第58話 評価開始

 「フランソワーズ、ワゴン空けれないか」

 「どうして、果物の置き場がないから、手狭ねぇ~このキッチン」


 「でもそれじゃ、一つ一つ運ばないと駄目でしょうよ。明乃あけのちゃん

達に」

 「え~、良いわよ。練習になるから。パパとお店を始めた時の」「でもソースは」

 「さくたん、持って行くからソース掛けて上げて」「う~~~、分かった」

 「かぴたんチョコソースかける」「私が描く」「あっ、かぴたんも何か描く」

 「じゃぁ~持って行くからお願いね」


 「かぴたんショゴスちゃん」「私はサラ」

 「じゃぁ~果物と反対の空きスペースにレモンソース」「「出来たぁーーー」」


 「それじゃ、持って行こうかな。パパと私の初めての共同作業」

 「向こうでしょっちゅう、なんやかんや作ったでしょうよ」


 「いいの、ふっふぅ~、まずは明乃あけのちゃんかな。さくたんお盆どこ」

 「ワゴンの中段」たた。「あった。フォークとナイフを乗せて」

 たた。「かぴたん、クレープ乗せてくれる」

 「サラVSショゴスちゃん、はい」「有難う」


 すたすたすた。「お待たせぇ~~~、はぁ~い明乃あけのちゃん」

 「フランソワーズ、随分ずいぶんとご機嫌ね」


 「パパに苺を食べさせてもらったの。とてもジューシーで、甘く、美味しかった」

 「そ、そぉ~ぅ、それは良かったわね。ここがキッチンに一番近いの、聞こえているわ」

 「ふっふぅ~ん。パパと私は、a good chemistryア グッド ケミストリーよ」


 だだだ。どたどた。「わぁ~可愛い」

 「サラとショゴスちゃんだって、二人共が絵上手いのね」

 「さっきから、甘い香ばしい匂いがしてるし」

 「これ新メニューで出せるんじゃない。ソースの掛け方で絵になると思う」

 ん~~~、又皆集まってるでしょうよ。戻って来るまで一人でするか。


 「バナナがあんなに高いと、ねぇ、まもちゃん」「だね、りくちゃん」

 「バナナ、皮が無いようだけれど」

 「あぁ~、ミス・テリーとかぴたん、さくたんも要らないって言うから」


 「ならバナナは価格次第で、通常のバナナに置き換えれそうね明乃あけのちゃん」

 「ええ、はじめちゃん」「早く食べてみて下さいよぉ~」

 「空自の空ちゃん、あせらせないで」「空自の空ちゃん違いますぅ~」


 「明乃あけのちゃん、まず生地に掛かった和三盆糖わさんぼんとうの部位の感想を頂戴ちょうだい

 「分かったわ、まず素材の味をみてみましょう」かちゃかちゃ。ぱく。


 「・・・ぅ~~~ん、香ばしさが立ち込めるわ。小麦の風味を引き立てる、これが和三盆糖わさんぼんとうの甘味なのかしら」かちゃかちゃ。ぱく。

 「ぁ~~~。・・・うぅん、とても美味しいわ」「でしょぉ~~~」


 「はい、次持って来たよ」「あっ、さくたん、ごめぇ~ん」

 「私もミス・テリーもかぴたんも食べたから、私が手伝う。フランソワーズは座ってて」


 「いいの」

 「ん~~~、ミス・テリーとかぴたんが、チョコソースでお絵描きするのにはまっちゃたみたいだから」


 かちゃかちゃ。「では、チョコソースを」ぱく。

 「あっ、はじめちゃんっ、何をするの」「!ほぉ~~~、美味しいぃ~」

 「さくたんっ、隣の席に置いて」「あっ、うん」「娘子隊じょうしたいっ、集合っ」


 じょわぁ~。おっ、隣の客席に、さくたんと娘子隊じょうしたいが集まって何か始めたでしょうよ。

 3人は座って、陸自のりくちゃんとまもちゃんはテーブルの前に立ってる。

 たたたたたた。ん。りくちゃんが来たでしょうよ。


 「りくちゃん、又皆で悪巧わるだくみ」

 「違いますよぉ~、待ちきれないので、皆で食べるからフォークとナイフを取りに来たんです」

 「ならついでに、ミス・テリーとかぴたんのお絵描きが終わったのを持って行って」


 「お盆お盆、はぁ~い」じゃらじゃら。「カー出来た」「小さい成瀬さん」

 「ミス・テリーとかぴたん。お~上手ぅ~、お盆に乗せて」

 「「あい」」ごと。すたすたすた。


 「ミス・テリーとかぴたん。次が出来たでしょうよ」

 「次はスウ」「かぴたんテケテケ」「これね」

 カウンターに回って二人に渡して、レモンソースは後から。


 「「「「「美味しいぃ~」」」」」

 直ぐにらいくされるから、直ぐに取りに来るでしょうよ。


 「さくたん、又仕入れ伝票もって来てくれないかしら」

 「あっ、それこっちにあります」


 「ちょっとまもちゃん、持って来て。はじめちゃんレモンソース置いといて」

 「これは、思っていた以上ね、さくたん」

 「うん、予想外」がやがやがや。「いくらでもお腹に入る。太るわ」がや、ぴった。

 「・・・はじめちゃん私、ちょっとぐらいいかも、最近水着着る機会ないし」


 がやがやがや。「これ、アイス横に付いたら」

 がや、ぴった。「「「「「「「「ぁぁぁあああ~~~」」」」」」」」

 「こんどパパに作ってもらっちゃお」「ずるいぃ~フランソワーズ」

 「さくたんもおいでぇ~」


 「うっ、うぅん、価格の相談とアイデアが欲しいのだけれど」

 「あっ、次できたみたい」「えっ、さくたん、私のはじめちゃんが」

 「うん、持ってくる」たたたたた。


 「それでこのクレープは、皆どうかしら、私は良いと思うのだけれど」

 「見た目と味はグッドです。これは女の子に受けしますよ」

 すたすたすた。「明乃あけのちゃん、はい」こと。「有難うさくたん」


 「そうですよ。店の前の道は、近くの女子校の通学路なのに」

 「ですよねぇ~、海自のかいちゃんワン、ツー」「「海自のかいちゃん違うから」」


 「たまぁ~に入って来てくれる子がいるけど」

 「そうねさくたん、でも」「え~はじめちゃん、でも席には座ってくれないのよ」

 「ロッキングチェアーをぎこぎこしてるおっちゃんを見ると、そそくさと出ていっちゃう」


 「どうして、パパ可愛いじゃない」「皆がフランソワーズと同じ変人じゃないのよ」

 「そうかしら明乃あけのちゃん。ねぇ~さくたん」「私のは個性だから」


 「此際このさいしょっ、うぅん、マスターにはきりきり働いてもらいましょう」

 「あっ、でもきっと皆も作れると思う。見てたけど、生地の材料はパンケーキと同じで、膨らまさないからベーキングパウダーが入らないのと、牛乳が多目おおめゆるいぐらいかな」


 「と言う事は、美味しさの秘密は、厳選げんせんされた素材によるもの。そう判断して良さそうね、さくたん」

 「うんはじめちゃん、私もそう分析してる」


 ぱらぱら。「これね。全粒粉ぜんりゅうふん薄力粉はくりきこ、1kg662。パンケーキと同じだとすると20人分ね。一人の単価は33」

 「やっぱり果物のウエイトかな、バナナは普通だけどソースを付けると美味しい。あと苺っ、明乃あけのちゃん」


 かさ。「さくたんの言う通り、大きくて食べ応えがあって、香りと甘さが違っていたのだけれど3万、数量が4パック、何粒かしら」

 「ひとパック7粒だったわよ明乃あけのちゃん」

 「28粒、一粒1000以上、女子学生のお小遣いでは難しそうね」

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