第25話 娘子隊《じょうしたい》に聞く

 きゃっきゃ、きゃっきゃ、わいわいがやがや。がらんがらぁ~ん。

 「たっだいまぁーーー」「帰ったぁ~」「娘子隊じょうしたいっ」


 だん。どたどたどた。「ミス・テリーーー、かぴたん来たぁーーー」

 がたっ、どたどたどたどた。「私の妹ぉーーー」


 「いやぁーーー」「さくたん来たっ、はじめちゃん来たぁーーーーーー」

 どたどたどた。「かぴたぁーーーん」ばたばたばた。「やぁーーー」

 ぴた。・・・どたどたどた。「ミス・テリーーーィッ」ばたばたばた。「OHーーー」


 「・・・あのぉ~私達も名乗りを上げたいんですけどぉ~」

 どたどた、・・・どた。「空自のくぅ~ちゃん」「違いますっ」

 「じゃぁ~海自のかいちゃん」「ちっがぁーーーうぅーーー」


 どたどたどた。「かぴたぁーーーん」ばたばたばた。「やぁーーー」

 ぴた。・・・どたどたどた。「ミス・テリーーーィッ」ばたばたばた。「OHーーー」

 「もういいですよぉ~」


 「あ~、常勤になる様にまた上申じょうしんするからさ」「何回目ですかぁ~」

 「ふ~ん今回はねぇ~、明乃あけのちゃんがはらりと一肌脱いだから、期待していいよ」

 「「「「お~~~」」」」


 「でぇ~早速なんだけど、お店閉めて集まってくれない」

 「かぴたんお腹空いたぁ~」「私も」「はいはぁ~い、じゃぁ~ソファーに座って」

 「「え~」」「今日はねぇ~、ミス・テリーとかぴたんにもお話を聞いて欲しいの」

 「「わかったぁ~」」


 キッチン側に近いソファーにミス・テリーとかぴたんが座る。

 水回りに近いと言う事は、トイレの直ぐそばなのだが大丈夫。

 トイレの入り口には半畳ほどのバッファ空間が設けてあり、コの字に成っていて、直接せっする事はない。


 まもちゃんがおやつの用意をしてくれている。

 真ん中のソファーには、キッチン側からさくたん、はじめちゃん、娘子隊じょうしたいの空自のくぅ~ちゃん、だったかな。

 残りの娘子隊じょうしたいの子達は、一番玄関側のソファーに3人。


 明乃あけのちゃんと俺は、ロッキングチェアーに座る事にした。

 ソファーの前のテーブルは、丸テーブルより低い。

 会議には不向きだが仕方ない、ロッキングチェアーの方を移動させた。


 「はぁ~い、出来たよぉ~、パンケーキ。バターと蜂蜜をたぁ~ぷりっ」

 汚染されてるな、まもちゃん。

 「まもちゃん、食べる前はめて」

 「え~~~いいじゃん、ねぇ~、ねぇねぇ」「分かったからすらないで」


 「かぴたんココア持って来るね」「うん」

 「ミス・テリーは、アールグレーでいいの」「おっけぇ~」

 かちゃかちゃ。「おいひぃ~~~」かちゃかちゃ。「うん、うまかぁ~」


 「はぁ~ぃ、ココア」かちゃ。

 「はぁ~ぃ、アールグレーねぇ~。お湯はこっちね」かちゃ。とん。

 ふぅ~ごくごくごく。ふぅ~ごくごくごく。かちゃん。「かぴたんもっ」「もぅ~」

 「いいじゃんいいじゃん、いっぱいあるんだしぃ~」


 「どうするのミス・テリー」「もぅ~」

 「仲良しさんねぇ~、カップ持ってくるからねぇ~」

 「え~へへへぇ~」「今度から自分で言いなさいよね」

 「嫌っ、ミス・テリーのがいのぉ~」「もぅ~」


 「集まってもらったのは、先日せんじつの予備観測の失敗について意見が欲しの」

 「あ~、T字路とトンネルの間でロストしましたからね」

 「あのあとさくたん、はじめちゃん、桜花も含めて、科学的技術的に検証がなされたのだけど、光子対、量子もつれ、重力子への転写、挙動きょどうに問題があったとは考え難いの。今も検証は続いているのだけど、不備があったとは思えないの」


 「はいっ」「はいっ、陸自のりくちゃん」

 「違います。そうすると、科学的には消えちゃった」


 「いえ、そう見えるけど、ミス・テリーの様な力が働いて消え去ったとすれば、今頃私達はここにいないわ。かぴたんの様な力が働いたとしても同じ、量子もつれが彼等にあって、別空間に転移したとは考え難い。それなら私達にも検知出来たと思うし」


 「じゃぁ~、トリック」「私とさくたん、桜花は科学的に検証しているのでなんとも」

 「でぇ~俺は、人為的な見落としがあったんじゃないかなぁ~と、思う訳よ」


 「はいっ」「はいっ海自のかいちゃん」

 「ちっがいますぅ~。でもぉ~私達はミス・テリーやかぴたん、さくたんと遊んで、うぅん、集中力が途切れない様にカラオ、支えてただけですしぃ~」


 「うん、それは分かってるよ。毎回のりのりだしね。そこで俺達」

 「「「一緒にしないで下さい」」」「おっちゃん」


 「なっ、桜花まで、既に汚染されてんじゃないのぉ~」「何か」

 「いえ、独り言です。それで俺、まもちゃん、明乃あけのちゃん、はじめちゃん、さくたんで、人為的な見落としがあるんじゃないか、地図とにらめっこしてねぇ~、色々考えたんだけど、出ない訳よ」

 「何か思いつかない」「そう言われても」

 「取り敢えずパパさんアース見て何か思いつかないかしら」


 桜花のタブレットは俺達の方に持って来ている。

 全員で見るのは難しいので、ソファーの向かいの壁に掛かっている65型のモニターにも映している。

 「ここを左折してぇ~、よっ、真っ直ぐですよねぇ~、ほいっ」

 「まぁ~する事は同じだよねぇ~、あっ、まもちゃん、ミス・テリーとかぴたんにも見せて上げて」

 「ほぉ~い」


 ミス・テリーとかぴたんには普通のパソコンを用意して、ぱぱさんアースで遊んでもらう事にした。

 子供の視点は新鮮だ。

 その曇り無きまなこで、大人のしがらみや思い込みなど易々やすやすと乗り越える。


 嗚呼ああ、働きたくない、おっかしいなぁ~、俺はこんなにも純粋じゅんすい無垢むくなのに。

 「あ~それ絶対違いますから、所長」えっ、明乃あけのちゃんにまた読まれた。

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