第3話 案件について相談

 どたどたどた。「捕まえたぁーーー」

 ばたばたばた。「OHーーー、もう疲れた」「お腹すいたぁ~~~」

 「おやつにするぅ~、何が良い」


 「もく」「だめっ禁煙だから」「らーめん」「それもだめ」

 「「えええぇぇぇ~」」「じゃスコッチ」「だめっ」「ぎょ~ざぁ~」「だめっ」

 「うちにあるメニューにして、もうぅ~パンケーキね」


 「パンケーキ~~~バターと蜂蜜はちみつたぁ~ぷりっ」

 「かぴたん、食べる前はめて」

 「てへぺろぉ~」「はいはい」「はいはぁ~いカウンターへ行ってぇ~」


 あ~こっち来ますねぇ~。

 「パパさんたっだいまぁ~、そしてあっち行ってぇ~」

 「ちち、どいて」

 「おっちゃん早くあっち行って」


 「はいはい、分かりましたよ」

 む無く俺、ちち須利亜すりあはカウンターの後ろに二つあるロッキングチェアーの定位置に移った。

 可笑おかしいなぁ~、一応刑事で警部補なんだが、めんどいの嫌だし、楽な所に志願したはずなんだが、出向先が喫茶店のマスター兼量子探偵事務所の所長。


 護衛対象が少女達だから、護衛や職員の大半、いや俺以外女子、居場所ねぇ~。

 あ~名前の事は聞かないでくれ~、くそ~親父めぇ~30過ぎて、須利亜すりあはないわ~、!?名前で出向させられたのか。


 「はっ」がた。「とぉ~」がた。「お姉ちゃんが手伝ってあげようかぁ~」

 「明乃あけのちゃん、ちょっといいかな」「良い訳ないでしょう」

 「明乃あけのさんマスターが、お、よ、び、ですよぉ~」「う~~~」


 「じゃはじめお姉ちゃんがお手伝いしよう」

 カウンター席は高いから、手伝って貰いなぁ~。

 「はっ」がた。「いらない」「はっ」がた。

 「とぉ~」がた。「大丈夫」「とぉ~」がた。


 「はい、なんです、案件ですか」「あ~うん、そうなんだけど」

 「そろそろできるよ」

 二人が平賀ひらがはじめを見る。じぃ~~~~~~。

 そして俺の方へ向かっていた明石あかし明乃あけのを見て、にぃ~と微笑ほほえむ。

 もうぅ本当に止めて、お願い、仲良くして、ねぇ~何で皆二人にかまいたがるのぉ~。


 どたどたどた。「何ですっ、さっさと済ませて下さいっ」

 彼女は内閣情報センターからの出向だ。

 次長なのでヒエラルキー的には俺より上なのだが、業務の性格上、案件については一番相談しやすい。


 「じゃぁ~、ミス・テリーから、じっとしててね」「私も私も」「ありがとね」

 「はい、次かぴたんね、じっとしててよぉ~」「くすくすくす」

 「じっとして、・・・はい」「あんがとう」

 平賀ひらがはじめ、彼女は本来科学技術の局長クラス。


 マンション桜花の設備をさくたん一人でコントロールするのは難しく、そこでさくたんの意図いとが理解できると言う人選なのだが、国内で重力波の検出手段が無い為、おこめ国の重力波望遠鏡LIGOとおうロッパの重力波望遠鏡Virgoの研究チームに依頼をしなければならず、外務省の北米きたこめ局長、おうロッパ局長クラスで転籍し、出向となっている。


 「はい、どうぞぉ~、かぴたんココアね」「うん」もぐもぐ「美味しい」

 「はい、どうぞぉ~、ミス・テリー、アールグレーで良かったかしら」「うん」


 「それで、どんな案件なんです」

 向かいのロッキングチェアーに立派な尻が納まるのを確認してタブレットを手渡す。

 しばらくの沈黙の後。


 「この報告の通りなら、私の感想としては、γガンマβベータ1を殺害しなければならない動機がある様には思えませんね」

 「やっぱりそう思う」


 「ええ、それに当時の捜査班がγガンマを容疑者とした根拠も弱い」

 「だよねぇ~」


 「車内を殺害現場と決めつけている様だし、同乗していたと言うのは否定出来ないでしょうけど、殺人が行われたと言う証拠が何もない」

 「そうなんだよねぇ~、同乗していれば、指紋も出るDNAも出るだろう、それだけなんだよねぇ~」


 「γガンマのミトコンドリアDNAのパターンについて何も書いてませんし、何故なぜですかね」

 「分かんないよね。それにミトコンドリアDNAは2パターン出てる」


 「共犯がいたんでしょうか」「いやぁ~それがそう言う目撃証言は無いんだ」

 「αアルファが怪しいですが、DNAは照合しなかったんですか」

 「DNA鑑定の結果そのものが公開されていないんだ。可笑おかしいよねぇ~」


 「そして容疑者の失踪しっそうですか。遺留品はあるが自殺にしろ他殺にしろ、遺体未発見ですか」

 「で早々に高額の懸賞けんしょう金まで掛けて、その後捜査を放棄ほうきしている様に見えるんだよねぇ~」


 「ん~~~、肝心かんじんなところがもあもあしてますね」

 「どう、うちの案件だと思う」


 「可能性は高いと思います」

 「そう、じゃぁ~さ、そっちで調べてみてくれない。俺んとこよりごり押し、きくでしょう」


 「まぁ~良いですけど、αアルファのやり口が外国マフィアぽいですし、でも条件が1つ」

 「うにゃ、何かな、俺に出来る事」


 「本日の、・・・その、ミス・テリーとかぴたんの洗浄を私に担当させて下さいな」

 「いいけど、・・・皆ちょっといいかな」


 どやどやどや。「何おっちゃん」「はぁ~何です」「何でしょう」

 いいねぇ~、うちの、喫茶NTRの女の子の制服、メード服なんだけど、

俺が上申じょうしんした中で、これだけが通たんだよぉ~。

 怒ってるメードさんに囲まれる、いいねぇ~~~。


 「確認事項があるんだけど、今日のミス・テリーとかぴたんを、お風呂で護衛するの誰かな」

 「私ですよちちさん」


 「言い方」あ~嫌な予感、はじめちゃんかぁ~。

 「あのさ」「嫌です」「何も言ってないでしょう」「代わりませんよ」


 「頼むよぉ~、情報センターに頼みたい事があるのよ」

 明乃あけのちゃんがにやついてるよ、はじめちゃんは睨んでるし。

 「ふん、わっかりましたよ、じゃ私は添い寝係りでいいですよ」


 「ちょっ、駄目ですよ、それ今日私の番なんですから」

 防人さきもりまもちゃんいたのね。

 「分かりました、今日はさくたんを激しく責め立てる事にする」


 「しなくて良いからっ」「またまたぁ~この前だって凄かったわぁ~」

 「「「「おおおぉぉぉ~~~」」」」「ちっがうからっ」


 もぐもぐもぐ、ごっくん。「ミス・テリー、誰が良い」「一人が良い」

 はぁん、もぐもぐもぐ、ごっくん。「分かった、かぴたんが一緒に寝てあげる」


 「いや、一人が良い」「ええ、一緒に寝よぉ~よぉ~」ゆさゆさ。

 「ぅ~~~、分かったからすらないで」「れないね」

 「!当り前でしょう、・・・これから大きくなるのよ」

 はぁん、もぐもぐもぐ、ごっくん。「ぇ~へへへぇ~、パジャマパーティーだねっ」

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