第46話

 俺は防御用の暴風とは別に全ての砲門へ凄く鋭利な突風を発していった。

 砲門に突風が入ると、次々と船の反対側へと物凄い勢いで砲台が押し出される。

 大きな音を発し砲台が後ろの海へとぶっ飛んでいく。船室に大穴が空いた小型船はモクモクと煙をだしながら沈む船もでてきた。


「よっしゃーーー! いざ!! 海賊の頭を!! クラスのみんなを!!」


 海に浮かぶ大型船ハッピー・リターン号目指して、俺は風を纏って突進した。

 ジョン・コックラムは、サーベルではなく二丁拳銃で迎え撃ってきた。

 怒涛のような連続射撃を暴風で防ぎ、俺は背中に生み出した風を受けて、相手の脇へと勢いよく滑り込んだ。すかさずジョン・コックラムの脇腹に刀身を当ててスッと引くと、おびただしい血を噴きだした。

 吐血してジョン・コックラムは床に倒れた。

 俺は決めポーズをした。

 それを見ていたジョン・コックラムは真っ赤な口を大きく開け笑い出した。


「ハハッ! 楽しいな! また、地獄で会おうな!」

「クラスのみんなは?!」


 俺は焦り気味で、詰問したが事切れていた……。


 クラスのみんなは一体?

 うーん、確かに過去の歴史にただタイムスリップしただけじゃないんだな。

 それに、どうして俺は伊達政宗なんだろう?

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