第25話 妄想大爆発

女の子達、帰ったかな?


・・・・・二人で玄関ドアに耳を押し当てて物音がしないことを確認。

柚木がチェーンを掛けたままそろりとドアを細く開ける。

俺も柚木の胸ポケットの中からそっと目だけ出した。


ホッ・・・誰もいない。

あいつら帰ったんだな。。

あまり遅くなると夜道も心配だからさ。

よかった。


柚木は表のドアノブに掛けられていたコンビニの袋を外して、ようやく部屋に戻った。



はぁぁ~、なんとか納得して帰ってもらえた。

マジ、危なかったぁ。


でも俺、勢いで秘めてたこと口にしちゃったけど柚木は ─────。

あれっ、気づいていない?

結構ハッキリ言っちゃったつもりなんだけど、柚木ってそういうトコ天然ポヨヨンなのかもしれないし。

ちょっと残念。。


まぁ仕方ない、気持ちを切り替えて勉強だ。

夜は俺が教えてもらうんだ。

柚木せ・ん・せ♡

なーんちゃって♡♡ ※切り替え早し


コホン・・・。

ひたすら問題を読み解読してゆく。

柚木は文章や行間までの読みが深いから、俺の思いもつかないような解釈をして驚かせる。

声も通るし聞きやすい、字もきれい。

柚木こそ先生になったらいいのにって思ったけど。


いやいや、ダメ。絶対ダメ。

こんな可愛い先生がいたら職員室のアイドルになっちまう。

先生、生徒だけじゃなく保護者からもモテモテになってストーカー騒ぎになるかもしんない。

冗談じゃない!ふざけんなー!!

あ、俺も先生になって同じ学校に就職すればいいのか!

傍にいられるし監視(?)もできるし一石二鳥じゃん。

なんて勉強そっちのけでぐるぐる妄想。。



女の子たちの置き土産は、ファミリーサイズの箱入りソーダ味のアイスだった。

柚木は参考書に視線を落としたままアイスを口にしてる。

伏せた目元には、長い睫毛の影が綺麗な影の弧を描いている。

何かめちゃくちゃ色っぽい・・・///・・・・。


アイスの溶けかかったところを舐めとる舌。

濡れた唇、甘そうで蕩けそう ───。

でさ、棒を持つ指先が綺麗でさ、この肌が足のつま先まで繋がってるのかなぁ、なんてボーっと見蕩みとれていたら・・・・・・。


伏せられていた柚木の目が不意に俺を捉えたんだ。

もうロックオンだ、う・・・動けない。


切れ長の黒い瞳に俺が映っているのを見た瞬間、柚木のやつ、とんでもないことを口にした。


俺の胸が、いや全身と下半身が同時に震えるように鳴った。



「――――― のか?城崎」


「★%※?∴▼√☆!!!!!」

わっっ!ヘンな声が出た!


「───── 欲しいのか?」


へっっっっっっ?!今ナンテ?!?!

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