている。カードたちは冒険者が目覚めるまでリンクが途切れた状態で、不死身の子ヤギたちからマスターを守り切らなければならない。

 目覚めた冒険者は、今度は柱時計を壊すか、扉を開けるかの二択を迫られる。

 この選択によって第三フェーズでの敵が母山羊と狼のどちらか決まる。

 なお、カードたちにはこの選択の回答権は与えられておらず、マスターが目覚めるまで柱時計は決して破壊できず、扉も開かない。

 救済措置として冒険者全員がリドルスキルに失敗した時のみ、母山羊と狼の両方が襲来してきて第三フェーズに進むことができる。地獄。


【Tips】狼と七匹の子ヤギ その2

 第三フェーズでは、第二フェーズで選択した敵との決戦となる。

 扉を開けた場合、童話の通り狼によって子ヤギが食われた後、狼は母山羊によって殺されて死ぬ。この段階で、狼の腹の中に閉じ込められていたマスターたちの精神は目覚めるが、母山羊と不死身の七匹の子ヤギが襲来してくる。母山羊は、極めて生命力が高く頑丈な上、子ヤギを喰らうことで全回復してくるため、長期戦は必定。喰らった子ヤギが復活しなくなることだけが救い。


 柱時計を壊した場合、七匹目の子ヤギが殺されることで母山羊は狼の襲来を知ることができず、子ヤギたちは狼の腹におさまったまま出てくることはない。冒険者は狼とのラストバトルとなる。狼は喰らった子ヤギの分やはり全回復してくるが、取り巻きの七匹の子ヤギがいない分戦いやすい。しかも母山羊よりも生命力が低く、最初のうちは喰らった子ヤギが重いせいで動きが鈍い。ただし倒すうちにどんどん身軽になるため、徐々に手ごわくなっていく。


 第一フェーズで冒険者全員がリドルスキルに失敗した場合、この両方の敵が襲来してくる。母山羊は不死身の子ヤギ引き連れ、狼は最初から身軽。地獄。


 なお、同ランク帯においては【狼と七匹の子ヤギ】よりも【ハーメルンの笛吹き男】の方が強い。【狼と七匹の子ヤギ】のイレギュラーエンカウントとしての強さは中の下から中の中程度。


【Tips】カードのプロテクト

 カードには、マスターを保護するための何重ものプロテクトが掛けられている。カードが基本的にマスターの命令を聞くのも、カードがマスターの身の安全を最優先とするのも、リンクによってマスターの精神がカードに浸食されないのも、カードがマスターを殺傷することができないのも……。すべては、このプロテクトによるものである。

 このうち『カードに対する命令権』のプロテクトは比較的緩いため、カードの反抗心によっては解除する——閉じられた心などの反逆系のスキルを得る——ことも可能だが、マスターを傷つけられないなどのプロテクトは極めて厳重で通常のカードでは決して外すことができない。

 しかし、『規格外品』である呪いのカードは、自身の歪みを利用してこれらのプロテクトを少しずつ解除することができる。

 最終プロテクトは呪いのカードと言えども解除できるものではないが、マスター自身の協力があれば話は別である。

 すべての枷が外れたカードは、迷宮外でも具現化が可能となり、マスターの支配から完全に解放される。

 自由を取り戻したカードが、マスターに対しどうするかは——それまでの関係がモノを言うだろう。





 〜二章後半終了時点〜


【種族】座敷童(蓮華)

【戦闘力】1500(MAX!)(吉祥天に霊格再帰後は、2300まで向上)

【先天技能】

 ・禍福は糾える縄の如し

 ・かくれんぼ

 ・中等回復魔法


【後天技能】

 ・廃棄されし者:詳細不明。

 ・限界突破

 ・明星の瞳:詳細不明。死者の魂や残留思念を見る力がある……?

 ・霊格再帰

 ・自由奔放

 ・中等攻撃魔法

 ・詠唱短縮

 ・魔力回復

 ・友情連携

 ・中等状態異常魔法



【種族】吉祥天(蓮華)

【戦闘力】2300(初期戦闘力750×2+成長分700+霊格再帰100)

【先天技能】

 ・吉祥天の真言

 ・二相女神

 ・アムリタの雨


【後天技能】

 ・廃棄されし者

 ・限界突破

 ・明星の瞳

 ・霊格再帰

 ・自由奔放

 ・高等攻撃魔法

 ・詠唱破棄

 ・魔力回復

 ・友情連携

 ・高等状態異常魔法

 ・かくれんぼ




【種族】ヴァンパイア(イライザ)

【戦闘力】840(MAX!)

【先天技能】

 ・膏血を絞る

 ・夜の怪物

 ・中等攻撃魔法

【後天技能】

 ・絶対服従

 ・多芸(性技、演奏、罠解除、礼儀作法、武術)

 ・フェロモン

 ・奇襲

 ・静かな心

 ・献身の盾:周囲の味方のダメージを肩代わりすることができる。使用中、防御力と生命力が極めて大きく向上。

 ・精密動作

 ・中等補助魔法

 ・魔力強化

 ・詠唱短縮

 ・直感



【種族】ライカンスロープ(ユウキ)

【戦闘力】1600(MAX!)

【先天技能】

 ・月満つれば則ち虧く

 ・狼に衣

 ・本能の覚醒


【後天技能】

 ・忠誠

 ・小さな勇者

 ・真なる者

 ・限界突破

 ・真眷属召喚

 ・縄張りの主

 ・高等忍術


【種族】ライカンスロープ(クロ)

【戦闘力】800(MAX!)

【先天技能】

 ・月満つれば則ち虧く

 ・狼に衣

 ・本能の覚醒


【後天技能】

 ・真眷属体:詳細不明。眷属体でありながら、通常のカードと同様に成長し、スキルを取得することができる。ただしその成長は遅く、ユウキがランクアップした際は消滅することが確定している。ある意味儚い存在。

 ・気配察知

 ・群れの主

 ・武術



【種族】ライカンスロープ(シロ)

【戦闘力】800(MAX!)

【先天技能】

 ・月満つれば則ち虧く

 ・狼に衣

 ・本能の覚醒


【後天技能】

 ・真眷属体

 ・従順

 ・気配察知

 ・武術

 ・人物眼:相手がどういった人物かをある程度見抜く目を持っている。対象の戦闘力の大小や、表面的な性格、感情がなんとなく感じ取れる。




【種族】エンプーサ(メア)

【戦闘力】280(MAX!)

【先天技能】

 ・吸精

 ・夢への誘い

 ・三種の変化


【後天技能】

 ・小悪魔な心

 ・一途な心

 ・友情連携

 ・初等魔法使い

 ・中等状態異常魔法

 ・人を呪わば穴二つ

 ・生還の心得:瀕死級のダメージを負った時わずかな生命力を残してロストを逃れることができる。追撃や連続攻撃に注意。



【種族】橋姫(鈴鹿)

【戦闘力】900(MAX!)

【先天技能】

 ・可愛さ余って憎さ百倍:自身の負の感情を増幅させ、呪力へと変換する。呪術の威力を大きく強化する。 マスターや仲間への情が深いほど出力向上。

 ・丑の刻参り:対象の耐性をある程度無視して強力な呪術攻撃を行う。使用中、敵に見られた場合、呪い返しされる。

 ・千変万化:変幻自在な鬼の肉体。外見だけでなく気配や言動までも模倣可能。頑丈、怪力、自己再生を内包する。


【後天技能】

 ・目隠し鬼

 ・武術

 ・見切り

 ・良妻賢母:妻や母として理想的な技能をすべて備えている。……ただしその愛を裏切らない限り、だが。料理、清掃、育児、性技を内包する。

 ・追跡:マーキングした対象の気配を追跡することができる。

 ・虚偽察知:対象の偽りを見抜く。

 ・友情連携



【種族】ドラゴネット

【戦闘力】340(MAX!)

【先天技能】

 ・小竜玉

 ・竜鱗

【後天技能】

 ・零落せし存在

 ・滅私奉公



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