第11話 ロックもあり

 「予備観測てっ、どのぐらいの範囲で出来の」

 「さくたんの話では、空間的な広さは変えられないらしいですが、データが粗密なので、その分データを蓄積できるので時間の幅は広げられるみたいです」


 「俺が踊る実時間は」「時間を広げても予備観測では大幅な変化はないそうです」

 「座標は変えられるの」「予め予備観測のスケジュールに設定すれば」


 「わかった。じゃぁ~予備観測で6月30日の23時から7月1日午前0時まで見て、Δデルタが現れてαアルファの自宅玄関からどう移動するか。まずそこを確かめよう」


 「所長、量子探偵業務はどうします」

 「明乃あけのちゃん、もう当たりつけてるんでしょう。俺に言わせるの」


 「所長ですから」

 「分かりましたよ。まず玄関、Δデルタが入るところ、費用もおさえないと予備観測で時間、わかるでしょう、20分。奥の和室12畳だよね。1時間を2回、それと遺体を車に積んで発進するまで、これも20分ぐらいじゃない」


 「私もそのぐらいと考えます。問題は観測の順序ですが」

 「単純に考えると時系列に沿って観測したい、けど又4時間近いし、ミス・テリーとかぴたん、眠くなるでしょう。終わり際にショート持って行くと気力が持たないんじゃない。この前みたいに終わったらお風呂入って寝た方がいいと思うんだけど」


 「う~~~ん、それじゃ玄関付近の20分を前半にしましょうか」

 「αアルファの自宅だしね。事象が変化して中にいる人物がαアルファ以外になるとは思わないし」


 「う~~~ん、そうですよね。予備観測で2体の物が、車に遺体らしき物を積み込んで発進するところを確認できれば、αアルファは途中から乗り込んだ。何て事象にはならないでしょうし」

 「それでいいんじゃない」「そうですね。責任取るの所長ですし」

 「あ、・・・そうだね」「それじゃっ」


 がたっ。「皆、業務連絡ですっ」お客いなくてよかったぁ~~~。

 「本日、17時より、大カラオケ大会を実施ますっ」

 「「「やふぅ~~~」」」きゃっきゃっ。ぱちん。ぱちん。


 「明乃あけのちゃん、明乃あけのちゃん、違うでしょうよ」

 「あっ、失敬しっけい、まちまみました」

 「んでねぇ~よわざとだよ、頼むよぉ~」


 「おっほん。訂正します。本日17時から量子探偵業務を行います。皆迅速じんそくに準備を整えて下さい。それから今回の業務に対して、ミス・テリーより精神的に大変ハードルの高い要求がなされました。この業務を成功させる為に、皆さんの羞恥しゅうちの心は、奥底に封印して下さい」

 「はじめちゃん聞いてる」「私は聞いてない」

 「まもちゃんは」「ミス・テリーからなにも聞いてないですよ」


 「おっほん。本日は『アニソン&ロックもあり、歌わない奴は生贄いけにえにしてやろうかぁ~』です」

 「えっ、そんなんの楽曲探すのも、練習も間に合わないよ」

 「さくたん、衣装、衣装どうしよう」


 「お~、それならうちの駐屯地ちゅうとんちに、夢破れたロッカーがいたと思うし、空自と海自の子のところにもいたと思うので娘子隊じょうしたいで用意しますよぉ~、でも楽曲はそれぞれでお願いしますね」

 「楽曲は桜花に集めさせるから」「そうね、そこはそうしましょう、じゃぁ練習ね」


 えっ、ちょっと、非公開だけど世界最高峰のスパコンにそんな事させるの。

 「さくたん、はじめちゃんっ」「「量子探偵業務に必要ですっ」」

 「はい、すんません」



 こうして今回も始まった。

  ♪どっんどっとっと。「「「「「「「どっんどっとっと」」」」」」」

 じゃらじゃら。「「「「「Yahoo~」」」」」

 じゃらじゃら。「「Yeah~」」でぇ~どうして皆、世紀末風の衣装。

 じゃらじゃら。「「「あわわわぁ~」」」わざわざ髪、もじゃもじゃにして。

 顔は白塗りに、目の周りに黒の星とか書いてさぁ~。

 革ジャン着て、前ははだけてるのに、中にしっかりTシャツ着てるし。


 「あのさぁ~、ミス・テリー、その衣装でこれって必要なの」

 じゃらじゃら。「しゃぁーーー、超必要、お前もインディアンにしてやろうかぁ~」

 じゃらじゃら。「違うよミス・テリー、こうだよぉ~」

 ははははは、かぴたんその顔は猫だよ。

 じゃらじゃら。「しゃぁーーー、超必要、お前もお尻にしてやろうかぁ~、はい、やって」

 じゃらじゃら。「うん」

 じゃらじゃら。「「お前もお尻にしてやろうかぁ~」」

 「二人共、中指立てない」「「は~い」」


 じゃらじゃら。「「「「「Yahoo~」」」」」

 じゃらじゃら。「「Yeah~」」 じゃらじゃら。「「「あわわわぁ~」」」

 「ミス・テリー、かぴたんもういいよ。30分後に休憩ね」

 「はいはぁ~い、妹達、頑張ってこっちに来てぇ~」「「は~い」」

 じゃらじゃら。「「しゃぁーーー、お尻ぃーーー後は任せたぁーーー」」

 「中指立てないっ」「「Yeah~」」たたたたた。


 ♪じゃんじゃんじゃぁ~ん、じゃんじゃんじゃんじゃぁ~ん、じゃんじゃんじゃぁ~ん、じゃんじゃぁ~ん。

 これ誰。「これ私」えっ、ミス・テリーーー、小4だよね。

 どこどこどん。

 ♪じゃんじゃんじゃぁ~ん、じゃんじゃんじゃんじゃぁ~ん、じゃんじゃんじゃぁ~ん、じゃんじゃぁ~ん。

 ♪「Weウィ allオール cameケェィム outアゥトゥ toトゥゥー Kakuyomu」

 なっ、・・・何だとぉ~~~。

 「Smokeスモーク onオン the paperペーパー




 ♪「天に届く死体ひとの山に、木霊こだまするにくしみさえき消す爆音」

 休憩だぁ~、はじめちゃんが手を振ってる。

 「ミス・テリーもかぴたんも休憩だよぉ~、はい、ゲージを見て」「「あいあい」」

 ふぅ~~、体が軽くなるぅ~、お~ゲージが最小径に成った。


 「は~~~い、・・・OFFにしてっ」「「しゃぁーーー」」

 「中指立てない。良く出来ました。10分だけ休憩して又するけど気分は」

 「黙れぇ~かれたいのかぁ~」

 「はいはいミス・テリー、気分は」「う~~~、NOノー problemプロブレム

 「かぴたんは」「げへへへ、おっぱい怪人、生贄いけにえにしてやろうかぁ~」

 「はいは~い、お風呂でかぴたんがねぇ~」

 「いやぁ~まもちゃんに襲われるぅ~、ぎゃはははははは」


 「あ~しんどぉーーー」「ご苦労様です。所長」

 「お疲れ様時間が無いので早速さっそく見て下さい」

 「はいはい」ふぅ~~~、ジャージ正解だわぁ~床に座っても問題ない。

 はじめちゃんと明乃あけのちゃんがタブレットを持って来た。

 まもちゃん達娘子隊じょうしたいは、ミス・テリーとかぴたんのお相手だ。


 「では早速さっそく

 「はじめちゃん、もう少し明るくならない」「なりますよ」


 「あっ、四角柱が来ました」「時刻は6月30日23時25分」「車ですね」

 「人らしき物が入りました」「早送り出来る。この次和室に何名いる」「そうね」

 「このあたりです」「四角い物の上に2体、横に一体」「R18ですね」


 「決まりですね、では早送りで」「お~2体が1体を運んで」

 「四角柱にいれましたね」「7月1日午前0時29分です」

 「はじめちゃん、さくたんと一緒に6月30日23時25分を中心に20分、7月1日午前0時29分を中心に20分、それと和室12畳を2回に分けて、6月30日23時25分から7月1日午前0時30分の65分、お願いできるかな」

 「さくたんとの共同作業なら、何時いつでもOK」

 「ちっ、じゃよろしくぅ~、私はミス・テリーとかぴたんとたわむれてるから」

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