第10話 第1観測点 暗黒の山中
ロッキングチェアーに座り、朝の
ぎし、ぎしと椅子の
BGMにトッカータとフーガニ短調、
窓から差し込む光が
コロンビアコーヒーの香り、
苦みと強めの酸味が味わい深い。
あの重労働さえなければ。
つかつかつか。「所ちょ、うぅん、
ふっ、その
「あ~
なっ、
「・・・ぃ~たっ、
「所ちょ、マスター、
「毎回言うけどっ、
「はぁ~
嘘つけっ。「それでぇ~何」
「あっ、先週の量子探偵業務、報告書と3D動画が出来てます」
「それでっ、どんな奴っ」
ロッキングチェアーの定位置で頭を押さえながら聞く俺、もう慣れた。
「まずは桜花が再現した3D動画を見て下さい」
その
ばたん。ばたん。前方の両方の扉が開き、
それぞれ車の左右から後方へ移動し、ハッチバックを開けた。
明かりはヘッドライトのみ、それが草木や地面で反射し、辺りを
大柄の一人が
もう一人が
それを確認したのだろうか、大柄な者も何かを
二人で引っ張り出した、重力に引かれ“く“の字に曲がった物を
どっしゃん。水音と重量のある物が地面に衝突した響きが、闇に中の木々に吸われ、反響する事無く消えた。
ばたん。ハッチバックを閉め、二人は息の合った調子で車の前方に移動し、乗り込むとすぐさまエンジンをかけ立ち去った。
「
「待って下さい。
ぉぉぉおおお~~~、見える俺にも見えるぞっ。
「ん~~~、この大きい方どっかで見た様な」
「この案件の報告書にあった、
「あ~もうこの二人で決まりじゃない。でぇ~、もう一人のこの男は、報告書には無かった様に思うんだけど」
「所ちょ、うぅん、
「先に
「直ぐに
がたっ。思わず立ち上がっちまった。落ち着けぇ~、座るんだ。かた。
「・・・
「そうなります」
「じゃぁ~、被害女性から採取された
「恐らく、この二人で間違いないかと」
「え~、ちょっと待って、
「当時、
「そんな事あり得る」
「その者によると、提供を受けたサンプルが違っていたのでは、と、
「
「ええ、それで内密にその
「あ~
「恐らく、
「くっそぉ~、何て事をしてくれたんだ。
「
「
「そうです。この後警察は、自殺を
「
「はい、
「
「マスター」
「所長でいいです、するよする。こんどはちゃんタオルと着替えを用意しとく、ジャージも着て来るよ」
「速攻で帰って、用意して下さい」「えっ、今日するの」
「え~~~まぁ~、ミス・テリーから要望が出てましてぇ~」「一応聞くよ」
「『アニソン&ロックもあり』にして、と言う事で」
「分かりました」「了解っ」いい返事、カウンターに向かって又親指立ててるよ。
「じゃぁ~俺も、ビー」
「だめっ、所長、税金なんですよ、
「はい、すみません、言ってみただけです。それで予算は確保できるの」
「大丈夫です、見越して今回ともう一回、この前と同等の観測が出来ます」
「苦労掛けるねぇ~」「私の妹達の為です」
「そうか、じゃぁ~観測するポイントと手順はどう考えてる」
「そこなんですけどぉ~、目撃者が見当たらない事から、
「お~なるほど、遺棄現場から
「はい、分かってます。高速を使って約2時間です」
「て事はだ、遺棄が7月1日午前2時半ごろ、引く2時間」
「
「暴行したその時間帯に
「ええ、それで
「細長いね。玄関からリビング、奥に10畳の洋室、その奥に12畳の和室。
「だぁ~めですよ。クッションになってもらう為に来てもらったんですから」
「
「
「わっかりました、やりますよ。それでこの日6月30日、
「21時半頃に勤務を終え、
「すると
「そうなります」
「
「確実に確定させるために欲しいですね」
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