第71話

 そこで、俺の腹の虫が鳴った。


「……みんなお腹が空いているようだね。それじゃあ、ご飯にしようか……」

 楠田先生が厨房に向かって、すたすたと歩いて行った。

 

――――


「私が目撃したことを整理すると、どうやら、攫ったのは海賊の子分たちだ。その証拠に牢屋が空っぽになっていたんだ。そして、小舟が一隻なくなっている。うーん。ぼくの信頼できる人物をどうやって知ったのかはわからないが、見事に歴史の教科書を奪ってしまっていたね。これらをまとめると……多分、秋華と内山は海賊共和国にいるはずだよ」


 飯の時間。

 大広間に俺たちと、楠田先生がもう安全だと言って家来たちも集まった。食べながら、楠田先生の話を聞いていた。


「先生。それじゃ、海賊共和国ってところへまた行けばいいでスかい?」

 あの。煤野沢がいつにもなく乗り気だった。

「海賊共和国って言っても広いから……よーっし、しらみ潰しにさがすかしないといけないぜ」


 楠田先生は微笑して、

「ああ、そうだね。ハハッ、君たちはさすがだね」


 みんなに配膳する女中たちは大忙しだった。


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