第28話 ピロートーク壱

夜目にもわかる、綺麗な瞳。

邪気のない優しい目。

なんで今まで喧嘩ばかりしてたんだろう、俺たち。


「確かにな」


へっ?!


「でも、だいたいは俺が悪かったよ」


は!?


「俺・・・・・・喋ってた・・・」


「面白いなお前。気づいてないなんて重症だぞ」


柚木は肩を揺らしてクスクス笑ってる。

重症だよ、ホント発症して間もないのに寝込むレベル。柚木のせいだからな。



「な、少しだけ話さないか?」


言いながら城崎がスマホの電源ボタンを両手で押した。

案外明るい光の中に、枕の横で城崎はちょこんと座っている、、可愛いな。


俺が枕に頬をつけて頷くと城崎は俺の顎あたりで丸くなった。



── 一昨日から驚くことばっかだ


── お前、ちっさくなっちゃったしな


── そりゃもう、ウソだろって今も思ってるよ


── だよな、俺も未だに信じられない


── それよりも・・・さ


── ん?なんだ?


── うーん、今こうしていることとか、さ


── ・・・女の子が来たときは驚いた


── へへ、俺もだ


── 帰ろうかと思ったぞ


── えっ ダメダメ!


── 嘘だ。彼女らよく来るのか?


── たまに・・・


── ふーん


── なーに柚木、疑ってんの?


── そんなんじゃなくて・・・何となく


── ヤナかんじとか・・・?


── ・・・・・・


── モヤっと?黙んないでよ柚木、怖いよ


── ・・・かな?



と、俺が呟いた途端。

ギュゥゥゥ〰〰〰!!

わっっ!城崎が首に抱きついてきた!

首にキスをしてきた!

なんだなんだ!!


── 柚木、俺、うれしい


── なっ、なにが??


── だって嫉妬してくれたんだもん


── うっ、、、そ、それは


── でも、この部屋には誰も入れない


──ほんとか?(笑)


── ほんとだよ(真剣)


── 正直に言え(疑い)


── 柚木だけだ(真面目)


── そ、そうなのか(感心)


── 一人で来て部屋にいれたの柚木だけだよ


男友達だってひとりじゃない部屋にあげない。

ましてや女子なんて押しかけてきても前の公園まで押し戻す。


── 本当かなぁ?


── ほんとだよ、信じてよ


── ・・・信じるさ


── よかった


── あのとき、、お前が


── あの時?


── その、、大事な人・・・って、それ・・・


そうだ。あの時の言葉。

その真理を城崎、お前の口から聞いてもいいだろ?



柚木、気づいていたんだ。

これはもう俺はいくしかないだろ。

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