第75話
そこで、俺たちは風の絨毯から大陸へと降りて、まずは森の中を目指した。俺と煤野沢と楠田先生だけで、集落を目指して鬱蒼と茂る森の中を歩いた。先頭の煤野沢は周囲を警戒してくれている。
「なんか、物騒だな。ここ……」
所々、潮風に乗って焚き火の臭いが漂ってきていた。
相手はいつ現れるかわからないけど、こっちもそうなのだな。
ガサッ!
「おや?」
楠田先生が長刀を音もなく抜いた。
ザンッ!
「大丈夫だよ。動物だった」
楠田先生が目にも止まらぬ斬撃で一匹の野生の狼を斬っていた。
「ふーっ……あぶない。あぶない。先生助かったよ」
俺は風を呼べるけど、こんなに速くには風は来てくれなさそうだ。
瞬間的な風も操れないといけないな……。
うん? クンクン。
いい匂い……。
山賊焼きかな?
海賊たちの誰かは今は朝飯時なのかもな。
そういや、急いで来た俺たちは飯はまだだったな……?!
よーし、食いに行くぞー!
って、あれーーーー??
あそこにいるのは?!
黒髭だ!!
多分、天使が蘇らせたんだ!!
「風ノ助くん! これからは奇襲作戦だ!! 時を止められる相手は不明だし、秋華と内山を人質にとられるたらこちらの負けだ!!」
あの楠田先生が珍しく神妙な顔をしている。
「そうッスね! それがいいです。先生」
煤野沢は俺たち三人の近くに海賊や天使がいないかと警戒している。
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