第2話 奇才の少女達
片手にタブレット、カウンターには灰皿とブラックのコーヒー。
喫茶NTRの奥、二席しかないカウンター席の一つに、
「
「そんな事無いでしょうよ、さくたん」
「さくたん止めてっ、そう呼んで良いのは私の、・・・う~~~ん、可愛い可愛い食べちゃいたい妹達だけだから、うえへへへ」
「さくたん、
「うっさっい、よれよれのYシャツに
この喫茶NTRはカモフラージュ、本来の仕事は探偵業だ。
量子探偵事務所NTR、一般的に未解決事件とされる、その中でも目撃者(観測者)が無く、証拠は上がって来るが犯行に至る
そして従業員並びに、喫茶NTRの店舗があるマンション桜花に住む者、出入りする者の9割以上が、内外を問わず何らかの形でその国の機関に係わっている。
さくたんこと
15歳の少女だが、
飛び級が許されず、周りに話の合う子がいなかったのだから。
しかし、自分より年下の少女を妹と呼び、とんでもない情熱と執着を見せる。
この子を見ていると、俺はつくづく思う、才能と人格は別ものなんだなぁ~、と。
だがこの一人の才能によって、量子事件の解決の糸口を見出す事が出来る施設、ここマンション桜花が造られた。
俺には
高出力レーザーと非線形光学物質と言うのを使って、光子対と言うのを造る。
これが量子もつれと言う状態(まぁ~双子みたいな物らしい)で、その片方を重力子に転写して、重力波として過去に伝搬させ、犯行現場の観測者(目撃者)となる事で事象が確定される。
と言っていた、よう
これを実現する為に破格の予算と、さくたん設計の非公開スパコン桜花2基と、施設が使う膨大な電力を
高出力レーザーは、外敵排除にも使用される、ちょっとした要塞だ。
きゃっきゃ、きゃっきゃ、わいわいがやがや。がらんがらぁ~ん。
「たっだいまぁーーー」「帰ったぁ~」「
あほかっ、客の9割は他国の工作員だぞ、身分をばらしてどうするんだよ。
何回言えばいいんだ、まぁ~お互いに面は割れてるんだがな、警戒するのはご新規さんと隣の国籍の連中だ。
「・・・えへ、うへ、げへへへ、ミス・テリーーー、かぴたん来たぁーーー」
がたっ、どたどたどたどた。「私の妹ぉーーー」
「「いやぁーーー」」「さくたん来たっ、さくたん来たぁーーーーーー」
どたどたどた。「かぴたぁーーーん」ばたばたばた。「やぁーーー」
ぴた。・・・どたどたどた。「ミス・テリーーーィッ」
ばたばたばた。「OHーーー」
お客、いるんですけどぉ~。
どたどたどた。「ミス・テリーーー、触らせてぇーーー」
ばたばた。「いやいやいや」
狭いしぃ~、危ないしぃ~止めてぇ~。
どたどたどた。「かぴたん待て待てぇ~」
ばたばた。「お腹空いたお腹空いたぁーーー」
もう本当、誰か止めさせて。
さくたんに追い回されている
正に
現代科学で成し遂げる事の出来ない事を、この二人が超能力をもって解決してくれた。
正確には彼女の持つ能力の所為だ。
皆彼女とお話をしたい、彼女もお話がしたい、だが彼女は自身も含め対称物に壁を作ってしまう、
お互いに近寄りたくても、この力の
一方かぴたん、
この子もやはりはみ
これは物質に質量を与えるらしく、見かけの質量が
しかし二人は出逢った、真反対の能力を持ち、中和する事に成功した。
この二人の
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