第55話

 あ、そうだ!

 逸らそう……。


「であっ! 風よ!! 暴風よ!! 嵐よ!!」


 俺は思いっきり風を最大出力で、少し斜めに巻き起こした。

 途方もない風力によって、無数の光の束が脇に逸れる。


「あっぶねええーー!! もし、直撃だったら防御用の風ごと俺の身体を貫通してたな。こりゃ……」


 光の束は遥か西の陸まで迸り大地が建物ごと焼け野原と化した。


 うん?

 そういえば?

 ここ……どこだ?


 遥か向こうの陸に粗野な木材でできた建築物や海賊船が目立った。

 風や空気が暑い。

 日光がギラギラとしていて、到底日本の気候じゃなかった。


 あ、そうか。

 カリブ海だ!!

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