第15話 観光地

 「え~それで何を話していたのかしら」

 おっ、桜花の登場で飛んでた、何だけ。

 「ここの自殺の名所に、観光客が来る時間帯を調べてたん、あーさくたんずるい~、でしょう」


 お~そうだった。γガンマ何処どこへ行ったか、調べるんだった。

 「有難う桜花」

 「えへへへぇ~~~、あーミス・テリーッ、そんなにまき散らして」


 「でぇ~、何時なんじだっけ、タクシー」

 「自殺の名所きは、朝の9時5分が一番早い、・・・何か変な言い方」

 「まもちゃん、がけって言えば」「ん~~~、そうする」


 タクシー乗り場からがけまでどのぐらい時間がかかるのかな。

 「直線距離で約6km、時速40kmで10分前後ですね、所長」

 何っ、明乃あけのちゃんに思考を読まれた。うんな訳ないか。


 「単純に考えると9時15分には観光客が来る事になるわね」

 「あ~でも、ぱぱさんアースで見る限り、真っ直ぐに道が伸びてますよ」

 「まもちゃんの言う通りね。人目にふれない様にするのなら、農家さんを避けて脇道へは入らないと考えると、突き当りのルートATに出る方が良いかもね」


 ツールで表示されているがけからは、500mほど遊歩道があり、その先はトイレがあるだけの駐車場に成っている。

 そこからは小山を下り、その先は農家の私有地につながる脇道以外は無く、ルートATと言う道に突き当たるまで真っ直ぐに伸びている。


 「なるほどね、はじめちゃんの言うのも一理いちりあるわ、え~と距離は約3km」

 「そうすると簡単に考えてタクシー乗り場の直線距離の半分、と言う事は、観光客の乗ったタクシーが9時10分前後にここを通過す事になりますね」

 ん~~~、目撃者がいない事からすると、タクシーがルートATを曲がってがけに向かう直線道路に入る前に、α達の乗った車が、この交差点を右か左に向かった。


 がけの展望台(デッキ)に靴があったと言う事だが、もし歩いて移動したとして、可能なのか。

 周りは森と牧草なのか草原、民家があるのはこう言う草原だけ、素足では無理っぽくないかぁ~。

 では道路は、取り敢えずルートATまでは約3kmの道のり、観光地だけあって全部アスファルト、時期は7月初め、・・・結構焼けてそうだが。


 「はじめちゃん、この日の天気って分かる」

 「ええ、分かりますよ。桜花、ZCEH年7月03日、この地域の気象データをお願い出来る」

 「まぁ~かせて、ちょっ、かぴたんっ、またぷりっとしたぁ~、はいこれ」

 上でどんなゲームやってのぉ~。


 「平均気温21.1度、最高気温26.2度、最低気温15.6度、日照時間は4.3時間、降水量は0ですね。曇りで比較的過ごしやすかったのでは」

 「そうか、素足でも歩けなくはないねぇ~、はじめちゃん」「まぁ~」


 「でもここ何もありませんよ。靴をわざわざ脱いで、置いて歩いてどっか行くとか脈絡みゃくらく無さ過ぎですよ」

 だよねぇ~、まもちゃん。やはり車だよねぇ~。


 「デッキにいるのを友人が確認したのが最後、そこからタクシーと接触しない為には、・・・そうですね、駐車場を遅くても9時5分より前に出ないと」

 「ん~~~そう、警察はルール上、朝8時半始業だからこの35分間に全てが起こった。と考えるしか無そうだね、明乃あけのちゃん、当番の子もいるだろうけど、大差ないと思わない」


 「そう~、ですね。ではこの35分間、デッキに誰がやって来て、去っていたのか。同じ時間帯、駐車場に誰が来て、何時いつ去って行ったのか、そして何処へ向かったのかルートATの交差点、この3点で予備観測をするとして、その先は向かった方向が分からないと、はじめちゃん、この3点1回で出来る」

 「無理ね。がけと駐車場はほぼ同じ高さにるけど面積があるし、ルートATの交差点とは120mも落差がある、分けないと」

 「ミス・テリーとかぴたんの疲れ具合を考えるとまとめて欲しかったけど、仕方無いですね。じゃ30分2回ですね」


 「所長、がけと駐車場、絵がりますか」

 「成果をね。あと報告書がないと、捕まえるにも、ここを維持するにもいるのよね」

 「そうですか、となるともう1回、いえ2回、予算が足りませんね」


 「明乃あけのちゃん、説明してくれない、量子事件が2件含まれてた事」

 「やってみます。しかし駄目だった時はどうします」

 「俺も話に加えて」「・・・分かりました」


 「それじゃ、γガンマ失踪しっそう案件の量子探偵業務を実施するよぉ~」

 「はじめちゃん、予備観測2回、その結果を見てがけの上のデッキ、駐車場。ルートATの交差点を本観測、と言うところかしら」

 「ええ、良いと思うわ35分2回とルートATの交差点は方向が分かれば良いから10分ぐらいかな。トータルで予備2回60分、高密度が2回120分、高密度で30分を1回、休憩10分を4回、約4時間ね」


 「順序はショート3回を前半、ロング2回を後でどうかしら」「良いと思うわ」

 「そう、まもちゃん、二人の体調はどうかしら」

 「あ~今日は無理かも、朝からゲームしてますから、算数が授業であった日の後とかが良いかな。かぴたん算数苦手だから、ぶわぁーーーと発散させた方がいいかも」


 「それ俺、大丈夫なの」「何時いつ」え~、少しも心配しないのぉ~。

 「ちょっと待て、え~~~と、明日あした明後日あさってと続くから、3日先が良いかな」


 「分かったわ、丁度いいからその間に予算の交渉を進めとく」

 「桜花、さくたん、ミス・テリーとかぴたんに教えてあげて」

 「あいあい、あーーーやられたっ」


 はいはい、責任だけ取ればいいのね、分かりましたよ。

 「それじゃさ皆、娘子隊じょうしたいの子達もそのつもりでととのえてくれるかな」

 「じゃぁ~それで」「ええ」「「「「「YesイエスSirサー」」」」」

 いやいやいや、俺も警官だからそう言うのはらないって。

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