第26話 ミス・テリーとかぴたん、コーナリングで攻める

 「ミス・テリー、かぴたん見てぇ~、この前ねぇ~ここでいなくなっちゃたんだぁ~」

 「お~、びゅーんお空からびゅーん」「ふっ、子供ね」

 「見て見てっ、ぎゅーんぎゅーんドライブだよぉ~、トンネル、ん~~~はぁっ」

 「あ、違う私も、Oh~~~、反転っ」「あ~~~、かぴたんも~」

 ははははは、何か見つかるかなぁ~。


 「何回見ても脇道なんてうつってませんよぉ~、最新の地図もそうですし」

 だめかぁ~。

 「一体何を私達は見落としているかしら、あなた達が望みの綱だったのだけれど」

 「でも地図にも無いし、ぱぱさんアースにも写って無いし、消えたんじゃぁ~」


 「そしてここで曲がる」「お~ここも草と木がぼうぼうだよぉ~」「山の道だから」

 「次かぴたん、かぴたんがするぅ~」「ぇぇぇえええーーー」

 「喧嘩けんかしないでねぇ~、かぴたんどっちに行きたの」「ぎゅぎゅうぅ~Uターン」

 「ミス・テリー、Uターンだって」「サイドターンきっきっきっ」「やふぅ~~~」

 えっ、警察の厄介になるのはめてね。


 きゃっきゃっきゃっ。「GOGO!ミス・テリー」「ちょっ、かぴ汁が飛ぶから」

 「あっ、ミス・テリーッ、隠し通路発見っ」「お~魔王城に突入ぅーーー」

 「本当だっ」「「「「「「「「ぇっ」」」」」」」」「「にゃっ、にゃっにゃっにゃっにゃっ」」

 「結界があるよミス・テリー」

 「ん~~~中ボスいないし、アイテム無かった。無理ゲー」


 「桜花っ、あっちのパソコンモニターしてる」「してるよ」「同じ場所出して」

 「うん、私の不意を突くとは、やるな、ぱぱさんアース」

 確かに65型のモニターにうつし出された映像には、正面に道がある。


 視点は、県道44号のトンネルを引き返して来て、T字路を左折したのだ、ミス・テリーとかぴたんは。

 一旦T字路に入って、サイドターンを決めてもう一度T字路まで引き返した。

 そして県道44号に進入した絵で止まっている。


 「これ県道44号を直進する時は、ガードレールが一部外側に伸びて途切れて、車1台がめれるスペースがあったところね」

 「ええ、草が伸び放題の写真だったから、車のわだちなんて見えなかった」

 「うん、てっきり農家さんが、一時的に車を停める場所だと思ってた」

 さくたんの言う通りだ。


 今うつっているのはルートATの十字路を左折して、県道44号を直進すると、T字路の所で左側のガードレールが、少しだけ角度を持って外側に伸びて、県道44号に沿って下って行く、舗装ほそうされていない道だ。

 ミス・テリーとかぴたんが結界があって進めないと言っているのは、この道が私道かそもそも道ではないからだと思う訳で。


 「ねぇ~もっと色々な所に行って良い」「あーかぴたんも行きたい」

 「うん良いわよぉ~、二人のおかげで皆助かったわ」

 「ここぉーーー」「あっ、違うのぉ~~~」「ん~~~聞いてないねぇ~~~」


 「パパとママうつってないかな」「「「「「「「「「!」」」」」」」」」

 「あーかぴたんもかぴたんもぉ~」御免おめんねぇ~、たより無い大人で。


 今はこれが精一杯せいいっぱいなんだよ、皆。

 「同じ場所でも見る方向で写真が違うのか」

 「違う見たいですね。草が刈られて、わだちうつっているのはZCEM年の7月ですね」


 「えっと観測点て、・・・この辺、ねっ、はじめちゃん」「ええ」

 さくたんがこの前の観測点らしきところに移動させた。

 「お~、ガードレールがつる草で隠れて、途切れてる様に見えるね。下のアスファルトが三角形で、その先は草でおおわれていて、何もペイントされてないけど安全地帯にしか見えないね」


 「ほら、画像取得日を見ておっちゃん、ZCEU年8月」

 「草でおおわれている方が最新画像か、でもさぁ~さくたん、観測点なのにどうして分からなかったのぉ~」

 「所長、観測空間の広さが技術的限界です。この脇道は、観測点の3~4m先です」


 「どうしてそうなったのはじめちゃん」

 「簡単です。車は直角に曲がる訳ではありません。だいたい進入しようとする次の道の手前でハンドルを切って入って行きます。それにこの脇道はT字路のほぼ中心なので、存在を知らず、直進か右折と思っていましたから、知っていたらトンネルではなく、この脇道が観測点に成っていたはずです」


 なるほど、観測範囲が3×3mの面積しかないから見えなかったのと、アスファルトが三角形で、わだちうつって無かったし、幅が車幅ぐらいしかないから、実用的な道だと思えなかった事が要因か。

 さて、ここは本当に道なのか。


 「明乃あけのちゃん、これ車が通れる道かな」

 「・・・正直わかりかねます。ZCEM年の7月の画像にはわだちうつってますが、最新の画像は草におおわれていて、使われているとは思えません」


 「ふん~~~、調べる価値がありそうだね」「えっ」

 「小心者しょうしんものの俺としては、使われてない、人が来る可能性が極めて低い、地図にもってない所を選びたなぁ~」

 「分かりました。うちで調べます」


 「どのぐらいかかりそうかな」

 「そうですね。予算の確認もりますから、1週間ください。おそらく他の省庁をまたぐ情報になるでしょうから」


 「ん~~~たのもしいねぇ~」立派なお尻だねぇ~。

 がたっ「セクハラァーーー」ど、どうし分かったっ。

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