第74話 蘇る亡霊

 朝一番で俺たちはバハマのニューブロビデンス島のナッソー付近に到着した。勿論、伊達政宗全軍も風の絨毯に乗っている。この島のどこかに立夏ちゃんと豊子ちゃんが……。


「風ノ助くんたち。ここには約1000人以上の海賊がいるんだ。なんとか秋華と内山を助けないと……。あ、あれは!? ……ほら、イギリス海軍のフリゲート艦に対抗できるほどの艦隊がある」 

 

 下方には小型船舶の艦隊があった。

 楠田先生は更に続ける。


「正面切っての戦いをしちゃいけないな……。よーっし! 風ノ助くん。まずはジャマイカのポート・ロイヤルへ行こう。きっと、どこかにベンジャミン・ホーニゴールドかヘンリー・ジェニングスがいるんだ。あるいは、両方でも倒せば…?! か! 風ノ助くん!!」


 一隻の小型船舶が大砲をこっちに撃ってきた。


「だーーーっ! 風よ!!」


 ドーン!!

 と、俺が慌てて発生させた防風に大砲の弾がぶち当たった。

 爆発することはなかったが、こんな弾が雨あられと撃たれたら、確実に怪我人だけじゃ済まないや。


「おい! 風ノ助! こんな大人数じゃ、こっちが不利だぜ! バラバラに大陸に降りた方がいいみたいだぜ!」

「ああ。おーけー! ……そうしよっか!」

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