量子探偵事務所NTR

パパスリア

第1話 何時の蝶の羽ばたきか

>ZCEF年

γガンマは、先輩と称する男性αアルファ(当時30代)の紹介で、地方にある就職先を斡旋あっせんしてもらった。

>だがγガンマ(当時26歳)は数日で仕事場から逃亡した。■


>ZCEG年 2月頃

γガンマは、ゲームセンターで遊んでいたβベータ1とβベータ2に声を掛けた。(当時16歳)

βベータ1とβベータ2は、同姓同名同年齢で、高校時代からの親友で学校を中退している。

しばらくしてγガンマβベータ2の交際が始まった。

>友人の家を転々としたり、車で泊まったりと不安定な生活をしていた。■


>ZCEG年 5月の夕刻

γガンマは男性αアルファから呼び出される。

γガンマβベータ2を呼び出し、弟と3人で車で向かった。(βベータ2は車中で待機)■


γガンマは男性αアルファに、メンツを潰されたとかたなくわえさせられる。

>男性αアルファは迷惑料を要求、支払えない時は、指詰めを示唆しさする言動でおどした。

む無く承諾しょうだく

>連帯保証人を求められたγガンマは、弟が拒否した為、車中にいたβベータ2の氏名と携帯番号を書いた。■


>ZCEH年 6月2日

γガンマβベータ2は警察署に、男性αアルファに対し、恐喝きょうかつ事件の被害届を提出した。■


>ZCEH年 6月28日 昼頃

γガンマは、男性αアルファに対する恐喝きょうかつ事件の被害届を取り下げる為、警察署を訪れたが連帯保証人βベータ2の同意が無いと、取り下げは行われなかった。

>※のちの聞き取りで、γガンマからβベータ2へ取り下げに同意し、警察署に同行する様電話が有ったが、γガンマから暴力を受けていたβベータ2は同意せず、そのまま実家に帰っていた。■


>同年 同日 22:00頃

βベータ1にγガンマから電話があり、呼び出している。

βベータ1の居住地はγガンマの隣の県で、高速を利用しても2時間ほど離れている。

>直前まで一緒にいた男性によると、「恋の悩みについて相談をしたい」と持ち掛けられたと言う。■


>同年 同日 23:00頃

βベータ1からβベータ2にメールが6件あり、聞き取りで、「あのメール、まるでγガンマの代わりに聞いているみたいな質問ばかりだった。γガンマが横にいたんじゃないかな」

と証言している。

βベータ1はこれ以降、消息を絶っている。■


>ZCEH年 6月29日 02:00頃

βベータ1が最後に目撃された市内から、高速を利用して2時間程度のガソリンスタンドの防犯カメラに、右手に白い布を巻き付けたγガンマの姿が映っていた。■


>同年 同日 09:00頃

>弟の家に現われ、右手の怪我がひどく、弟と病院へ行きその後2泊している。

>診察した医者によると、右手の小指・薬指を怪我けがしており、右手全体が使えない運動機能障害があったと証言している。■


>ZCEH年 6月30日 昼頃

γガンマは再び、αアルファに対する恐喝きょうかつ事件の被害届取り下げを申し入れるも、担当警部補Δデルタから立件を考えているので、取り下げしないで欲しいと言われ断念。■


>ZCEH年 7月01日 09:00頃

γガンマは友人宅を訪れた。

>その友人はこの時、特に変わったところはなかったと証言。■


>同年 同日 16:30頃

γガンマがいる友人宅から2時間ほど離れた山中の川の床で、数メートルの高さの橋から遺棄されたとおぼしき遺体が、山林の道路工事作業員によって発見された。

>遺体の首付近には扼痕やくこんらしき跡があり、検案けんあん扼痕やくこんであると断定、他殺となる。

>死亡推定日時は、ZCEH年06月30日から同年07月01日。

>死因は頸部けいぶ圧迫による窒息ちっそく死、しくは外傷性脳障害。

>着衣は身に付けていたが、性犯罪の可能性があると判断し、司法解剖に回される。■


>同年 同日 17:00頃

γガンマは友人宅を外出、19:00頃に帰ったと友人は証言。

>様子が可笑しく、家に入るように促しても運転席に留まり、「正直に言っても誰も認めてくれない」と言って泣いていたと証言している。


>同年 同日 21:00頃

γガンマは友人宅を出て、単独物損事故を起こし車を放置、通りかかた車で友人宅に送ってもらっている。■


>ZCEH年 7月02日 05:30頃

βベータ2に警察から安否あんぴ確認。

>※のちに同姓同名同年齢の別人である事が判明。■


>同年 同日

>とっても大きな医大医学部法医学講座にて司法解剖を実施。

>発生日時:ZCEH年06月30日から同年07月01日。

>手段及び状況:頸部けいぶ圧迫、帯状の皮膚剥離はくり、紫赤色の皮膚変色が認められ、頭部割創かっそう頭蓋骨ずがいこつに達している。

>その他特に付言すべき事柄:右上腕部右背部に文身ぶんしんを認め、且つちつ内より川の水と混ざった、ちつ液混合斑痕はんこんおぼしき体液を採取。

>※ちつ液混合斑痕はんこんからY染色体の分離に失敗。

>しかし残りのX染色体から、被害女性のものとは異なるタイプのミトコンドリアDNA2パターンを検出。■


>同年 同日 17:00頃

>被害女性の身元が判明、女性はγガンマが住む隣の県の市内に住むβベータ1(17歳)と分かった。■


>同年 同日

>捜査班は、γガンマが単独物損事故を起こした車を調べた。

>車内からはβベータ1の物と思えるパンプス、毛髪、血痕を採取押収。

>これを受けて警察はγガンマβベータ1を暴行し殺害したと断定、容疑者とする。

>※毛髪、血痕のDNA鑑定結果は公表されていない。

>※車内が殺害現場とみていたが、絞殺された事による失禁等の痕跡こんせきは発見されなかった。■


>ZCEH年 7月03日 朝

γガンマは親類に頼み、自殺の名所とされる観光地の崖へ車で送ってもらっている。

βベータ2や友人に自殺をほのめかすメールを送る。

>友人はバイクで駆け付けたが、電話をしていた。

恐喝きょうかつ事件の事で警察と話していた様なので、缶コーヒーを後ろに置いて帰ったと証言している。

βベータ2も警察に連絡したが、動かなかった。

>数時間後、展望台の清掃員によって、γガンマの財布や靴と言った遺留品が見つかり警察へ連絡、しかし遺体は発見に至らず。

しばらくしてγガンマが、自殺を偽装したと判断し、賞金しょうきんを掛け指名手配した。■


 俺は今回の依頼案件である量子事件の概要を、やっと読み終えた。

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