第42話

「トッーーーーウ!」


 俺は刀を振り回して、下方の乱戦へと飛び込んだ。


 竜巻の中で、もう……家来なのか仲間なのか敵なのかもわからない。

 やたらめっぽうに刀を振り回していると、数分が一時間にも思えてきた。気がついたら野郎どもは、ほとんど斬り伏せられているんだな。


 俺はひたすら野郎どもを斬るのに夢中になっていると、死骸の山を築いていた。

 もう誰もいないやと思って、遠くを見てみると楠田先生と煤野沢がまだ戦っていた。


「風ノ助くん! こっちは煤野沢くんと二人海賊の頭を倒したぞ! 風ノ助くんは船に行ってくれ! 君の力で海賊の頭を全部倒すんだ!」


 少し離れたところから楠田先生の声が届いた。

 よし! 海賊の頭を見つけよう!

 海賊の頭は多分、遠い海の船に大勢いるはずだから、このまま浜辺を風で飛び越えて一人ずつ一騎打ちだ。

 

 そうと決まれば、いざ参る!

 俺は海に向かって宙を舞った。。

 今じゃ強風に乗って空を飛べるんだな。


 飛んでいる最中。カモメがいっぱい俺のところに寄って来るが、俺は遥か上空から海賊船目掛けて下降した。

 下から見る見る小さかった海賊船が大きくなってきた。

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