2日目

 とある喫茶店でちょっとしたお茶会だ。若い女性から支持を集めているとか。流石は友人、こういったことに関して、すぐ拾ってくる。実際入ってみると、若い女性ばかりだ。男2人で来店したので、視線が痛かった。


 一口で食べれるケーキが入っている銀色の箱。まるで宝石箱のようだ。ちょこんと乗せられているベリーが可愛いアクセントになっている。手で取る方式というのが変わっている。汚れると思いきや、そうでもない。菓子職人の工夫なのだろうか。指先にクリームなどが付かない。


 口にしてみると、やはり甘い。果物をプチりと潰してみると、酸味が中に広がり、より引き立てられる。あっさりとしていて、いくらでも食べられそうだ。下手したら、太りそうなのが怖いが。


 お茶会の後は芸術家が集う大通りに行った。私にとって、良い刺激になった。これでも自分は絵を描く仕事をしている。貴族から資金を貰い、描いて、提供をしている雇われという奴だ。


 ワーラルフの芸術家は1つの波に揃っている。有名な人が先導となり、付いて行く形だ。それではつまらないと思う。だからこそ、浮いている。


 だが花の都は違っていた。暗い色を主に使う人、明るい色彩だがタッチが重厚な人、子供が泣きそうな絵柄で何かを訴えようとしている人、女性の全裸の像を通してエロスを表現する人など。それぞれが好きな物を発表する展示会のようなものだった。帰っても、時間があれば、自由にのびのびと描いてみたいものだ。

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