第22話 α tracks《アルファ トラックス》

 そして恒例こうれいの儀式的なものが始まった。

 ♪どっんどっとっと。しゃんしゃんしゃん。「「「「「「「どっんどっとっと」」」」」」」

 しゃんしゃんしゃん。「「「「「Yahoo~」」」」」

 しゃんしゃんしゃん。「「Yeah~」」

 しゃんしゃんしゃん。「「「あわわわぁ~」」」

 あ~皆おびに鈴を一つ付けてるのね。


 ♪どっんどっとっと。しゃんしゃんしゃん。「「「「「「「どっんどっとっと」」」」」」」

 「ミス・テリー、今回ははなやかだしにぎやかだねぇ~」

 「そう、和風女豹めひょうだから、可愛い」

 しゃんしゃんしゃん。「「「「「Yahoo~」」」」」

 「そ、そうかぁ~、今回も女豹めひょうかぁ~、それは怖いねぇ~」

 「ぱぱさん違うよぉ~可愛いぃ~だよぉ~」

 しゃんしゃんしゃん。「「Yeah~」」

 「うん、かぴたんも良く似合って可愛いねぇ~」

 「え~へへへぇ~」やっぱり、女の子は身に着ける物で変わるんだなぁ~。

 しゃんしゃんしゃん。「「「あわわわぁ~」」」


 ♪どっんどっとっと。しゃんしゃんしゃん。「「「「「「「どっんどっとっと」」」」」」」

 しゃんしゃんしゃん。「「「「「Yahoo~」」」」」

 しゃんしゃんしゃん。「「Yeah~」」

 「ミス・テリー、かぴたん、もういいよぉ~、30分後に休憩ね」

 しゃんしゃんしゃん。「「「あわわわぁ~」」」

 窓からさくたんがそでおさえながら手を振る。いやぁ~いいねぇ~。


 「はいはぁ~い、ミス・テリー、かぴたぁ~ん、こっちに来て」

 「はいっはいっはいっ」「さくたんっ早く早くっ」「ちょっと待って今行くから」

 「かぴたん、入れたよぉ~」「空自のくぅ~ちゃん、有難う」「違うよぉ~」

 さくたんがあわててやって来た。


 「せ〜の」「「「いちにっさんはいっ」」」

 ♪ちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃか「ほいっ」

 えっ、何これ、三味線しゃみせん


 ♪ちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかしゃんぽん

 「               いよぉ~~~ぽん」

 お囃子はやしも入るの。


 ♪ちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃか

 「「「はっ はっ はっ はっ はっ はっ」」」「はぃや」


 ♪ちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかちゃかしゃん

 「「「はっ はっ はっ はっ はっ はっ」」」「う~」「さぁさぁさぁ」


 ♪「これよりご覧いただきますのは」

 ♪「おっちゃんの重労働」

 よくこんなの探してくるなぁ~、はいはい、回りますよぉ~。


 「はぁ〜」♪「「「回レ回レ回レ回レ回レェ~」」」

 なははは、くるくる回るんだね。目を回さないでよぉ~。

 ♪「「「回レ回レ回レ回レッ」」」



 ♪「Weウィー all live in aオーリーヴィンナ yellowイエロー submarineサブマリーン

 ♪「yellowイエロー submarineサブマリーンyellowイエロー submarineサブマリーン

 窓からはじめちゃんがそでおさえながら手を振る。

 いやぁ~本当にいいねぇ~、さくたん達以外は皆、胸元、広いんだよねぇ~。

 「ミス・テリー、かぴたん、もういいよぉ~、10分後またするからねぇ~」

 「「はぁ~い」」


 取り敢えず予備観測終了だ。

 さて、床に座ってジュースでももらおうかなぁ~。

 観測が終わるまで、アルコールは禁止だ、脱水を起こすしね。

 俺達が予想した通りに来てくれればいいが。

 はじめちゃんが来た、どうかなぁ~。



 丸テーブルの上にタブレットが置かれると、明乃あけのちゃんとまもちゃんもやって来た。

 娘子隊じょうしたいの子達とさくたんは、ミス・テリーとかぴたんが楽しくなる様に思いっきり遊んでもらわないと。


 う~~~立つか。どのみちトイレに行かないとな。

 「よっと、見せてもらえる、はじめちゃん」

 「ではルートATに入ってから1点目の交差点、村道との分岐、時刻は距離が短い為、見逃さない様に、全てルートATに入った時刻9時10分からです。今回は最新の地図に重ねて表示します」


 「あ~助かるよはじめちゃん、正直ポリゴンだけだと何処へ行ったのか分からないところだよぉ~」

 「あっ、四角いの、来ましたよ」さぁ~、真っ直ぐか、右か。

 「右です、曲がりましたね所長」


 「だねぇ~、明乃あけのちゃん、時刻は9時10分、おや」

 「可笑おかしくないですよ、距離が400mぐらいしかなく、時速が4~50kmだと30秒程度で到達します。おそらく次も1分半から2分以内に現れるかと」


 「そう、じゃ、次県道に入るか見ようか」

 はじめちゃんがタブレットを操作すると、表示が十字路に切り替わった。

 はじめちゃんの言う通り1分半ほどすると、四角柱が現れた。

 しかし驚いたなぁ~、他の車が通らない。朝なんだがなぁ~。

 今度は直進か、左折か。

 「また曲がったよ」


 「ええ、αアルファも意外と小心者しょうしんものと言う事でしょうか、所長」

 「そうだねぇ~明乃あけのちゃん、毎晩、神に罪の許しをこうているのかもね」


 「女の子を物の様に扱って、殺して、捨てる事を許す神なんて、対戦車ミサイルを打ち込んでやるっ」

 「まぁまぁまもちゃん、神様だからきっと当たらないよ」


 「ぶぅ~~~」「はじめちゃん、県道44号のT字路も取れてるんだっけ」

 「そうです、さくたんがぁ~、気付いたんですよぉ~」


 「悪いけど後にしてくれない。トイレ、行きたいんだ」

 「ふんっ、はいっ、多分またすぐに現れますよ」


 はじめちゃんがタブレットを操作して、県道44号の初めのT字路を表示する。

 どうかなぁ~、右折すれば民家のある道。

 直進すればトンネルが待っている、この場合ここが次の予備観測点になる。

 疲れるかも知れないが、ミス・テリーとかぴたんにはちょっと何時いつもより頑張ってもらう事になりそうだ。

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