第18話 第3観測点 朝の崖
夜の星空の
その
新たな世界が始まる。
BGMはドヴォルザーク、交響曲第9番新世界より、第4楽章へ入る。
力強く甘く香って来るモカコーヒー。
フルーティーな強い酸味は、香りを楽しんでいる合間にも新世界の様に、あっと言う間に変わってしまう。
一刻も早く味合わなければ、・・・
ロッキングチェアーに座り、
俺が求めていた職場がここに在る。
つかつかつか。「所ちょ、うぅん、
ふっ、俺の学習能力を見くびるんじゃない、
「あ~、俺」ばこっ。
・・・ぅ~~~、ぃ~~~たぁ~~~い。
「
「所ちょ、マスター、しましたよ、角は
角だったのかよっ、もう本当に
「本当に毎回言うけどっ、
「はぁ~、でも四角いお盆の角はさすがに痛いでしょう」
血が出るわっ、今まで良く血を見なかったな。
今でも痛いっ。「それでぇ~何」
頭を押さえる俺、ねぇ~~~、これはパワハラにならないのぉ~。
「おっ、この前の量子探偵業務の結果が出来ました」
丸テーブルを挟んで向かいのロッキングチェアーに、大変立派なお尻が収まるのを待つ。
タブレットが丸テーブルの中央に、立てて置かれた。
「見て下さい。これです」
「ん~~~、ナイスだね。1分後には一人目が来たね。誰、
「はい、先に調べさせて頂きました。
ふん~~~、これはやっぱり
「早送りしてくれない。次の人物が現れるのって、確か8時55分ぐらいだよね」
「そうです」「あっ、そいつ」
「
「やっぱり
「この段階ではそうとは限りません。友人の可能性も」「ん~~~、どう言う事」
「
「じゃぁ~以前観測した
「ええ、この
「
「はい、まぁ~こう言う言い方は良くないかも知れませんが、狭い中の地域内ですから、可能性は
「そうか、まぁ、
「分かりました」
そして
「それでは駐車場に移りますね」「お願いするよ」
「8時55分前後と空間的にも時間的にもかつかつでした」
「お~車のボンネットとフロントガラスしか入ってないね」
「あっ、来ました」「これ見る方向変えても車全体は入らないの」
「無理です、この座標を1回しか本観測してないので、予備観測でもたまたま入ったんです」
「だよね。この駐車場幅だけでも20mは有るよね」
「はい、長さは約60mです。今後の課題です。こんなに広い場所を1回の予備観測で見るのは現状では無理です。重力子の密度を上げないと」
「無理無理無理、俺死んじゃうよ」
「そ~なんですよぉ~、で、さくたんと
「そんなの隣じゃないんだから許されないでしょうよ」
「いえ、そう言う問題ではなくてですねぇ~。マスターの子供を育てるみたいで嫌だなぁ~って、
何だよぉ~それぇ~。
と、あほな話をしている間に、
「
「あっ、
「出来ますよ」さすが3D、視点を変えるとフロントガラス越しに
「間違いないようだねぇ~、動かしてくれる」
動き出したハッチバックの車は、
「
「
「そうかぁ~、じゃぁ~やっぱりこの先どこへ向かったのか、観測するしかなさそうだねぇ~」
あれ、
「
「それがぁ~」「えっ、予算無いの、あれ、この前取ってなかったけぇ~」
「あ~一応前回と同じ分の予算はあるのですが、ちょっと」
「何、
「ん~~~これを追跡するには、交差点毎に予備観測をしないと駄目ですから、予算もそうですが、ミス・テリーとかぴたんが可哀そうかな、30分毎に途切れるのでいつも以上に疲れるのではないかと思うと、うっ、・・・ぅ~~~~~~」
泣くかね。「そ、そうねぇ~、具体的に二人はどのぐらい持ちそうかなぁ~」
俺もまだ死にたくないしねぇ~。
「ぅ~~~、ロングの時は継続してカラオケで楽しんでいますので、余り苦にはなっていない様なのですが、ショートは30分毎に途切れるので、逆に長く感じている様なんです」
「あ~~~、なるほど。で、ショート何点ぐらいになりそう」
「正直何とも、何処へ向かうかで変化するので」
「ん~~~、何回ぐらいなら集中できそうかな」「ひぐっ、ぅ~~~3回ぐらい」
「そうかぁ~、予備観測って座標は変えれてたよね、時間は」「ぅ~私では」
「さくたぁ~ん、
「いいんですか」
「喫茶店の売り上げも大事だけど、実績と報告書を上げないと、どんな難題を押し付けられるか分からないかね。これ以上面倒なのはお断りだよぉ~」
「閉めますね」たたたたたた。
「何おっちゃん」「何です。閉めるのですか」
「まぁ~ね。技術的な意見をね、欲しんだ。桜花、
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